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58

予想を再開した光。


-58 レース開始-


 とりあえず⑮番車に投票しようと決めた光は残りの2台、若しくは3台を歩きながら決める事にし、忘れないように出走表の⑮番車に「◎」印を付けた。

 改めて出走表の全体を見回し、計測タイムが一際目立っていた⑰番車も考えていたがやはりネフェテルサ王国の市街地をコースとして使用するレースなのでバルファイ王国のストレートを過ぎてからの事を考慮し「×」印を付けて票は入れない事にした。

 コーナリング重視でのチューニングである事を考え⑥番車は入れる、まぁ50週目になるまでだったら買い足しが可能だから大丈夫だろう、気楽に行こう。

 とりあえず後1台か・・・、そう思いながら所々に設置されたモニターを見ていると他のチーム以上にピットスタッフとドライバーが入念に打ち合わせと練習を行い、連携が取れていそうなチームがあった。やはりピットがもたつくとコースに戻った時の順位に影響する。


光「このチームは⑨番車ドッグファイトね・・・、これ入れてみようかな。このチーム初出場か・・・。来たら大きいかもね。じゃあ⑥⑨⑮のボックスにしよう。」


 偶々空いていた券売機が目の前にあったので思ったよりすんなりとマークシートを記入して車券を購入できた。


光「結構遠くまで来ちゃったから『瞬間移動』で良いかな。」


 『作成』したばかりの『念話』でゲオルとナルリスの位置を確認する、どうやら光がすぐ戻ると言ってからずっと客席で待ってくれていた様だ。他の観客達を驚かせる訳にはいかないと思い近くのトイレの隅に『瞬間移動』した。そして客席に戻り近くの売り子からビールを3杯購入して待っていてくれていた2人に渡した。


光「すみません・・・、あまりにもパルライさんのラーメンが美味しかったので。これで許して下さい。」

ゲオル「いえいえ、それにしてもまさか私の弟子がラーメン屋をしているとは思いませんでしたよ、ずっと連絡をよこさなかったので何をしているのか心配していたんです。屋台だったんですって?」

光「中は比較的広々とした屋台でしたよ、ただそこからの香りが凄くて。」

ナルリス「俺も今度食べに行きたいな・・・、今度連れてってよ。」

光「ごめん・・・、普段何処でお店をしているか聞いてなくて。」

ゲオル「念話で今聞いてみては?」

光「えっと・・・、こうでしたかね・・・。(念話)パルライさーん、聞こえますか?先程はありがとうございました。」

パルライ(念話)「聞こえますよ、こちらこそありがとうございました。今度はお店の方にもお越しください、ダンラルタ王国にございますのでまたご連絡頂けたら幸いです。」

ゲオル(念話)「それにしてもずっとどうしていたんだ、連絡もよこさないで。」

パルライ(念話)「すみません・・・、皆が食べやすいスープの開発に集中したくて師匠を含めた他者との連絡と魔法の使用を断っていたんです。妥協もせず魔法にも頼らず、自分の舌だけを頼りに作りたかったんで。」

ゲオル(念話)「そうか・・・、今度食べに行かせてもらうよ。」

パルライ(念話)「今ならお店が空いてますから宜しければ。」

ゲオル(念話)「馬鹿者、何を言ってるんだ。今からレースだぞ。」

パルライ(念話)「師匠も相変わらずですね・・・、では僕も車券を買いに行きますので失礼します。」


 念話を終了し、3人は巨大モニターを見始めた。スタート前の各車がパトランプを乗せた軽トラの後ろをゆっくりと走りタイヤを温めている。軽トラを運転しているのは珠洲田だった。毎年競技用車の手配に協力しているので、特別に参加させてもらっているらしい。ただ、軽トラの後ろを走る全ての車がカフェラッテの為、なかなか区別が付かない。各車に番号が付いていて本当に助かった。

 全車がスタートポジションに着き、スタートの瞬間を今か今かと待っている。珠洲田が運転する軽トラがコースから退き、シグナルの1つ目が赤く点灯する。すると、聞き覚えのある女性の声が魔力で響き渡った。


声「あー、あー、魔力テスト魔力テストー、これ入ってますか?あ、大丈夫、はーい。では改めまして皆さんこんにちは、私ネフェテルサ王国レース場公園でボートレースの実況を担当してます、カバーサと申します。本日はレースのメイン実況を務めさせて頂きます。尚、コースの各所に記録係を兼ねた実況も常駐していますので紹介していきましょう。」


 カバーサが各所の実況担当を紹介している間を利用してドライバー達が車を降り水分補給等を済ませている。物凄くゆったりとした時間が流れていたがこれは各選手が余裕のある演技をして相手の油断等を誘う作戦なんだそうだ。そんな中、1台だけドライバーが動かず車の中で待機している車があった。光がボックスに加えた⑨ドッグファイトだ。

 他者が和やかに過ごしていると故障したのかシグナルが赤色に点灯していき、最後に全て青色に点灯した。⑨番車だけがそれに従いスタートしたが他のチームはチラ見だけして和やかに過ごしていたが、ただ観客達はざわついていた。 


シグナルは本当に故障したのだろうか。

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