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79

羽田が映像を見て連絡したのはあの人物だった。


-79 2人の覆面男-


 深刻な現状を報告しないといけないと思った羽田が最初に連絡したのは光明だった、別々のカードに入った映像と音声を合成できないかと相談するためだ。


光明(電話)「俺の所に持ってきてくれたら可能ですよ。」

羽田「助かります、超重要な証拠になる映像になるかと思われます。」

光明(電話)「すぐに向かいます、林田警部や結愛にすぐ見せなければ。」

羽田「我々はこの案件の捜査を継続しておりますので、そのおつもりで。」

光明(電話)「分かりました、急ぎますね。」


 一安心しながら電話を切った羽田の表情を見たパルライが声を掛けた。


パルライ「光明さんの様な技術のある方が味方にいて大助かりですね。」

羽田「私には不可能な事ばかりで面目ないばかりです。」

デカルト「取り敢えず監視カメラの映像を流しましょう、義弘とリンガルスがどこで合流したか気になります。それにもう逃げているかもしれない。」

魔学校長「主要警部室で建物内外の通路全ての映像をご覧いただけます、すぐに向かいましょう。」


 4人は主要警備室へと移動し、警備員に指示を出し各所の監視カメラの映像を再生し始めた。催眠術に掛かった魔学校長が自らの手で書類に「リラン・クァーデン」の名前を記入し終えた時間帯から。

 映像では書類を手に入れた義弘と思われる覆面男が魔学校長室を出た後、廊下を突っ切り階段へと向かっていた。階段付近に取り付けられた監視カメラの映像に切り替えると、覆面男が階段を駆け下りようとしているのが映っていた・・・、と思われた。


羽田「何・・・?!くっ・・・、気付いていたか。」


 覆面男は階段を降りずに消えてしまった、『瞬間移動』で移動したのだろうか。


パルライ「すぐに全通路の映像に切り替えて下さい。」


 映像を切り替えたが覆面をしている人物は何処にも見当たらない。「合流する」と言っていたはずなので2人映っているはずなのだが。

 パルライは『瞬間移動』以外の可能性を示唆した、映っていないだけの可能性なのではと。早速警備員に指示を出す。


パルライ「警備員さん、先程の階段付近のカメラの映像を映して頂けませんか?できれば先程と同じ時間帯で。」

警備員「分かりました、やってみましょう。」


 警備員は映像を操作し、指示通りの時間帯の映像を出した。映像の中の覆面男が消えた瞬間からパルライが目を凝らして映像を見ている。


パルライ「やはりか・・・。」

デカルト「何があったんだ?」

パルライ「ああ・・・、皆さんこちらをご覧頂けますか?」


 パルライはもう一度再生する様に警備員に促し、先程の映像を流しだした。


パルライ「止めて!!」


 警備員が映像を止めた、覆面男が魔法で消えた瞬間のシーンだ。


パルライ「この場面です。皆さん『瞬間移動』で何処かへ向かったと思われたかと思いますが、これならどうですか?」


 監視カメラの制御器にパルライが魔力を流すと、誰もいなかった階段付近に『瞬間移動』したはずの覆面男が。


パルライ「何処の通路を探してもいない訳です、何処にも移動していなかったのですから。この状態で映像を流します。」


 

映像の再生を再開する、覆面男は階段付近から動かずじっと息を潜めている。

 暫くすると覆面をした人物が階段を駆け上がって来た、2人は魔法で姿を消しているので安心したかの様に覆面を取った。やはり正体は義弘とリンガルスだ。


義弘(映像)「裏工作と梶岡に送る「入学資格剥奪通知」はこの通りだ、そっちはどうだ?」

リンガルス(映像)「データの書き換えも完了しました。これでリランが首席入学者です。」


梶岡が受け取った通知は偽装と裏工作によるものだった。

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