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となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい  作者: usi
となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい ストーリー版
11/29

Vtuberには水着が必要かもしれない2

 前回のあらすじ 宮川さんと川上さんと海に来ました!


 宮川さんに手を引かれながらブルーシートに戻ると、川上さんが飲み物を持ってすでに座っていた。


 「ちょっと!二人ともどこへいって・・」


 そこまで言いかけると僕と宮川さんが手を繋いでいるのを見て


 「タマ!何あんた宮川さんと手を繋いでるのよ!私もまだ繋いだことないのに!」


 と言って怒りはじめてしまった。


 「そんなの知らないよ!僕だって初めて手を繋いだんだから」


 そうだ。しかもこれは犬のリード扱いだぞ。すると宮川さんが僕の手を急に離して


 「散歩はここまでのようねポチ」


 と言ってブルーシートに座った。だからポチじゃない!僕も一緒に座ることにした。


 「ほら二人の分も買ってきたわよ」


 そう言って川上さんは僕たちに飲み物を手渡してくれた。


 「ありがとう!」


 本当に気が利く人だ。あと宮川さんの分も買ってきてくれるあたり悪い人ではないかもしれない。


 「なんか毒でも入ってるんじゃないでしょうね?」


 宮川さんが飲み物を疑いながら見ている。


 「入ってないわよ!いらないなら飲まなくていいわ!」


 川上さんは宮川さんの飲み物を奪おうとしている。


 「まあまあ。喧嘩しないで」


 この二人は仲がいいのか悪いのか。しばらく休憩した後お腹がすいたので海の家でごはんを食べることにした。


 海の家はとても開放的でテーブルとイスが並べられている。人もあまりいないようで僕たちは奥の方の席に座った。


 初めに宮川さんが先に座っていたので僕は向かい側の席に座ったのだが、川上さんが宮川さんの隣に座ると、すごく嫌そうな顔をして結局宮川さんは僕のとなりにきた。


 「ちょっと!なんでにげるのよ!」


 「あなたみたいな変態よりはポチのほうがましよ」


 喜んでいいのかな。少なくともストーカーよりは信頼されているようだ。僕たちはそれぞれ注文した後、食べながら今後について話すことにした。


 「そういえば今日何しに来たんだっけ?」


 川上さんがチャーハンを食べながら今日の目的を聞いてきた。忘れたのかよ。


 「今日は宮川さんと川上さんの仲を深めようってことで海に来たんだよ」


 「そうだったわね。まあ無理ね」


 「私だってお断りよ。宮川さんの声と体にしか興味はないわ」


 川上さん言ってることだいぶやばいけど。


「はー」


 二人が仲よくなるのはまだ先みたいだ。僕は思わずため息をついてしまった。その後僕たちは昼ご飯をたべた後、ブルーシートに座ってしばらく談笑した。


 「ちょっとトイレ言ってくるわ」


 川上さんが立ち上がってトイレに行ってしまった。つまり宮川さんと二人きりだ。なんか若干気まずい。いつもは平気なのに。そういえばいつも宮川さんから話しかけてくれていたような。ここは僕が頑張らないと。


 「宮川さんは海とか来たことあるの?」


 「子供のころにね。家族で来たことあるわ」


 宮川さんは遠くを見つめている。


 「へー。宮川さんの母親見てみたいなー」


 それを聞いた宮川さんは悲しそうな顔をして俯いた。


 「無理よ」


 「え?無理って・・」


 僕は気になったがそれ以上聞くのはやめた。宮川さんの顔があまりいい話ではないことを物語っていた。ここは気分を変えよう!


 「宮川さん!一緒に海行こうよ!」


 僕は宮川さんに向かって手を伸ばした。宮川さんは驚いた顔をして手を伸ばすがすぐに引っ込めてしまった。僕はその手を強引に引っ張って宮川さんを立たせる。


 「行こう!せっかく海に来たんだから一回くらいは海に入らないと!」


 僕は笑顔で彼女に言う。


 「しかたないわね」


 そう言って彼女は少し笑った後、羽織っていたパーカーを脱いで水着になった。


 宮川さんは黒のビキニだった。モデル顔負けのスタイルに黒がよく似合っていた。


 「宮川さん。その水着とても似合ってるよ!」


 「あんまり見たら殺すわよ」


 照れ隠しなのか殺害予告してくる。照れ隠しが可愛くないよ宮川さん。


 その後二人で海に行って波際で遊んだ。


 「ポチ犬かきしなさい」


 「無理だよ!僕泳げないよ!」


 その後水を掛け合ったりして遊んでいると


 「ちょっと!なに私抜きで楽しんでんのよ!私も混ぜなさいよ!」


 と川上さんが帰ってきた。


 「死になさい変態」


 「変態じゃないわよ!」


 二人も水を掛け合って楽しんでいる?まあいっか。今日で少しは二人の仲が深まっただろう。


 そうして僕たちはくたくたになりながらもなんとか駅について解散となった。


 僕は今日という楽しい日を忘れることはないだろう。





 

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