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夜勤族の妄想物語 3.異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~  作者: 佐行 院


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ナルはいつも休みの日、何をしているのだろうか。


-㉔休日を楽しむ-


 銭湯の帰り道、2人は缶ビールを買って歩きながら呑みなおした。ビールを一気に煽ったナルが一言。


ナル「いや、幸せです。こんなに楽しい日が待ってるなんて思わなかったな。」

光「えっと・・・、どういうことですか?」


 光の顔は温泉とビールのお陰でほんのり赤くなっている。


ナル「実は初めて会ったあの日、僕仕事が休みだったんですが、元々の担当者が急に出れなくなって店長に呼び出されたんです。」

光「そうだったんですか・・・。あの日は何か仕事の時間を延ばしたみたいで、すみませんでした。」

ナル「いえ、気にしないで下さい。楽しかったから。」


 一瞬シュンとしてしまった光をナルは一言で慰めた。

 光はずっと気になっていた事を聞いてみる事にした。


光「そう言えば、ナルさんは休日いつも何してるんですか?」

ナル「そうですね・・・、ゲオルさんとよく休みが合うので一緒に遊んでます。」

光「次、私もご一緒してもいいですか?」

ナル「いいですが・・・、休み合いますか?一応、来週の火曜日ですが。」


 光はパン屋のシフト表を確認して答えた。


光「大丈夫です、行けます。」

ナル「では、来週の火曜日に。お楽しみいただければ幸いです。」


 そう言うとナルは光を家まで送り自宅へと帰った。本人はルンルンと飛びながら家路を急いだ。

 次の火曜日の朝、ナルは光を家まで迎えに行きゲオルの店へと向かった。ゲオルは店の前で待っていた。

 光の家は街から北に向かった所にあり、反対にいつもの銭湯は街から南にあった。ただ今日はいつもと違い西の方向に向かって行った。西側にはいつもゆったりとした川が流れていたが街から歩いて行くとけたたましいエンジン音が響き始めた。


ゲオル「さぁ、今日は勝たせてもらいますよ!!!」


 ゲオルとナルの目が見たことない位に燃えている。看板を見てみると『ネフェテルサ王国レース場公園』とあった。横に場内マップを見ると競輪場、競馬場、ボートレース場、オートレース場が1つの公園に一緒になっていた。

 ゲオルとナルはいつもボートレースを選んでいた。2人は出走表を取ると赤ペンを耳に挟み入場料の100円を改札に入れて入って行った。因みに光も日本にいた時やった事があるので違和感は無かった。

 場内にはテレビ画面が並びオッズ倍率や先程行われたレースの結果、そして別の画面には展示の結果やリプレイが流れていた。


ゲオル「うーん・・・、そうですね・・・、経験があって腕が立つからやっぱ3番が頭で走るんじゃないですか?」

ナル「でもスタートは5番が良かったですよ。」

光「いやでもまわり足と1周はタイムが良いのは4番ですね。」

ゲオル「おや、経験がおありなんですね。」


 光は独身で彼氏もいなかったので休日は大抵料理教室に行ったり家でゴロゴロしたり、そしてたまにだが公営競技へと行っていた事もあった。因みに100円を18万円位化かした経験もある。

 ただ1つ光には疑問があった。


光「でもゲオルさん、リッチだから魔法を使えば予想なんかしなくても良いのでは?」

ゲオル「ハハハ・・・。それが出来れば皆そうしてますよ、ただこの中は特殊な魔法がかけられていて皆魔力を制限されているんです。」

 

ネフェテルサ王国競艇場は川を利用した競艇場でスタートしてからの1コーナー目(1マークと言う)のブイと壁とが極端に狭く、緩やかだが流れがあるので内側を走る1番が不利になり外側を走る艇ほど有利となっているらしい。

 数分後、レースの投票が締め切りとなりそこからまた数分後、レースが始まった。6艇がピットから飛び出しスタートの位置を争っている、ただ今回はイン側から番号順に並んでスタートするらしい。

大きな時計が動き出しアウト側の3艇からスタートし始める。すると興奮した実況の声が響き渡った。


本当に日本に似た世界だと改めて思える世界だった。

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