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カフェでコーヒータイムを楽しむ光達。


-㊳学びの場-


温水プールではっちゃけた数日後、街中のカフェテラスでネスタが尋ねた。


ネスタ「そう言えば、あんたはどこの魔学校に通ってたんだい?」


 ネスタは光と一緒で日本からこの世界に転生して来た林田警部の奥さんだ。

 この世界では住民が魔法を使えて当然との事だが、どこかで学んでいた等の話は全く聞いた事が無かった。ネスタには自分がどうやってこの世界にやって来たかを伝えてはいる。

 光は一応、大卒の会社員だが勿論魔法なんて日本で学んだ事は無い。

 この世界では小中学校、高等学校、専門学校、そして大学という概念が無く学校と言えば魔法を中心とした勉学を学ぶ「魔学校」のみだそうなのだ。そこでは種族関係なく子供達が6歳から15歳まで学ぶことになっている。

 夫の林田警部が転生者でありどこで学んでいたか知りたかったのだろう。


光「私の元の世界には魔法自体が無くて、魔学校というものも無かったです。」


 因みにこの世界での魔学校は隣のバルファイ王国に1校だけある、そう言えば街を見回しても学校らしき施設は孤児院の施設以外見当たらなかった。

 6歳から15歳と言えば日本では大体義務教育の期間となる、その時期になれば出生届と住民票を役場と共有するバルファイ王国魔学校から連絡が来て学校に行くようになるのだ。

 ただ、全寮制でも無いらしいので毎日隣国まで通うのは大変だろうなと思っていたが、学生証を家の玄関のドアにかざして開けるとすぐ教室に到着するとの事だ。

 光はこの世界に来てから神様の恩恵で使える様になった『作成』のおかげで色々出来る様になったが林田警部は魔法が使えない。きっと、『作成』などのスキルの存在に気付いていないか本人が使おうとしていないかだ。

 そんな事を考えていたら、ネスタが確信をつく質問を投げかけた。


ネスタ「じゃあ、誰に魔法を教わったんだい。」


 きっと神様のお陰だと言っても信じてもらえないだろう、光の場合誰かに教わった訳では無く『作成』で自ら作ったものだったからだ。


光「この世界に来て、ネスタさんの家で眠っていた時に気づいたら出来てました。」

ネスタ「そう言えば、朝ごはんの後に突然倒れた事があったね。あれと関係があるのかい?」


 この世界に来た初日、ネスタの家で違和感を覚えながら全体的に和の朝食を食べた後、精神だけ神様に呼び出された折に、現実世界では廊下で倒れていた事になっている。その時に『作成』を授かった。

そう言えばあれから全く神様に会ってはいない、確か気が向いたら様子を見に来ると言っていたが。


光「そう・・・、ですね・・・。一応・・・、関係あります。」

ネスタ「なるほどね、うちの人が魔法を使えないのは突然倒れた事が無かったからかな。」


 後日、林田警部に会う約束を取り付けて本人に聞いてみる事にした。


林田「そうですか・・・、うちの家内がそんな事を。」

光「林田さんは神様から何かを授かったというのは。」

林田「ありますよ、『作成』も使えますが敢えて使ってないんです、使う場面が無くてね。」


 どうやら魔法が使えないというのは勘違いだった様だ。


光「そうなんですね・・・、そう言えばネスタさんが魔法を使っている所を見た事無いのですが。」

林田「家内はドワーフですから魔法を使うイメージは無い様な気がしますが。」

光「この世界では種族関係なく学校に通っているから皆魔法が使えるみたいですよ。」

林田「なるほど・・・、家で家内に聞いてみましょう。」


 コーヒー片手に林田は感心していた。結構この世界が日本に似ているから林田自身魔法が無くても何とかなっているのだろう。


林田「車やテレビ、それに電話まであるから必要無いと思っていましたが、知らぬ間に自分も魔法を使っていたかも知れませんね。」

光「そうですね・・・、違和感が無くなってきたから改めて考えるいい機会だったかもですね。」

林田「そう言えば、利通も6歳頃から学校に通っていましたね。」

光「何もご存じなかったんですね・・・。」


 世の中燈台下暗しというがこういう事らしい。

 今度改めて魔法を学んでみようか。


「無知の知」というやつか・・・。

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