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気ままなコレクターという才能をもらって転生したが、気ままに過ごせるかどうかは別問題らしい  作者: つちのこ
4章 活動範囲が広がると起こす騒動も様々
81/151

81Dランク昇格

いつもよりも少し長めです

「マスターの戦闘方法は余裕を持って行われるのですね」

「余裕!?あれでか!?」


幸丸の発言が信じられなかったようで、ヨウキは声を荒げる。


「現に、一撃も被弾していません。スピードを殺すような装備も見当たらず、当たるときにだけ攻撃を仕掛けています。理にかなったスタイルです」

「なんか分析されると恥ずかしいね」

「実戦では余裕を持って戦うために、準備期間には無理をしていると見ました」

「鋭いな…。なんで分かるんだ?」


昔から俺はRPGをするときはそういうスタイルだった。準備は可能な限り準備してからダンジョンに挑み、余裕を持ってクリアしていた。

ちなみに耐性ガチガチで、状態異常は嫌いだったし、MPは回復以外であまり使わない、何なら回復薬はクリア直前に大量に余らせるタイプだった。

実際の命が懸かっているので、MPの出し惜しみはしないようになった。大量にあるからね。HPが減る方が嫌になってる。


「しかし、ご自分で設定した意味ある技術を使われるときは、少々隙があるように見受けました。もう少し流れの中で使用できるように、溜めを早く行えるように工夫した方が良いかと分析します」

「お~。ダメ出しまで…」


しかし、パンダの外見で言われると、反抗する気が全く起こらない。今は全員で魔石と素材として回収をしているところだ。踏みつぶされてミンチになっているものもあるが、回収して分別すれば使用可能だ。

素材の使い道に関してはヨウキに一任することになるが、肉関係が今回多いので幸丸も料理担当として本船に残っているデータからレシピを引っ張って来てくれる予定だ。


「ご主人が強いってことは分かりましたけど、見てる側としては落ち着きませんわ。やっぱりワイは戦闘担当にはなれませんわ」

「今みたいなのなら大丈夫だって。プルはほとんど手を出してないだろう?俺で手に負えないようなのを相手にするならプルは何も言わなくても手を出して来るから」


その通りだね~とプルが話しているのを聞いて、ヨウキは黙ってしまった。幸丸に話すと、プル先輩は戦闘に関しては慧眼をお持ちなのですね、と発言してプルが喜んでいた。

魔力が十分に補充できればお互いに話すことが出来るようになるはずだからそれまでの我慢だね。


さて、言われっぱなしもダメだから真剣に考えよう。エネルギーにも動きにも無駄があったのは確かだな。遅い魔物相手にも隙を突かれたんだ。速い魔物相手なら確実にダメージを食らうだろう。要改善だ。

とはいえ、動きの速い相手との対戦は難しい。プルとやれないことはないが、広い場所が必要だ。王都に暮らしている状態では難題である。今後の課題と考えておこう。この地下道が狭いから俺もそこまでスピードを上げての動きをしたわけでもないし。


結局言い訳っぽい結論に達してしまったが、目的の魔力採取と魔法陣消滅は達成した。


ベースキャンプに戻って成果を報告した。万が一があっても困るので騎士団のメンバーと一緒に様子を見に行き、ここの警備が必要なくなることを確認した。

騎士団は撤収のためにもう一泊するそうだが、俺は身軽なので王都に帰ってエルンハート家で報告をした。幸丸の要望を伝えて周囲の地図を見せてもらった。

採取した魔力を地図と照合して位置の特定と狙いを掴むそうだ。このくらいの文明にとって地図とは簡単に見せてもらえるはずの無いものだが、国防がかかっているとの理由で見せてもらうことが出来た。

敵対意思がないことは伝えているが、何かもう少し渡さないと釣り合わない気がするので何か思いつけば返そうと思った。


その日はエルンハート家での夕食も辞退して、十分すぎるほどに食事を取ってさっさと寝た。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


翌日起床した時には、幸丸は魔力の解析を済ませていた。2人分の魔力が込められていたそうだ。形作るために使用された魔力と、エネルギータンクの役割の魔力に分類されるそうだ。

恐らく理論組み上げたと言われるサンドバ家のナンバー2が形を作り、もう一人がその魔力でもって完成させたのだろうとのことだ。これがナンバー1であれば、次の接触で最後となる。


幸丸が現在偵察機を急ピッチで修繕しているので、それを随時探索に回すことで探しているそうだ。

偵察機にも魔力パターンを読み込ませてあるので、八方角に飛ばしてざっと調べているそうだ。国から出ていないのなら1週間もあれば見つけられるはずとのことだ。


いつ締め切りが来るかどうか分からないので、やることが決められない。何となくステータスを眺めてみることにした。


>>>>>

名前:クーロイ 年齢:10

種族:人族 性別:男

才能:気ままなコレクター


HP :215/215

MP :3241/3241

STR:98

VIT:101

AGI:119

DEX:78

MAG:138

MND:125

LUC:60


スキル

体術(5)剣術(5)短剣術(4)投擲術(5)弓術(4)槍術(1)拳撃(1)蹴撃(1)

身体強化(5)視力強化(5)頑強(4)回避(5)敏捷(5)平衡感覚(5)跳躍(4)自然治癒力上昇(3)剛力(5)器用(3)

縮地(2)纏気(3)闘気操作(3)

魔力感知(5)魔力操作(5)魔力放出(5)魔力集中(5)MP消費軽減(2)

生命魔法(5)植物魔法(4)無魔法(5)飛翔(3)

気配察知(5)悪意感知(3)気配隠蔽(4)空間把握(1)

平常心(4)ストレス耐性(4)苦痛耐性(3)毒耐性(3)打撃耐性(2)斬撃耐性(1)混乱耐性(1)麻痺耐性(1)

教導(5)話術(3)採取(5)按摩(4)解体(3)料理(4)調合(3)木材加工(2)皮革加工(2)石材加工(1)計算(2)目利き(2)


<スキル>

神託 コレクションブック コレクションハウス 思考力強化 魔法纏


称号

御人好し 【元】不幸体質 我慢バカ 転生者 世界樹の祝福者 修行者 魔物狩り 魔物の殲滅者 教導者


備考

称号・断罪者とひどすぎ拷問官はこれ以上やっても称号に反映されないようにしたよ♪


>>>>>


順調に伸びていると言って良いが、ツッコミどころも多い。ここまでスキルが多いのもいないとは思うが、使いこなせなければ意味が無い。1くらいではまだ補正は付いてるか実感が湧かない。

エネルギーの流用をもっと滑らかにと幸丸には言われたが、闘気操作を上げなければ向上しないだろう。しかし、町中でやることではない。絶対に怒られる。


ただ、更に強くなるなら必要だ。ついでにレベル1を鍛えるのもありだろう。よし!決めた!

すぐに始めよう。プルを引き連れて王都郊外で鍛えることにした。


初日終了後、王都の門の前で待っていたのは、ギルドマスターのライアードさんだった。


「王都近くで暴れてくれたらしいな」

「一応気を使って離れてたつもりだったんですけど」

「ほぼ本気で暴れただろう」

「プルと実戦さながらでやってました!」

「迷惑だ!!」


怒られてしまった。人が近くに住んでいるところではもう本気で戦うことは難しくなってきた。いっそのこと山籠もりでもしてやろうか。


「力が有り余ってるなら、ダンジョン攻略でも行ったらどうだ?」

「ダンジョンか~。それも有りですね」

「その話もしてやる。あと、お前そろそろクエスト数貯まってるぞ。ランク上げてやるから一緒について来い」

「そういえばそれが目的で王都に来たんでした」


王都に来た目的ってランクの昇級試験だっけ。別のことに気を取られて元々の目的を忘れてた。サンドバ家のことも目的ではあるけれど。


「やっとDか。強さだけで言えばAランクくらい到達してるがな」

「この前一つ目巨人倒しました」

「特別の方もAランクに上げとくか?いやランク自体Dに留めとくのもおかしいよな。ギルド本部に申請しようかな」

「普通に通る話ですか?」


前にもどこかでこんな話をしたような気がするが、特例扱いで通ると目立ちすぎるから嫌だ。正規ルートが良い。


「俺とお前で呼び出しされることになるだろうな。でも実力を見せれば問題ないと思うぞ。お前には現役のときでないと勝てる気がせん」

「現役なら勝てると?」

「さすがに10歳に負ける程度の実力ではなかったと自負するがね」


雑談をしながら冒険者ギルドに入った。ケイトの依頼で充分にDランクに上がって良い功績を越えていたが、全く寄り付いていなかった。

昇級試験をするのか聞いたら、現状Cランクの試験官相手に腕試しを見せれば良いらしい。


「お前が受験者だが試験官と強さが逆だろうな」

「やりますよ~」

「じゃあせっかくだから複数呼んで試験にするか」


ギルドマスターの無茶ぶりで昇級試験を兼ねた乱稽古が開催されることになった。以前のオステンタさんとの試合を見ていた人たちも多かったので、一人では話を受けてくれなかったので代表が試験官となり、ついでに複数と戦うことになった。

俺が勝てばただ昇級するだけだが、試験官たちが勝てばギルドマスターが夕食を自腹で奢ることになった。ギルドマスターが自信満々でこっちを見ているが、わざと負けてやろうかという気も少ししてくる。まあ試験だから真面目にやるとしよう。


特筆するべきことは無くあっさりと勝利した。これでDランクに昇格が確定した。他にも手合わせを希望する人がいたが、散々プルと戦った後なので2日後にしてもらった。

試験官をした人たちが、疲れ切った10歳に負けたのかと落ち込んでいたので、ギルドマスターが慰めることになった。


その後は見学していた冒険者達から食事に誘ってもらった。今までエルンハート家ばかりに構って、王都の冒険者の知り合いを増やそうとしていなかった。

子どもの冒険者は少ないので機会を伺ってくれていたそうだ。冒険者御用達の酒場に連れていかれ、酒こそ飲ませられなかったものの深夜まで絡まれることなった。

しかし、話は非常に面白かった。ダンジョンでの宝箱の発見や強い魔物との戦いはダンジョンに本当に行こうという気にさせられた。


特殊な環境でしか育たない花を探していた薬師は自分の妻の難病を助けるためだったり、海を渡るだけでもこの世界は命がけの大冒険であったりと彼らの経験からくる話は手に汗握る話から涙なしでは聞けない話が多く、いつか自分もこういった席で話せるような冒険がしたいと思えた。


血まみれの話しかないことを悔いるつもりは無いが、決着が付いたら真っ当な冒険をすることを心に誓った。

お読みいただきありがとうございました。

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