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気ままなコレクターという才能をもらって転生したが、気ままに過ごせるかどうかは別問題らしい  作者: つちのこ
4章 活動範囲が広がると起こす騒動も様々
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77待ち時間の使い方

2日の待ち時間を取ることになったので、待ち時間の使い方に迷う。いきなり暇な時間が出来ると不便だよね。魔力は少しでも回復に注ぎこんであげたいので、魔力をを使うのは可能な限り避けよう。


「いきなりの空き時間て困るよな。何に使おうかな」

「ワイは理論構築でいくらでも時間使えるんで。それよりもあれ作ろかな。兄貴はどうしますか?」


プルは魔力無しで狩りに行けるから散歩に行くそうだ。俺も魔力使わずに狩りくらいは出来るけれど。


「ヨウキはこれからの生産活動に必要なことだし、優先でやってきてよ。俺は木材使って適当に何か作ってるよ。晩ご飯もせっかくなら作りたいし。あと、プルが狩ってきた魔物は明日俺が解体するから。好きに行ってきて」


とりあえずの指示を出して、ヨウキはコレクションハウスへ、プルは散歩に跳ねて行った。


ヨウキが入ってからしばらく待つと木材と工具一式を取り出してくれた。コレクションハウス内に通信用のプルはいるが同じ部屋にいないと時間が止まる。ヨウキと次に会うときはかなりの年月が経過しているかもしれないな。精神壊れないか心配だが、大丈夫と思いたい。


さて、俺は木材を目の前に置いて、何を作るか考える。手先の器用さを上げることも兼ねて行うので、実用的かつ細かいものを作りたい。

しばらく考えてみたが、結局は木のお椀を彫って作れるだけ作ることにした。今度時間があれば皿や箸なども増やそうと決めた。まだスキルレベルは低いのだ。まだそんなに大層なモノなど作れるはずもない。数が多くても問題の無いものとして食器はあって困らない。ということで作成に入ろう。


ちなみに使用する木材は世界樹の精霊であるルウネの影響を受けて生えていた木だ。森の間引きとはいえ木として良い環境で育ち、魔力もふんだんに吸収していた木である。本来なら俺が使って良いような品質の木材ではない。


「いっぱいあるから使うけどね~」


木を倒すところから俺がやっているのだ。ルウネも好きに使うべきだと言っていたし、好きに使わせてもらうことにする。品質の高い木は基本的に固い。腕力にモノを言わせて、切る、彫る、形が荒くでも出来上がれば、最後は紙やすりで磨く。そういえば紙やすりってあるんだなぁ。他にも転移や転生した人がいたんだろうな。


そうして作業を続けて気が付けば日暮れ間近になっていた。木のお椀は5つ作ることが出来た。サイズは様々だ。俺が持つと大きめの丼サイズから、ちょうど良いサイズまで。自分でも使えるし、『美食の奇跡』のように同行するパーティに貸し出しても良いだろう。元気にしているだろうか。


さて、1つは磨き作業が残っているが、それは食後にでも行うことにしよう。切るだけになった塊も一緒に収納しておく。お椀としてはどうだろうか。あとで2人に見せてみよう。


晩ご飯の調理に入る。パンまで作る気分ではないので、保存してあるものを食べるとしてメインには何を作ろうかな。施設は砦に残っているものが使えるので、ざっと掃除をして使用に耐える状態を整える。コレクションブックの収納一覧をチェックしながらメニューを決める。


「時間のあるときに仕込んだものをチェックしてみると~。…パスタが食べたいかも!」


パンはやめてパスタ料理をがっつりいくとしよう。持つべきものは公爵家からもらった圧倒的な資金力である。なにでも使えるからと公爵家料理長お手製のトマトソースを出す。きちんと料金は支払い済みである。一緒に作ったアイディアも共有しているし、公爵家の許可のもとに行った横暴である。これだけでも食べられるけれど、更に手を加えさせてもらう。

タマネギ、ニンジン、魔物のひき肉と調味料を取り出す。料理長に教えながら確認した作り方を思い出す。


「まずは材料を切っていくしますか~」


完成品を頭に浮かべながら調理をし始めた。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


「はい。ミートソースができましたっと!」


非常に楽しく調理が進んでいた。大目に作ったけれど、余ってもそのまま保存できるので全く気にする必要が無い。あ~、めちゃくちゃ良い香りだ。いつか米を手に入れたらチーズドリアも食べるんだと心に誓う。

ふと顔を上げるとプルがちょうど帰ってきたところだった。


「お。プルお帰り。狩りはできた?」


バッチリだったそうだ。しかし、なんか気まずそう?どうかしたのか?ん?そうか!


慌ててコレクションハウスを開いてヨウキを外に出す!


「ご主人!兄貴!さすがに待たせ過ぎとちゃいますか!」

「ごめんなさい!」


プルと一緒に頭を下げる。


通信役のプルと入り口の開け閉めをする俺が一緒にいないとヨウキは外に出られない。が、俺とプルが別の場所にいたのでヨウキが出たいタイミングで出ることが出来なかったのだ。


「いや、この三者が別々の行動取ることなんてほとんどないですけど、気を付けんとダメですね」

「もう本当にごめんなさい。いっそのこと負担もないからずっと開けっ放しにしておこうか」

「とりあえずそうしましょ。ワイも昼には気づきませんでしたし。一言いわしてもらったらもうエエですから」


そう言ってヨウキが出してきたのは色々と見覚えのあるような形状のものだった。


「これを作ってたの?」

「探索中不便そうやったんで。研究も大事ですけどご主人が不便無いのが一番ですよ」


取り出してきたのは以前話していた懐中電灯の魔力版だ。これも量産品は実在しているが、自前の魔力で使用できるものは高価と言えば高価な品だ。ヨウキが自作できるとは。


「あと、これに魔力をこめると火が出ます。こっちは魔力こめると羽が回転して風が発生します。大きいものですけど機械を見たことでなんとなくのイメージが分かったんで」

「属性魔法の無い俺には役立つよ。ありがとう!」

「試運転は済んでますけど、不具合が出るかもしれませんので、なんかあったら言うてくださいね」

「オッケー!」


料理をすると大体いつも熱いので送風機はありがたい。早速付けよう。


「ワイが持ちますよ。晩ご飯はミートソースのパスタですかね。パスタまだ茹でてないんとちゃいますか」

「最後の一番熱い所だから送風機があるのは嬉しいよ。プルは狩ってきたものを素材部屋に入れといて~。ちなみに今日使用するパスタはフジッリです!」


それぞれの時間の過ごし方を話しながら待機一日目の晩を過ごした。


晩ご飯を食べた後は、片付けをした上でもう一度操縦室へと戻った。寝るならここが一番安全だからだ。また寝る前と起きた直後に魔力の補充をすることが出来る。


「やあ、進捗はどうだい?」

「マスター、ドウサレタノデスカ?」

「もう寝ようと思ってさ。寝る前の魔力補充に来たよ」

「ソウデシタカ。ミナサマモアリガトウゴザイマス」

「あと聞きたかったんだけどさ。呼ぶときに困るから名前聞いておきたいんだけど」


一応、こちらの3人は自己紹介済みだ。細かい話はまだしていないけども。


「名前デスカ。与エラレタ名称ハ、戦闘万能艦BTDR-99となっています」

「あ、結構物騒な感じなんだね」

「なかなかトガッた感じですね」


俺とヨウキが似たような感想をこぼす。プルは響きだけでカッコイイ!とはしゃいでいるが。


「戦闘万能艦ってことは船ではあるんだね。じゃあそこから名前は考えておくよ。呼ぶときも長くて大変だからね」

「……感謝シマス」


話している最中に魔力の充填が終わったので、寝具を取り出してさっさと寝させてもらうことにした。

ヨウキはまた生産関係に取り掛かり、プルは外が見たいと分裂プルを置いて外へと出て行った。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


しばらく静寂が続くころには、クーロイの寝息がしているころ。


「なぁ、新入りさん」

「ナンデショウ」

「ご主人は割と好きなことやらしてくれるからな。自分のしたいこと考えときや」

「ワタシノシタイコト……」

「話は出来るけど、こういうのは難しいんやったかな。まあ慣れていこうや」

「了解シマシタ…」

お読みいただきありがとうございました。

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