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84

事件が解決した時、光は確定放送を待っていた。


-84 大イベントと大事件の後-


 確定放送が終わった瞬間光は飛び上がり持っていたビールの殆どをこぼしてしまったが全くもって気にしていなかった。確定オッズを確認していなかったが今までに無い位の快感を得ている様だ。こぼしたビールで衣服がぐっしょぐしょになってしまったがそんなの全く関係ない、早く払い戻しに行きたい気持ちで一杯で仕方なかった。

そんな中、会場で払戻金額等についての放送がされる。ただ魔力オーロラビジョンがずっと真っ暗なままだ。


カバーサ「えー・・・、映像が出てきて・・・、ませんね。なので私の方から改めて着順確定と払い戻し金額を・・・、あ。出せますか?では皆さん、ご一緒に見て行きましょう。

 改めまして今年のレースですが、1着⑨番、2着⑮番、そして3着⑥番となりました。2連単⑨-⑮の組み合わせ58790円、また3連単⑨-⑮-⑥の組み合わせ892万4360円となっております。尚、毎年の事ですがレース開始までにこちらの車券をご購入された方は払い戻し金額が倍となりますのでよろしくお願い致します。

えー、解説兼主催の・・・、今年はバルファイ国王様ですかね?今年のレースはいかがでしたでしょうか?」

パルライ「・・・。」


 画面に映ったパルライは事件解決の疲れからかおしゃべりなカバーサの横で静かに眠っている。


カバーサ「あのー、起きてますか?」

パルライ「・・・。」

カバーサ「スタッフさんすみませーん、強めのスタンガ・・・。」

パルライ「起きてます、起きてますから!!」


慌てて起きたパルライ、電撃が苦手なのか、それともカバーサが苦手なのか慌てて起きている。


カバーサ「では、気を取り直しましてね、今年のレースいかがでしたでしょうか。」

パルライ「そうですね、色んな方々の人情味が出ていた一面に溢れたものだったと思いますね。やはりドライバーさん達の生の御言葉を聞けたのが大きかったかと。ただ、スタート時のトラップはダンラルタ王国のデカルト国王のアイデアで行った事なのですが検討しなおさなければならない様ですね。しかし、1人でずっと1着を守り逃げ切った⑨番車のドライバーさんには賞賛の拍手をさせて頂きましょう。」


 すると、会場中から賞賛の拍手の嵐が起こった。そこでカバーサが気を利かせ⑨番車の監督に連絡を入れある提案をした。


カバーサ「⑨番車の監督さん、聞こえますか?宜しければドライバーさん本人にウィニングランをして頂くのはどうでしょうかね?」

⑨監督「少々お待ちくださいね・・・、部屋で籠っているかと思うのですが・・・。」


 監督はキュルアが猫と籠る部屋をこっそり覗いた、中から声が聞こえる。


キュルア「よーしよしよし、可愛いでちゅねー。まだ楽しませてくれるんでちゅか?ああ・・・、ああああああ、ああ・・・、ゴホン。何だってんだよ。」

⑨監督「いや、すまない。楽しんでくれ。あの・・・、実況さんすみません、本人一番邪魔されたくないお楽しみ時間が続いている様です。」

カバーサ「なるほど・・・、本人の意思を尊重しましょう。では皆様、ゴミは各々の会場に設置された魔術空間廃棄物庫(ゴミ箱)に入れて安全にお帰り下さいね。ではお相手はネフェテルサ王国競艇場の実況担当カバーサでございました、ありがとうございました。」

光「ラジオ番組みたいな終わり方だ・・・、取り敢えず払い戻しだね。」


 光は券売機に的中した車券を入れドキドキしながらその瞬間を待つ、すると紙幣取り出し口から魔力による光が差し込みそこから札束と硬貨が出てきた。大抵高額の払い戻しは窓口でというのが基本となっているが窓口の混雑対策の為、このレースの時だけ特別措置として券売機に強めの魔力が掛けられている。

 超がつくほどの大金を受け取るとすぐに『アイテムボックス』に入れ、大負けしたゲオルとナルリスと共に観客席を出た。

 ポケットでバイブが鳴った事に気づき、電話を取り出す。画面には「林田警部」の名前が。


林田(電話)「もしもし、光さんですか?実は大きな事件を解決したので関係者全員で祝賀会をしようと思っていましてね、光さんもどうですか?」

光「良いですね、事件ってオーロラビジョンで流れてたあれですよね?今日大勝しましたので予算は私が持ちます。結愛さんという方にも会ってみたいですしね。ただ・・・、隣に相変わらずのスカンピンが2人いるんですが一緒によろしいですか?」

林田(電話)「あら、景気がよさそうですね。それに大人数の方が楽しいですから大歓迎ですよ、結愛さんに言っておきますね。」


また賑やかな呑み会になりそうだ。

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