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大宴会場での豪華ディナーのひと時・・・。


-㉖豪華な宴会と板前の過去-


 貸切った大宴会場で店の女将が日本でも今まで見たことない位の笑顔を見せていた。肌はとてもつるつるで皺1つない印象で年齢を感じさせない。何か秘密があるんだろうか。接客していた女将とは別に若女将が存在しており2人が笑顔で奥から出てきた。


女将「何かございまして?」

光「あ・・・、いや・・・、女将さんお綺麗な方だなと思いまして。」

女将「あらお上手ですこと、でも何も出ませんわよ。」


 と言いながら片手に持っていた熱燗をテーブルに置く、どうやらかなり嬉しかったみたいで女将がサービスしてくれた様だ、ただどこから出てきたかは分からないが。


若女将「女将、そろそろ・・・。」

女将「あら失礼、ではこの辺で一旦失礼致しますわ。」

若女将「あれ?また行っちゃった・・・、すみません。では鉄板の電源失礼致しますね。」


 知らぬ間に女将は瞬間移動で消えてしまっていた。若女将は気付かなかったらしく首を左右に振っている。一先ず、鉄板の電源を入れ温めだした。

 数分後、宴会場の外から女将、若女将、最後に板前の順番に3人が注文したコースのお肉を運んで来た。


女将「お待たせいたしました、『特上焼き肉松コース』のA5ランクのサーロインでございます。」

板前「1枚ずつお渡しさせて頂きますのでごゆっくりお楽しみください。味付けはシンプルにこちらの岩塩でどうぞ。」


 静かで厳格な風貌ながら落ち着きがあり優しさ溢れる口調で板前が説明する、どうやらこの人はここの板長らしい。


板前「板長、お待たせしました。」

板長「ありがとう、良かったらお客様の前で説明して差し上げて。」

板前「は、はい・・・。こ、こちらは・・・、カルビで・・・、ございます。甘く・・・、豊かな脂が・・・、ビールやご飯に・・・、ピッタリでございます。」

板前「ハハハ・・・、一応合格にしておこうか。すみませんね、こいつ支店からこの本店に配属になったばかりでして、緊張しているみたいなんです。でも可愛い奴なんですよ。」


 板長は意外と明るい人らしく気軽に声を掛けやすかった。


板長「今から2枚目と3枚目のサーロインを焼いていきます、別の鉄板では、ヤンチってんですが、こいつがカルビを焼いていきますのでお好みの味付けでどうぞ。腕は確かなので美味しく焼いてくれると思いますよ。」


 ヤンチが別の鉄板にカルビを丁寧に焼いて行った。お肉がゆっくりと焼けていき芳しい香りがまた辺りを包んだ。その香りを嗅ぐだけでナルが白飯やビールを進めていた。


ヤンチ「お飲み物のおかわりはよろしいですか?」

板長「宜しければ、お客様も・・・。」


 光と林田のグラスが空いているのを見て瓶ビールを継いでいく。光は嬉しくなりすぐに飲み干してしまった。今日のビールは勝利の味だ。

 板長が焼いたサーロインとヤンチのカルビが並んでいく。板長が信頼している通りヤンチの焼いたカルビも美味しそうだ。

 特製のタレに焼けた肉をつけ、ご飯にバウンドさせる。肉とご飯を楽しんだ後ビールを流し込む、最高のひと時を過ごしていた。

 板長はヤンチの肩に手を添え自慢げに語った。


板長「いかがですか?こいつが焼いた肉は。俺と違って板前一筋で15歳の時から修行してますから俺も尊敬してましてね。」

ヤンチ「板長・・・、照れるじゃないですか。」

光「板長さんと違ってって・・・、どう言う事ですか?」

板長「実は私ね・・・、王国軍の出でしてね、主に料理番と防衛の1部を任されていたんですが若いのに渡したんです。」

ヤンチ「板長、そうだったんですか?」


 ヤンチも知らなかったらしい。

 どうやら板長は剣捌きがお手の物だった将軍クラスのジェネラルだったらしく、戦闘の間に振舞っていた料理の腕を買われ王様の料理番も任されていたとの事だ。定年前に王国軍を離れ女将とこの焼き肉店を開いた。ヤンチはその時に出会ったらしい。


板長「ヤンチ・・・、俺のお気に入りのあれを出してみたらどうだ?」 


「あれ」とは・・・?

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