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5魔力の訓練と次の目標(3歳)

石拾いに行った翌日は、クロエミさんから今までと魔力を動かす感覚が違うだろうから今日一日は魔力の練習をするように言われた。

3歳児に言うことではないので、一瞬転生のことまでバレているのかと身構えたが真剣さからそうではないと判断した。


というわけで、今日は魔力操作の訓練だ。


昨晩も少し試したが明らかに魔力の操作が簡単だ。手のひらを合わせて拝むポーズを作ってみると腕と胴体をひとつの輪としてギュンギュンと魔力が循環していることが分かる。


「魔力操作の基本が出来るようになっているなら、次は体の表面で留めてみましょう。これが出来るようになったら一人で自由に練習できるようになりますよ」

「そうなの!?」


いつも何かをしている二人を付き合わせるのは悪いと思っていたから、少し手がかからなくなるのは罪悪感が薄れるので歓迎だ。なんせ中身は成人以上の精神が入っているわけだから。


「でも魔力を使いすぎると眠くなってしまいますからね。体力も付いてないうちは危険なの。家の近くですることを約束なさい。今日一日で出来ることではないからまだ先の話ですよ」

「わかった。なるべく早くできるようになるよ!」


というわけで訓練開始。まずは体内にある魔力を体の表面に出すためには体内から放出する量を増やさなくてはならない。

イメージとしてはオーラを操るイメージだが、この辺りは楽勝である。そんなマンガやアニメなら大量に見ていた。○か、小○宙か、○気か、○か。

体内から絞り出すイメージで一気に放出!!



気が付いたら部屋で寝ていた。がばっと起きてみると昼ご飯の時間だったようだ。2時間くらい寝ていたようだ。心配もしていたが、注意をしなくてはと表情の締まったクロエミさんがおられる。目の前に正座してお叱りの言葉だ。


「起きましたね。良かったわ。魔力を一気に放出しすぎですよ。魔力量が多くないのに、イメージだけ成立していたから枯渇しすぎて倒れてしまったのです。上手くいきすぎた言っていいですね。逆の方向で失敗と言えます。もう少し魔力を抑えて放出するようにしましょうね」

「は~い…。きをつけます」


昼ご飯後に再開する。先程のイメージだと強すぎたので体の中からにじみ出るようなイメージを試すことにする。

目を閉じて深呼吸。そして、体の中にある温かいものが体の中から表面にゆっくりと出てくるイメージの後に実際に纏っていくことを確認する。

体を包み終えたところでゆっくりと目を開けて成功を確認する。クロエミさんを探して顔を見ると驚いた顔をしていたが、笑顔に変わる。


「クーロイは凄いわね」

「へへへ。やった~!」

「ではその状態で動けるようになりましょう。魔力を纏っているだけでも子どもなら十分凄いことだから少しずつですよ」

「は~い。まかせといて~」


アドバイス通りゆっくり行うことにする。状態維持だけで十分に訓練になっているのだろう。

常に体を力ませているイメージと言えば良いだろうか。少し体に無理をさせている感じがする。

魔力の扱いに慣れるには現状はこれが一番のようだ。


歩いたり、走ったり、跳んでみたり。精神的には疲れるが、体としては補助されているような感じがしていつもよりも体が動くような感じがした。

そんな確認をしていると、牙丸さんが相手をするためにと出てきてくれた。言ってなかったけど最初から牙丸さんは俺のことを見てくれていた。何も話していなかっただけだ。


そんなこんなで夕方まで体を動かした。


>>>>>


名前:クーロイ 年齢:3 

種族:人族 性別:男

才能:気ままなコレクター


HP :5/6

MP :5/9

STR:2

VIT:3

AGI:2

DEX:2

MAG:3

MND:4

LUC:1


スキル

平常心(2)ストレス耐性(2)教導(2)話術(1)魔力感知(1)魔力操作(2)魔力放出(2)


称号

御人好し 【元】不幸体質 我慢バカ 転生者 


>>>>>


というわけで寝る前の確認である。魔力操作と魔力放出が上がっている。MPもだ。今日の練習だけで伸びるとは思わなかった。

使うことで上がっていくことの確認が出来た。やりがいがあるというものだ。逆に耐性を上げるのが難しいと言えるが、それは大人になるまでに考えよう。


ずっと使っている方が良いだろうと、魔力を纏うのは寝る前でも行っている。

意外と楽しい、というか男子なら燃えるだろ!髪の毛が金髪で逆立たないかな。


っと、今考えるのはそこじゃなかった。黒い石のことだ。


魔力関連のスキルが生えたのはこいつがきっかけだ。これは一体どういったものなのだろうか。手に持っても良く分からない。


少し悩んだが魔力を目に集めて何か見えてこないかと思いついた。クロエミさんも黒い石を見たときに固まっていた。何か見えたから固まったのではないだろうか。

よく見るのは、いやよく観るのは基本だ。いろんな人物が言っていた。


やってみようとするが中々上手くいかない。目の周りだけに集中させることが出来ない。これもものすごく大変だ。一日で出来ることではないなと思い直して寝ることにした。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


「あの石は結局何なんだ?」

「見て分からなかったですか?あなたでも?」


意外だと言わんばかりに驚いた表情で告げる。告げられた方は少し拗ねた表情だ。


「魔力関連は俺は不得手だ」

「私も自信はありませんけどね。相当レベルで封印されていますが、あの子は相性が良かったのでしょう」

「危険は無いのか?」


拗ねた表情から、心配と焦りの表情に変わる。一方はお茶を飲んでから話の続きをする。


「おそらく大丈夫でしょう。危険があるならもう何か起こっていてもおかしくありませんから」

「それで……結局?」

「はい、あの石はおそらく…………の石です」


予想はしていたが、思っていた通りの名称を告げられたことで驚きはしない。


「……10歳までに出来ることを全て、だな」

「…そうですね」

全く隠せていませんね。予想通りで間違いありません。

お読みいただきありがとうございました。

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