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132

美味い拉麵を作り、売るための準備が進む。


-132 出来立ての屋台と焼きそば-


 秘伝の醬油ダレとスープ、そして叉焼を含む営業用の商売道具を説明の為に一通り外に止めてあった新しい屋台に積むと一緒に積んでいた丼を1つ取り出し拉麺の作り方説明し始めた。


シューゴ「まず最初に注文を取ってメモに書き、丼の底にゆっくりとこの醬油ダレを入れて頂きます。次に箸で溶かしながらスープを入れていくのですが、それと同時並行で別の鍋にて麺を茹でていきます。各硬さに対応する茹で時間はメモしてありますのでこれを見ながらやって見て下さい。」


 茹で上がった麺を取り出し上下に振って湯切りする、これがきっちり出来ていないと折角のスープの味がゆで汁で薄くなってしまう。


シューゴ「予め切ってある叉焼などの具材を乗せて完成です、提供する時に必ずお箸を一緒にして下さい。」


 経費の削減の為、今回の屋台では割り箸ではなく洗って使う塗り箸を用意してある。しかし希望する客がいれば割り箸を提供する。

 お箸と割り箸を入れている引き出しの真下にドリンク用の冷蔵庫が設置されていた、中ではグラスも冷やせる様になっており、固定して運ぶ為に移動中割れる心配がない。

 この屋台には魔力計算機レジが標準装備されており、各ボタンに値段が登録されているので記憶する必要が無い。トッピングや白飯、またドリンクのオーダーにも対応出来る様にもなっている。

 因みに注文用のメモには各商品の名前が記載されていて、「正」の字を書けばいいだけになっているので大助かりである。各席の厨房側にメモを挟めるようにピンが付いていて、すぐに調理にかかれるシステムだ。

 渚がメモをじっくり読み込んでいると「特製・辛辛焼きそば」の文字が。


渚「シューゴさん、これ・・・。」


 渚がメモ用紙の「特製・辛辛焼きそば」の箇所を指差しながら聞くと、シューゴは懐から看板らしき板を取り出した。


シューゴ「そうそう・・・、これは私からの開店祝いです。それとこれからは渚さんにお教え頂いたあの焼きそばを新メニューとして取り入れる事にしました。」


 シューゴがプレゼントの看板を裏返すと、全体的に黒の背景に赤い文字で「新メニュー 特製・渚の辛辛焼きそば」と書かれていた。右下には唐辛子や辛子マヨネーズの絵が描かれている。


渚「いつの間に・・・、それに私の名前入りで・・・、良いんですか?」

シューゴ「勿論です、渚さんの拘りのお料理ですので。名物メニューに出来たら良いですね。」


 渚はシューゴの両手を取り、涙ながらに感謝した。


渚「シューゴさん・・・、嬉しいです・・・、ありがとうございます!!」

シューゴ「ははは・・・、大袈裟ですね。でも喜んで頂けて嬉しいです。因みに専用のお皿もありますのでね、これです。」


 全体的に白のデザインの拉麺丼とは対照的に黒くて少し浅い皿が一緒に設置されている。シューゴは1枚手に取って渚に依頼した。


シューゴ「宜しければお1つ作ってみて頂けませんか?折角ですので。」


 渚は言われるがままにキッチン部分へと移動し、鍋の横にあるフライパンで豚キムチから作り始めた。キムチや豚の小間切れ肉にウインナー、そして韮も冷蔵庫に入っている。横には必要な調味料が常備されていた。ある程度まで炒めて一度皿にあける。

 鍋で少し硬めに茹でた麺と、共に味見しながら配合したソース、そして一度取り出していた豚キムチとウインナーを入れて一緒に炒め始めた。例の「インスタントの焼きそば」ではウインナーは麺と一緒に茹でる様になっていたが、この屋台のメニューでは一緒に炒めていく事にした。強火で一気に煽っていく。

 辣油で味にアクセントを付け、皿に盛りつけて仕上げの辛子マヨネーズを振りかけたら完成。

 シューゴは出来立ての新メニューを1口啜った。


シューゴ「参りましたね・・・、美味すぎて私に再現できるか分かりませんね。」

渚「大袈裟ですよ、でもお口に合ったみたいで光栄です。」


 翌日から、この新メニューを引っさげて商売開始となった。渚は意気揚々としている。


新メニューは売れるだろうか。

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