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127

林田のお願いとは。


-127 渚の拘り-


 林田は友人であるデカルトに唐突なお願いをした。ただ相手は隣国の王、表情はおそるおそるといった感じだ。


林田「デカルト、すまん・・・。少しお願いがあるんだがいいか?」

デカルト「ん?どうした、のっち。」

林田「ははは・・・、もう良いか。この新メニューの値段を決めてくれないか?」


 店主のレンカルドが決めかねているので国王の権限で決めてしまって欲しいとの事なのだ。


デカルト「俺は良いけど・・・。店主さん・・・、宜しいのですか?かなり拘って作っておられるとお聞きしましたが。」

レンカルド「何を仰いますやら。1国の王様にお決め頂けるとはこの上ない幸せ、どうぞ宜しくお願い致します。」


 価格を決めるヒントとして1つ質問してみる。


デカルト「確か・・・、お兄さんの作られる拉麺のスープを使っておられるのですよね?お兄さんのお名前をお伺い出来ませんか?」

レンカルド「兄・・・、ですか?シューゴと申しますが。」


 メニュー表のパスタの欄を改めて見直しながら考え始めた。


デカルト「パスタ料理の平均価格から見てそうですね・・・、「シューゴさん」だから1500円でいかがでしょうか?」

レンカルド「あ・・・、ありがとうございます。光栄でございます。」


 レンカルドが涙ながらに感謝を伝える横でデカルトが話題を変えようと「拘り」について聞いてみる事にしてみた。


デカルト「そう言えば他の皆さんは何か拘っておられる事はありませんか?結構拘っておられる品を食べたので是非と思いまして。」

渚「そうですね・・・、うちは「焼きそば」でしょうか。光、覚えているかい?あんたも女子高生だった時から好きだったインスタントの焼きそばに豚キムチを入れたやつ。」

光「あれね、いつ作っても麺がやわやわになっちゃうやつ。いつもウインナーを入れてくれてたのを覚えてるよ。母さんの影響で辛い物が好きになったきっかけだったな。」


 かなり腹に来ているはずの林田が唾を飲み込みながら渚に尋ねた、この世界の住民は皆美味い物に目が無い。


林田「美味そうですね、宜しければ作って頂けませんか?」

渚「私は構いませんが、店主さん良いんですか?」

レンカルド「大丈夫ですよ、魔力保冷庫の中にある食材も良かったらお使いください。」

渚「恩に切ります。んっと・・・、韮と豚の小間切れ肉、それとキムチはあるから後は「あれ」と「あれ」と「あれ」がいるかな。」

レンカルド「「あれ」ばっかりですね。」


 渚は必要な物をメモ書きし、光に渡してお使いを頼んだ。光は『瞬間移動』でゲオルの店に行き、必要な物を買い揃えて来た。


光「母さん、これで良い?」

渚「助かるよ、これで作れそうだ。」


 渚は光から材料を受け取ると、厨房で調理をし始めた。娘の光も助手に入り懐かしの味を再現しながら学ぶことにした。

 まずはフライパンに油を敷いて熱していく。


渚「まずは豚の小間切れと韮をキムチと一緒に炒めていくんだ、豚肉は完全に火を通さなきゃだけど後からまた炒めなおすから今はその心配はいらないよ。」


 豚キムチを一旦皿にあけ、「インスタントの焼きそば」の袋に記載されている通りフライパンにお湯を入れてゆっくりと沸騰させると麺と「ウインナー」を投入し麺にお湯を染み込ませ、水気が無くなる寸前に付属のソースを入れて炒めていく。


光「これこれ、このやわやわが良いのよね。ウインナーも良い具合にボイルになって。」

渚「ふふふ。さぁ、この「辣油」を絡めて仕上げていくよ。」


 ソース等が絡んだ焼きそばに先程の豚キムチを入れ一気に炒めていく。ウインナーと一緒に皿に盛りつけ、最後に付属の青のりと「辛子マヨネーズ」をかけて出来上がり。


兎に角「辛さ」を求めた1品。

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