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110

今回は本格的な物にするらしい。


-110 カレー教室開始-


 いつもは市販のカレールウを使うのだが今回は料理教室、しかも王宮の厨房での開催なので本格的な物に挑戦してみる事にした。ただあまり詳しくない光はネットを駆使して徹夜で調べていたのだが、まぁ、大丈夫かと気楽にやってみる事にした。


光「まずはお肉を柔らかくしていきたいので角切りにしてコーラにつけたら、魔力保冷庫に30分程入れます。その間に鍋で油を熱し微塵切りにした大蒜と生姜、そしてトマトや玉ねぎを炒めます。玉ねぎが飴色になったら、用意した2種類の茸(今回はえのきだけとぶなしめじ)を入れてまた炒めます。コリアンダー、クミン、そしてターメリックと塩を加え弱火で炒め混ぜます。」


 全体的に一体感が出た時、光は保冷庫へと向かった。取り出した牛肉の水気を取って水と一緒に鍋へと入れる。少しずつ加えたヨーグルトが全体にしっかりと混ざると再び火を入れ中火で煮詰め始めた。ある程度の水気を飛ばすと香り付けとして拘りの山椒を加える。


光「これでカレールウの出来上がりです。」


 その時、厨房の入り口から門番の大隊長が声を掛けた。まさかのペプリの様に。


大隊長「光お姉様、仰っていた方が来られましたが。」

光「あ、丁度良かった。案内して下さい。」


 厨房に案内された人を見てニコフ将軍が驚いた。


ニコフ「キェルダ、どうしてここに?!」

キェルダ「光にこれを頼まれたんだよ。」


 キェルダは懐の風呂敷から頼まれた物を取り出した、カレー教室が故に光がパン屋の店長に頼んでおいた特注品だ。


光「いつもは白米で食べるのですが、今回は本格的なカレーにしましたのでこんな物を用意してみました。「ナン」です。」


 熱々のナンにそこにいた全員が食らいついた、1人につき1枚が配られ皆が小さく千切って出来立てのカレーをつけて食べ始めた。数分後、ナンだけでは我慢出来ず、炊き立ての白飯に食らいつく者もいた。


エラノダ「どちらで食べても美味です、そしてこの山椒の香りがまた食欲を誘います。」

ペプリ「今回はこの絶品なカレーに合わせてこんな物を作ってみました。」


 カラッと揚がった美味そうな揚げ物を手にニコニコしている、揚げたてを数切れに切って皿によそった白飯に乗せカレールウをかけた。


ペプリ「私とお姉様の共同で作りました、特製シャトーブリアンカツカレーです。」

ニコフ「シャトーブリアンカツですか、考えもしませんでしたね。」

光「ニコフさん、私もですが多分フランソワ・ルネ・ビコンド・ドゥ・シャトーブリアン本人も想像しなかったかと。」


 カレールウのかかったシャトーブリアンカツを一口食べると、サクッという音と一緒に口の中に肉汁が溢れ味がふんわりと広がり白飯を誘う。


ペプリ「うーん・・・、生きてて良かったですわ。」

エラノダ「それにしてもいつの間にこんな柔らかなシャトーブリアンなんか仕入れたのだ。」

ペプリ「街はずれの牛肉屋に予約注文しておきました、お父様いかがでございますか?」

エラノダ「うん・・・、美味いから良いかな・・・。」


 いつの間にか空っぽになっていた大鍋を見つけて光は焦った、実は出来立てもそうだが一晩置いたカレーはより一層美味いと伝えようとしていたのだ。

 光は咄嗟に『瞬間移動』し、自分用に昨晩残しておいた物を家から持参して皆に振舞う事にした。

 大鍋で温めお代わりとして出すと、これもまた好評で残りが底から数センチ分のみになっていたので、小鍋に分けて鰹節と昆布で取った合わせ出汁や鶏がらスープを注ぎ入れて茹でた饂飩や中華麺と合わせた。

 カレー饂飩とカレー拉麺だ、実は今回の為にこっそりと用意していた野菜の掻揚と豚肩ロースの巻叉焼を合わせる。因みに叉焼は直前に少し焦げ目が付くまで火で炙り、甘い脂を浮き出たせている。サクサクの掻揚とトロトロの叉焼もまた好評で皆美味そうに食べていた。


エラノダ「あらまぁ・・・、もう料理教室というより・・・。」

光「食事会ですね。」


皆食べる事が好き。

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