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後輩の優しさに感動するシューゴ。


-147 惚気る2人とほったらかしの元上司-


 たっぷりとナルリスの作ったパンケーキを堪能したシューゴの顔は恍惚に満ち溢れていた、皿の底に残っていたホイップやチョコソースをパンケーキの欠片で残さず拭き取っていた位だ。自らが育てた後輩の成長が何より嬉しかったという。

 自分が教えたのはスイーツだけだったが、この日ナルリスが作った料理は両方とも昔食べた物に比べると数段美味しくなっている様に感じた。正直誰に学んだのか気になる位だ。


ナルリス「料理が好きなだけですよ。それに俺は光と、光の家庭菜園で採れた美味しい野菜が大好きなんです。」

シューゴ「さり気なくお惚気を出しやがって。」

ナルリス「何言ってんですか?さり気なくじゃなくて堂々とですよ。」


 すると横で照れていた光が恋人の背中を強めに叩いた。


光「もう、照れるじゃん!!」

ナルリス「えへへ・・・。」


 2人の様子を見たシューゴが調理場へと向かおうとしたので、レンカルドは急いで宥めていた。


レンカルド「兄さん、早まっちゃ駄目だ。いくら女性経験が殆ど無いからって!!ピー・・・(自主規制)しちゃ駄目だ!!」

シューゴ「お前何言ってんだ、俺は酒の肴に置いておいたからすみを取りに行っていただけなんだが。」

渚「からすみ・・・、良いじゃないか!!でも、もう呑むものが無いね・・・。」

一「と言うか・・・、俺の存在って一体・・・。」


 端っこで呑んでいた光の元上司が疎外感をずっと感じていたのでさり気なく帰ろうとしていたので、酔った元部下が肩をぐぐっと掴んだ。


光「一さん、何帰ろうとしているんですか。今日は徹底的にやりましょうよ~。」

一「おい吉村、呑みすぎじゃないのか?」

光「久々の再会なんですから、いいじゃないですか。それに私婿養子に入って名字が変わっていた事知らなかったんですよ、そこんとこ徹底的に聞きますからね。」

一「渚さん・・・、何故私は今娘さんに脅されているんですかね。」


 一が光による行動で震えている横で酒盛りを楽しむ渚、何があっても知ったこっちゃないと言った様子だ。


渚「あはは・・・。光ー、今日は母さんが許すからやっておしまい。この人にはこき使われていたんでしょ。」

光「そうだね、母さん。さて、元部長・・・。向こうの世界でこき使われた分、今日は反撃させて頂きますよ。やられたらやり返す、倍・・・。」

一「待て待て、権利的な物が危ない!!」


 某有名ドラマの名台詞で決めようとした光を慌てた様子で止めた一、その上本人からすればこき使った覚えは無かった・・・、気がした。


光「40度以上の炎天下でずっと外回りさせられてたんですよね・・・、クーラーの利いた本社で貴方がずっと寛いでいた時に。」


 しゃがみ込む一を見下ろしながら指を数回鳴らす光、今にも喧嘩を始めようとしていると言っても過言ではない。


一「待て、俺は書類に追われていたんだ。お前の分も手伝っていたんだぞ。確かにクーラーの下でずっと働いていた事は認める、ただ・・・。」

光「ただ何ですか?」


 一は必死に言葉を搾り出した、今一番すべきなのは光を抑える事だ。


一「む・・・、麦茶作ってやったじゃないか。」

渚「あれ?もしかしてこの人良い上司だったりしたのかい?一さん、何かごめんなさいね。」


 親子共々、悪い事をしちゃった感を感じてしまった渚は急いで一にお酌をし始めた。横で光が『アイテムボックス』から出したバターピーナッツを進めている。


一「俺・・・、吉村に恨まれていたんだな・・・。」

光「そ、そんな・・・。冗談じゃないですか、母さんがあんな事言ったから乗っちゃっただけですよ。ほら、ピーナッツ大好きでしょ。」

一「うん、ピーナッツ食べる・・・。」


怖くて思わず子供の様になる一。

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