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64改心?と探索

倉庫だった残骸の後片付けをしつつ、魔物の素材はスプラッターの後片付けをどうするかという話になっていた。唯一オークだけは食肉として有効活用が可能だったが…。混ざっていて分からない。


プルが食べるとのことだったので、食べられる分はすぐに食べていってもらう。体に取り込んだものが段々と小さくなっていく。今日のは見ていると気分が悪くなりそうだったので目を逸らしておく。

そこで名案が浮かんだ。コレクションハウスに収納してしまえば、コレクションブックでの仕分けが出来る。大勢の人に目撃される状態であったが、プルの食料と言い張ることが出来るので実行だ。

魔石ともども回収してしまい、取り出すことで取り分を分けていった。


魔石は譲るから報酬として魔力弾丸の威力の高さ教えてほしいと言っている魔法使いもいたが、エルンストさんにどこかに連行されていった。その他の人たちとは、今度一緒にご飯を食べに行こうとなった。


騎士隊は残骸の撤去と何か黒幕に繋がりそうなものの探索だった。休んでいろと言われてしまっているので、せめて周囲の探索を行っていると、騎士隊長さんが近づいてきた。


「クーロイくんで良かったかな」

「あ、はい」


以前とは全く違う態度で話しかけられた。兜は既に取った状態である。


「その年齢であるというのに、無限とも言える魔力の放出。さぞ努力をしたのではないだろうか」

「はぁ、まあ結構がんばったと思います」


話の行く先が良く分からなかったので、曖昧な返答を返す。すると、みるみるうちに目に涙を浮かべると、がっと音を立てて目の前に膝を付く。

ちょっとだけ後ろに体重をかける。


「私の家は男爵家の家系でね。四男ということもあって、爵位を継ぐにも関係が無く、憧れていた騎士団に入ったんだ」


いきなりの自分語りです。他にすることがないことを良いことに話は続きます。


「しかし、私には才能は無く、武術のスキルもあまり成長しなくてね。幼いころから学んでいた知識と指揮の腕を買われてわずかな昇進をしたくらいだったんだよ」


意外にはやく話が終わりそうな気がする。


「私が憧れていたのは、人々を守護する騎士だ。先程のサブマスター殿も、そして君も、立場など関係なく行動で示していた。しかし私はどうだ。己の不甲斐なさを棚に上げて腐っていただけだ!!」


見たところ40代くらいの方だし、成人の15歳から人生の半分以上をかけても成果に繋がらない鍛錬は俺も出来る気がしない。けれど演説の邪魔も出来ない。


「ありがとう。君のおかげで生まれ変われた気分だよ。もう一度やり直そうと思う。今からでは君の足元にも及ばないだろうが、やれるだけやることを君に誓うよ。よろしく頼む」


すっごい笑顔で握手を求めてきている。これは受け取らないといけないやつだ。


「が、がんばりましょう。僕もまだまだ未熟者の道半ばですし、やってやれないことは無いという言葉も聞きますよ」


握手しつつ多少笑顔はぎこちなかったと思うが、無難なコメントを返せたと思う。隊長はカッ!!!!と目を見開き、両手で俺の手を握る。俺じゃなかったら手の骨にヒビ入ってるそ。鍛錬の年数を忘れんなよ、隊長よ。


「そうだ!そのとおおりだ!私は今から生まれ変わるぞ。私の、イヤ!皆の思い描く騎士には今からでもなることは出来る!やってやれないことは無い!良い言葉だ!ありがとう!!!」


一方的に言い放つと走って倉庫の撤去に加わる。声を張り上げて激励も始まった。騎士たちの動きが少し早まる。迷惑かけないと良いな。


そして数十分後、倉庫だったところに隠し階段を見つけたという声が上がった。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


場所でいうと、倉庫の端の位置にあった。


「どうしますか?」

「どうするって、クーロイ君行くつもりなの?」

「はい。潰せるうちに潰す方が良いでしょう」


扱いが分かってきたのかエルンストさんは呆れた表情、隊長さんはキラキラした感じの表情だ。オッサンの表情としてはキツイ。


行くのはまず俺とプルは確定。冒険者ギルドからはエルンストさんと斥候1人、魔法使い1人、武器は通路の太さから振り回せないから状況把握と防御の人選だ。

騎士隊からは何かあったときに機動力が落ちるということで、階段の周辺の調査と防衛だ。役割分担だ。今までに比べると騎士隊長さんが変わるだけでも変化は大きい。


整ったところで早速地下へと出発した。2人は通れる階段を降りるとそのまま通路に出た

地下通路は大人が4人並んでも余裕で歩けるし、天井は思ったよりも高い。3メートルくらいだろうか。

降りてすぐのところには特に何も無かったので進むことになった。


斥候さんはさすがに俺よりも索敵が出来たので、お任せすることにした。

全くの無警戒も暇なので、壁にも注意を向けながら歩みを進めていった。


ずっとまっすぐかと思ったが、微妙に曲がっているようだ。15分ほど歩くと行き止まりに着いた。そこには扉がある。取っ手が付いていないので、向こうに押し開けて開くタイプの扉だ。


「さて、どうしましょうか。さっきと同じことが起こるのは勘弁したいんですが」

「ありえそうですね。何かここから分かることを探ってみましょう」


エルンストさんも魔力を放ちながら調べていく。俺は道中の続きで壁をチェックしてみる。


「扉に魔力が流されていることは分かります。扉を開けると途切れるようになっているようなので、これがトラップだと思われます」

「ということは?」

「おそらく先程と同じことが起こるのではないかと」


証拠を集めに来たのに先程と同じ作戦ではすべてが無かったことにされてしまう。かといって放置すれば、いつスタンピードレベルの魔物が溢れるか分からないままだ。放置はできない。撃退するのはがんばれば出来る。


「じゃあ一つ疑問なんですが、仕掛けた人物はどうやってここを出たんでしょう。この奥に人の気配が無いのは俺も分かるので」

「地上へ出る抜け道があるということだろうか」

「作るの大変では?」

「地属性の魔法が使えればいけるだろう」

「出来なくはないかもしれないが、ごまかすのは難しいぞ」


ここまでに何も無かったことは確認したので、議論を交わしたが扉は開けずに色々探ってみようとなった。

扉前で方法が無いか探してみるエルンストさんと魔法使いさん、一度戻って地上から探す連絡役の斥候さんが走って行った。


俺はどうしようかな。突き当りも来る途中の壁にも何もない。この通路に抜け道があればごまかすのが楽ということだから…、壁でないなら、天井かな?


飛翔で浮かんで天井を注意深く見ながら元の道を戻っていく。半分も戻らないところで、違和感のある部分を見つけた。


「土魔法を使ったところは、誤魔化すのが大変って言ってたよな。こういうことか」


色が周りと違う。注意してみるとその部分だけ魔力も若干他よりも違う気がする。この辺りは魔力の痕跡を辿ろうとしたことがないので良く分からないな。

触ってみると空洞になっているのが分かったので、叩いて壊す。エルンストさんには悪いと思ったが、壊した瞬間に漂ってくる魔力の濃さに一人で進むことを決めた。


壊した部分から上がるとそこにも通路があった。先程の奥に向かっていた通路と同じ方向にだけ通路が続いている。逆側は壁だ。

プルにもここからは何か察知したら教えてもらうことを念を押して進んでいく。


先程の壁のあたりではないだろうかというところまで進んでいくと下に降りる階段があった。扉でないことに安心しつつ、降りてみるとそこは部屋になっていた。

中央には魔法陣が描かれている。その割には壁のところには本棚やベッドなどの生活感を感じるものも置いてある。

扉もあるが、その向こうからは話し声が聞こえる。


「さっきの扉かな」


近づいてみるとエルンストさんと魔法使いさんの声が聞こえるので、彼らはこちらの状況には気が付いていないようだ。

何かをやらかすとまた怒られるからこっそりやることを誓いつつ、部屋の中の捜索を開始する。


お読みいただきありがとうございました。

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