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夜勤族の妄想物語 3.異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~  作者: 佐行 院


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光は出走表を探していた・・・。


-56 レース開始直前だが-


 光は出走表の場所をナルリスに聞き車券を購入しに向かっていた。まるで国民の祝日の様に老若男女が右往左往していて大混雑している。

 先程1杯呑んだビールの影響か光はトイレに行きたくなったので車券売り場への道中で探すことにした。

 トイレは意外過ぎるほど早く見つかり全く混雑していなかったので光はすぐに駆け込み用を済ませた。

 トイレを出て車券売り場を目指す。ぷらぷらと歩いているとふんわりと優しい香りがして来たので近くを通った時少し寄ってみるかと意気込んだ。

 何軒か日本に似た食べ物屋の屋台が出ている様でその内の1軒を覗いてみる事にした。


光「『たつうろこ』ね・・・、こんな名前の店あったかな。」


 ただ一際行列が目立っており、その上光を誘った香りがその屋台からだったので光は一切迷う事無く飛び込んだ。

 店の中では皆が一心不乱に丼に入った麺を啜っている。


店主「いらっしゃいませ、お一人様ですか?お好きなお席へどうぞ。」


 どうやらここはラーメン屋さんの屋台のようだ。他のお客さんが食べているラーメンはスープが綺麗に透き通った金色のもので、細麺。トッピングはカイワレ大根と何かを揚げているチップスらしい。(※作者が大好きなラーメンの1つです、店名は変えてますが。)

 カウンターにお品書きがあったのでチラリと見てみると「鯛塩ラーメン」の文字がある。


光「『魚介ベースのスープで鯛の皮のチップスをトッピングした美味しいラーメンです』・・・か。」

店主「お決まりですか?」

光「あっ、鯛塩ラーメンをお願いします。」

店主「少々お待ちください。」


 屋台の隅に探していた出走表をみつけた。


光「出走表頂いてもいいですか?」

店主「勿論どうぞ、ラーメンが出来るまでゆっくり予想していて下さいね。」

光「助かります。」


 光は店の隅に行き出走表を1枚取って席に戻った、①~㉑までの車番の横にチーム名やホームストレートで行われた予選の計測タイム、スタートポジション等が書かれていた。


光「確かポールポジション取った⑰ブルーボアが1番人気で、18kmのホームストレートはダントツ、ただガソリンの積載量が比較的少ない気がするな・・・。」


 ピットでの給油は認められているがピットストップの回数が多いとその分逆転を許してしまう可能性が大きくなる。


光「コーナリングの図を見てみたら1番インを走っているのは・・・、⑮ベルガーロードっぽいね。最高速度は少し弱いけど加速が良いみたいだからコーナー曲がった直後の差しが決まりやすそう、ボックスに入れようかな。」


 慣れない予想で苦戦していると笑顔の店主がやって来た。


店主「予想は順調ですか?」

光「初めてなのでじっくり考えてみようかなと思いまして。」

店主「フフ・・・、ごゆっくりお考え下さい。もうすぐ出来ますからね。」


 それから数分経つと丼を持った店主がやって来て光の席の前へやって来た。


店主「お待たせ致しました、鯛塩ラーメンです。」

光「ありがとうございます。」


 女性でも食べやすい量で優しい味のラーメンは1口啜っただけで光を虜にした。予想していた事も忘れてしまう位の美味。箸が止まらなく、光の全身が喜んでいる。後味スッキリのスープのお陰で次々と麺を口に流し込みたくなり興奮が覚めない。

 かぶりつく様に一心不乱に食べていると店主が声を掛けてきた。


店主「鯛塩飯はどうされますか?」

光「それ何ですか?」

店主「麺を食べ終わったスープにご飯を入れて最後の一滴までスープをお楽しみ頂ける様になっています。」

光「最後の・・・、一滴まで・・・、ハァ・・・、ハァ・・・、頂きます!!」


レース開始はもうすぐだ。

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