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16才能からのユニークスキル

「じゃあ行ってきま~す」


クーロイの装備は鍛鉄の剣を腰にさげている。かつて牙丸が若いころ冒険者をしていてダンジョンで手に入れた記念の短剣を潰して拵えたものだ。

身に付けているレザーアーマーは、牙丸が子ども用サイズで特注した。材料は綺麗に仕留めたワイルドボアの皮で作られている。

頭にはシルクワームの糸で編み込んだ鉢巻を付けている。髪の毛や汗が目に入らないようにするのにちょうど良かった。

肘と膝には噛み砕き亀の甲羅をそのまま使ったサポーターをしている。曲げ伸ばしに影響が出ないように拘った。牙丸が。

思った以上に拘るとクーロイは恥ずかしかったが、一日中付けたまま動き回って牙丸の正しさを感じた。その日は疲れたが、牙丸が本当に遠慮するまで肩叩きをやめなかった。


クロエミからは動きの邪魔にならないように左腰につけるベルトポーチと右腰には長さを調整された竹製の水筒も作ってもらっている。

ベルトポーチの中には特製の回復薬や塗り薬をいくつか持たされている。狩りの初回こそ体力の配分が出来ずに回復薬を飲んだが、効果は凄まじかった。

牙丸の肩叩きの翌日にはクロエミの肩叩きを行ったのは言うまでもない。

ちなみにクーロイには内緒で、ベルトポーチには護符が仕込まれている。発動はプルが任意で発動させられるようになっている。


過保護である。



そのプルは走るクーロイの頭上に貼り付いている。

見た目には出会った時から何も変わっていないが、ほぼ2年間毎日魔石を1個以上食べたスライムだ。

牙丸もクロエミも分かって食べさせている。暴れ出したら冒険者ギルドの特殊依頼指定になるレベルだが孫の安全には代えられない。全く問題ないと判断している。



クーロイとプルのコンビで狩りに出るのも数えきれないほどになってきた。


初回の体力切れ、3回目の捻挫からの牙丸のおんぶでの帰還があったものの、特に怪我もなく狩れるようになってきた。

理由はプルとの模擬試合である。完全にクーロイの負け越しではあるが、勝つこともある。

6歳とは自然界にいる通常の魔物に手傷を負うことなどなかった。狩りという場を日常にさえしてしまえば、何の問題もなかった。


獲物も持ち帰る必要のあるようなものは帰り際だけ狩るようにし、多くはスライムを目的にしたおかげで魔石を多く持って帰ることが出来ていた。

プル用の魔石をクーロイが集めるようになったが、クーロイの旅立ち資金は順調に貯まっている。祖父祖母が余分に貯めていることは内緒である。


魔力感知を常時使用することで魔物の体内にある魔石から発する魔力を捉え、一気に近づき倒していく。

既にスライムは15匹仕留めている。そろそろ昼なので前回仕留めた走り鶏のサンドイッチを食べようかと足を止めた。


「プルも魔石食べる?」


プルプル


「じゃあとりあえず1個ね」


今日取ったスライムの魔石を1つプルの前に置く。早速魔石を吸収するプルを確認し、自分はまず水分補給をする


「ふーっ。ただの水でもおいしいな」


水筒を戻すとベルトポーチからサンドイッチを取り出し、ステータスを確認する。


>>>>>

名前:クーロイ 年齢:6

種族:人族 性別:男

才能:気ままなコレクター


HP :20/20

MP :375/534

STR:12

VIT:14

AGI:13

DEX:12

MAG:45

MND:39

LUC:8


スキル

平常心(3)ストレス耐性(2)教導(2)話術(1)魔力感知(4)魔力操作(4)魔力放出(4)体術(4)魔力集中(3)気配察知(3)採取(2)視力強化(2)剣術(4)身体強化(3)悪意感知(2)按摩(1)回避(2)敏捷(3)バランス(2)解体(1)料理(1)


<スキル>

神託 コレクションブック コレクションルーム


称号

御人好し 【元】不幸体質 我慢バカ 転生者 


>>>>>


素のステータスは一般の人族の大人に匹敵するほどになっている。スキルは身体能力を底上げするものを多く身に付けたため、実際は数字以上の動きになる。

ただ、それが活用されるのは模擬戦のときで狩りのときは本気で動くことはあまり無い。本気を試そうとしたときに獲物の角うさぎを倒せたのは良かったものの、後ろの木まで切り倒してしまいひどい目にあった。

以来、森の中では危険が無い限りはセーブすることにした。


ただ、今日のステータスはクーロイにとって待ち望んでいたものだ。


「やっとスキルが増えたぞ!」


コレクションブックとコレクションルームは初見だ。役に立つと言われ続けてようやくだ。ただ、大器晩成であれば良いスキルだと予想していただけに期待は大きい。


「とりあえず口に出せば良いのかな。コレクションブック」


目の前に本が現れた。6歳が持つには大きいサイズの本だが、分厚いというほどでもない。

早速めくってみる。最初には目次が書いてあった。


「ステータス、契約者、所持品、所持スキル、未所持スキル、所持魔法、未所持魔法、武具、防具、道具、料理…。なんかゲームの設定資料集みたいな感じだな。手に入れたスキルが白くなっているから現状を反映しているのは確かだけど」


未所持スキルまで見てみると、スキル名だけでなく中には獲得方法まで書かれていた。


「これを参考にして身に付けていけば良いんだな。旅立つ前に役立ちそうなものは身に付けばよさそうだ」


属性魔法のスキルは契約か魔法合成となっている。何と契約するかは分からないがこれはまた考えればいい。所持品ってのは今持っているものが表示されているのだろうから後回しにした。

武具なんかは全部は集めきれないな。どんな武具防具があるかを見れるのは良いが、装備を考えるときのリクエスト用にしよう。

特殊効果が付いたものに関してはリストにないからそのあたりは手探りだな。


ブックに関してはこんなところかな。次はルームだ。部屋ということは期待通りだろうか。


「コレクションルーム」


今度は目の前に扉が現れた。ドアノブを回して扉を開けてみると10㎡ほどの大きさの部屋だった。特に何かが置いてあるわけではない。試しに持っていた魔石の残り14個を床に置く。

そのまま扉から出てみる。もう一度中に入って見ると壁に棚が出来ており、1つずつ並べてあった。


「自動整理の部屋か。この大きさまでは物が自由に置いておけるってことだな。持ち運びに不自由しないのは良いぞ!旅立ち前にアイテムボックスが手に入るのはものすごくラッキーだ!」


これも検討の余地があるが、それは夜でも出来ることだ。休憩も十分だとして、狩りを再開することにした。


帰りにはスライム4匹と角うさぎ2羽と走り鶏を3羽を狩ることが出来た。

試しにルームに入れてみたが、入れた瞬間のものが保存されていた。狩る前のスライムは入らなかったが、プルは入ることが出来た。

両者の違いはおそらく友好関係の違いだろう。


帰り道の実験として血抜きが出来ていないものを入れてみた。中にいる間は血が流れていたが、外に出てしばらく移動してから確認すると出る前と同じ状態で床に流れていた血が消えていた。

プルが中にいたままだと血抜きが進んでいた。プルは血が流れていくのをじっと見ていたそうだ。プルも外に出てから扉を閉めて中を確認すると床に広がっていた血だまりはきれいになくなっていた。


中に誰かがいるときは時間が進み、誰もいないときは時間が止まっているということだろう。それならそれで次の実験は決まりだ。


あとは不要と思ったものは自動的に処理されるのだろうか。どこかにプールされているのだろうか。飲み水の持ち運びが可能かどうかも確認が必要だ。

中に入れているものは確認できないかどうかを考えたところで思いついた。走っていたが、立ち止まる。


「コレクションブック」


目次には『所持品』という項目を確認すると、コレクションルームの中に入れたものが書いてあった。


<収納品一覧>

魔石 14個

角うさぎの死体 2羽

走り鶏の死体 3羽


ゴミ箱←血が入っています

お読みいただきありがとうございました。

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