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66

恋人たちは捜査に行った意味があったのだろうか。


-66 一方で-


 恋人たちが現場に戻って来たのはプニ達が爆弾を『処理』し終えてから十数分経過してからの事だった。2人は口の周りが不自然に明るく光り、表情が少し赤くなっている。髪が少し乱れているのは言うまでもない。


プニ「お前ら・・・、ううむ・・・。」


 プニは仕事を再開すべきだと気持ちを押し殺した。何をしていたかだなんて正直想像もしたくない。

 ただ、林田警部が無線の向こうで呆れ顔になってしまっているのは確かだ。幸いケルベロスやレッドドラゴン達は気付いていないらしくその場を何としても納めなくてはと冷静に対処する事にした。

 プニの無線機から林田警部の声が聞こえる、どうやら恋人たちは無線機の電源を切っていたらしい。


林田(無線)「利通君・・・、そしてノーム君・・・、君らが無線機の電源を切ってまで2人きりになりたい気持ちは私も大人だから分からんでもないが・・・。」

ドーラ「そんな・・・、照れるじゃないですか。」

林田(無線)「ぶっ・・・。」


 ドーラが林田に何をしたかはその場の全員が分からなかったが何かしらの攻撃がなされたらしい、多分ビンタに近い物だろう。取り敢えず林田は偶然を装う事にした、どう頑張ってもドーラが何かをした証拠が見つからないのだ。


林田(無線)「失礼・・・。さてと、爆弾の方はどうなっているかね?」

ドーラ「お父さ・・・、いや警部、1つがコインロッカーの中に見つかりました。爆弾処理班の方々によるとまだ複数個隠されているかとの事です。」

林田(無線)「ノーム君・・・、まさかこの言葉を言う事になるとは思わなかったが、君にお父さんと呼ばれる筋合いは無いよ。取り敢えず見つかった爆弾はどうしたのかね?」

利通「えっと・・・。」

プニ「見つけた1個は俺達で処理したっす。」

ケルベロス①「ただ競馬場内から爆弾の匂いがプンプンしますぜ、林田の旦那。」


 相変わらずのキャラを保っているが仕事はしっかりと行っているので文句は言わないでおくことにした、別の者達には日を改めて。

一方、銃刀法違反の現行犯で逮捕した犯人をネフェテルサ王国の警察署に巡査が輸送し、それに合わせ警備本部にいた林田警部が一時的に署に戻り取り調べを行った。犯人によると、自分は金で雇われただけだと言う。真犯人からは電話での指示を受けていたが非通知での着信だった為番号は知らないそうだ。そして分かった事がもう1つ、真犯人に雇われて犯行を手伝っている物が後2人いるらしく、ダンラルタとバルファイに1人ずつ。主に真犯人が仕掛けた爆弾の管理を任されていた。

現行犯逮捕なのでネフェテルサ王国の法律で確実に有罪になるとは思われるが刑を軽くすることを条件に競馬場に仕掛けられている爆弾の位置と個数、そして他の2国にいる犯人グループの者の特徴を聞き出すことにしてみた。


林田「些細な事でも何でもいい、君の知っている事を教えてくれないか?」

犯人「競馬場に仕掛けられている爆弾はあと3つ・・・、そして場外に大き目の物が3つで、勿論場所は教える。ただ全てが独自のネットワークで繋がっていて同時に爆発される様に設定されているらしい。ただ、警察にバレた時の事を考慮して解除された瞬間に真犯人に連絡が行く様になっていると聞いた。下手すればそれによって爆発までの時間が短くなるかも知れない。

 そしてすまないが、会った事も無いから主犯者含め他の犯人グループの者の顔や名前といった特徴は全く知らない。

 金は作戦を終えてからとの事なので勿論まだ払われていないし、差出人不明の封筒に入ったこの携帯を持たされてさっきも言った通り番号非通知だったから俺には全く情報が無い。」

林田「そうか・・・、よく言ってくれた。察するにお前さん・・・、かなり腹が減っているのでは無いのかな?」

犯人「何故・・・、分かった・・・。」

林田「私の想像だが、君はろくに食えない程金に困っていて、真犯人の奴からの報酬の情報に目がくらみ、犯行に協力してしまったのだろう。ただ、自分が間違った事をした、罪を犯したという事は勿論分かっているね?」

犯人「ああ・・・、どんな重い罰でも甘んじて受けるつもりだ。そしてエルフの刑事さんに謝りたい。不本意とは言え、申し訳ない事をしたと。」

林田「分かった、『どん』な罰でも受けるんだな?エルフの刑事・・・、ああノーム君の事か。おい、またうちの利通とお楽しみの様だが聞いてたか?」

ドーラ(無線)「す、すみません・・・。はっきりと聞こえてましたよ、許します許します。」

林田「そういう事だから、こっちも君に見苦しい物を見せてしまったかもしれないんだよ。お詫びと言ってはなんだが、罰の1つとしてこのデカ盛りの特製『丼』を食べて貰おう。」

犯人「警部さん・・・、ぐすん・・・。これうめぇよ、ただある意味『重い』罰だな。」 


罰の丼により犯人の心がどんどん浄化されていく・・・。

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