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78

覆面男の力が露わになっていくが。


-78 催眠術-


 監視カメラに映った魔学校長は覆面男の手によりあっさりと眠らされてしまった。


覆面男(映像)「寝たな、手を焼かせおって。暑いな、誰も見てないし監視カメラにも蓋をしたから脱ぐか。」


 真っ暗な映像で覆面男は覆面を取った様だ。


覆面男(映像)「さてと・・・、自らの手で書き換えて貰おうか。首席入学者は誰だ。」

魔学校長(映像)「り、リラン・・・、くぁ、クァーデン・・・。」

覆面男(映像)「そうだな・・・、では今目の前にある虚偽の書類を書き換えるのだ。」


 真っ暗な映像が続いているが、ごそごそと物音がしている。デスクの引き出しを開けて修正液を取り出し書き換える準備をしている様だ。

 音を立て蓋を開けると修正液を塗り付けペンでその上に「リラン・クァーデン」と書き込んでいた。


覆面男(映像)「よし・・・、これがあれば問題ない。アイツは上手くやっているだろうか・・・、まぁいい。取り敢えず合流して逃げるかね。」


 羽田が眉を顰め映像を少し巻き戻して再生し直した。


覆面男(映像)「取り敢えず合流して逃げるかね。」

羽田「「合流して逃げる」・・・、か。何か引っかかるな・・・。」

魔学校長「実はと申しますと、この鏡台の鏡の裏にも監視カメラを仕掛けてまして。」


 鏡台の鏡を扉の様に開くと中からもう1台カメラが現れた。


魔学校長「ただこのカメラの映像は鏡が厚いので音声が小さいのですが。」

羽田「とにかく見てみましょう、何か嫌な予感がします。まさか・・・、あの男が・・・。」


 『あの男』の姿が頭をよぎった羽田はカメラから先程と同様にカードを取り出すとパソコンに挿入し映像を再生した。鏡越しにしては綺麗にくっきりと映っている。先程の魔学校長が覆面男と揉めている場面だ。羽田がそこからも続けて再生を続け、4人はずっと見続けていた。

 羽田が嫌な予感を感じた問題の催眠術のシーンに差し掛かり、映像の中の魔学校長が自身の手で名前を書き換えた場面。しかし問題はそこでは無い、暑さが故に直前に覆面を取った男の顔がくっきりと映っている。そこに映っていたのはリンガルスでは無く・・・。


羽田「義弘・・・、どういう事だ!!アイツが・・・、何故催眠術を・・・!!」


 羽田の『あの男』という嫌な予感が当たった様で、映像に映っていたのは貝塚義弘、その人だったのだ。


魔学校長「しかし、私が感じた魔力は確かにリンガルスの物でした。何が違ったのでしょうか。」


 パルライは2つの仮説を可能性の1つとして立て、魔学校長に質問してみた。


パルライ「魔学校長、何点か質問してもよろしいですか?」

魔学校長「勿論です。」

パルライ「これより前にリンガルスに催眠術を掛けられた事は複数回あるのですか?」

魔学校長「何度も何度もありました。真面目な用事の時もありましたし、単に遊びで掛けたという時もありましたね。どの時も映像の時と同じ様な魔力を感じたのを覚えています。」

パルライ「その時なのですが、目隠しをされていた事はありますか?」

魔学校長「たった数回ほどだけですが、目隠しがあったと思います。その時も同様の魔力を感じました。」

パルライ「違和感は?」

魔学校長「さほどでは無かったのですがありましたね、でも段々と同じ物に近づいて来たのを覚えています。」

パルライ「なるほど・・・、そういう事ですか。」


 パルライの発言の意味が理解出来なかったデカルトが質問した。


デカルト「どういう事だ。」

パルライ「貝塚義弘がリンガルスの下で魔術と催眠術の鍛錬を行ったと思われます。可能な限り自らを大賢者に近づける形で。あれほどの魔力の持ち主が2人という事になるとかなり厄介かと思われます。」

羽田「しかし、義弘は何処で魔力を?」

パルライ「リンガルス本人の魔力を分け与えられたかと、それもかなり強力な物をね。」


事態は思ったより深刻らしい。

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