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103/145

107

食堂での食事を終えた2人。


-107 王女の好み-


 主人のサービスで普段3本のウインナーフライが5本乗ったカレーとお代わり自由な山盛りのポテトサラダを完食して幸せそうな表情を見せるペプリに会計を済ませたクォーツが店の外で口に合ったかと尋ねる。


ペプリ「初めて食べたのに何処か懐かしさがあったカレーは見た目以上に優しくて、それでいて刺激的な辛さがあって美味しかった。それとポテトサラダも最高、大好物をもっと好きになれたよ。」

クォーツ「そうか、お前さんの好きなあの味に近かったか?」

ペプリ「うーん・・・、何か違う様な。」

クォーツ「そうか、一先ず帰ろうか。」


 その頃、メイスとのお茶会を終えた光は夕飯の支度を始めようとしていた。王女と古龍の話を聞いていたら食べたくなってきたのでカレーを仕掛ける事にした。どうやらメイスも同様に食べたくなって来たらしく、調理を手伝うと申し出てきた。ついでに気になっていた事を尋ねてみる事に。


メイス「そう言えば王女様はこの世界から出た事が無いはずなのですが、言語的な問題は大丈夫なのでしょうか。古龍様が何処に向かわれたかによったら・・・。」

光「大丈夫ですよ、こっそりとですが王女様にも『自動翻訳』を『付与』しておきましたから。」

メイス「それなら安心ですね、もう今からカレーを作るのですか?」


 光は野菜の仕込みを始める為に冷蔵庫を開けて隅々まで材料を探した。


光「そうですね・・・、あれ?ごめんなさい、すぐには出来なさそうです。今見たら肉を柔らかくするためのある材料を切らしているみたいなのでゲオルさんのお店で買ってこないといけないみたいでして、すぐに買ってきますね。」


 光は『瞬間移動』でゲオルの店へと移動し、肉を柔らかくするための「ある材料」を購入してすぐに家に戻った。


メイス「お帰りなさい、早かったですね。えっと・・・、それで肉が柔らかくなるのですか?」

光「火を加える30分前から「これ」につけると柔らかくなるんですよ。」


 早速角切りにしていた牛肉を買って来た「ある材料」につけて冷蔵庫に入れなおした。その傍らで野菜の準備をしていく。

 「ある材料」につけてから30分経ったお肉を冷蔵庫から取り出して水気を取ると、鍋で油を熱して硬い物から野菜を炒めていく。光のカレーには定番の根菜類とは別にえのきだけとぶなしめじが入る、その2種類の茸と一緒に牛肉を入れると一気に炒めていった。

 そこに水とカレールウを加えてグツグツと煮込んでいく。


光「本格的にスパイスから作っても良かったのですが面倒くさいのでカレールウを使います。」

メイス「お気持ち御察しします。」


 光の家でカレーの匂いが良い具合にしてきた一方で、店を出た2人はグランツァマリアの入り口まで戻り相談をし始めた。


クォーツ「直接王宮に送ればいいか?」

ペプリ「いや、ちょっと迷惑を掛けちゃったかもしれないからメイスさんのいた所に寄ってから帰ろうかと。」

クォーツ「分かった、早速向かうな。」


 王女を背に乗せた古龍は光の家の裏庭に向かって飛び始めた。ペプリが怖がらない様にゆっくりと降下していく。

 裏庭の真上に差し掛かった時、光が家で作るカレーの匂いがしてきたのでペプリが反応した。使っているのは有名な黄色の箱のカレールウで香りのアクセントに山椒をいれている。

 炊飯器から炊き立ての白飯を出そうとしていたら裏庭から2人の声がしてきた。


ペプリ「この匂い・・・。クォーツ姉ちゃん急いで!!」

クォーツ「あ・・、ああ。」

光「な、何事?」


 地上に降り立ってすぐに光の家に入った瞬間、王女が叫んだ。


ペプリ「この匂いだ!!これを探していたの!!」

光「へ?」


涎が止まらない王女。

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