103思い通りにいかないことの方が多いよ。何かは聞くな
31話のギルドでの説明で、化け物のように強いのをA級冒険者以上に修正しました。
ついでのように見えるかもしれませんが、いつも誤字報告ありがとうございます。本当に助かっております。
地上に戻ってきたのが深夜だったこと、森林虎がいたこと、俺は宿に戻れなくもなかったがエスロンさんとサイラさんの宿が無かったので一緒にギルドの空き部屋に宿泊させてもらった。サイラさんは別の部屋だけどね。
森林虎が牢には入らなかったため、オスバたちは鍛錬場で寝泊まりすることになった。
ちなみにギルドマスターが安心した後に、森林虎を見てげっそりした顔が忘れられない。控えていたダンジョンの管理者の人たちやギルドの関係者も腰を抜かしたり、気絶したり、逃げ出したり、反応は様々だった。
一応出る前に驚かないでくださいねと言っておいたが、思った以上に衝撃は大きかった。元A級だったのはギルドマスターくらいだったのでほとんどの人が初見だったそうだ。森林虎は姿を見たときには死んでいる、と言われる魔物だからな。心構えをしても無理なものは無理だとギルドマスターも呆れていた。
翌日はギルドは通常営業だったが、鍛錬場は使用禁止になっていた。関係者と職員のみの入場が出来ていた。
事情の説明は午前中で終了したが、森林虎の扱いが決まるまでは何とも言えない状況だった。暴れ出さないかどうかが心配されている。
白獅子様のお墨付きだが、それを行ったところで信用されるものなのだろうか。
「いっそのことオスバの名前で魔物登録をしてしまおう。森林虎には今回の件に関して罪があるわけではないが、罪を償うときも一緒にいろ。オスバが近くにいれば暴れることはあるまい」
「申し訳ありません!心を入れ替えて罪を償います!!」
オスバはまた涙を流しながら土下座をしていた。森林虎はまだ言葉が分からないからか、オスバの横でお座りのまま一緒に頭を地面に付けている。真似をしているようだ。
これはこれでかわいいかもしれない。そっと周りを目だけで見まわすと職員の中でも顔がとろけている人がいた。完全に猫好きだな。
心臓を押さえている人は初めて自覚した人だろう。こういうのを沼へようこそって言うんだよな。
しょうもないことを考えていると、ギルドマスターから声をかけられた。
「クーロイは状況も分かったので行っていいぞ。残りの関係者から話聞けば十分だ。エスロンとサイラも明日には自由の身だ。奴らに関しては王都に運べないし、領主にも頼めない。しばらくはギルドが預かる案件になりそうだ。報酬に関しては払えるものは明日にでも渡せるようにしておくからよ。明日以降で声かけてくれ」
「わかりました」
そこまで俺に話してくれて良いのだろうか。普段はこういう話し方の人なんだなと思いながら、エスロンさんとサイラさんに挨拶をしてギルドを出る。
さて、どうしようか。本当ならダンジョンに向かう日ではあるが精神的に疲れている。
明日になるとエスロンさんとサイラさんの2人と一緒に過ごすことになるだろう。仕方ない。時間は有効活用してこそだ。今から行こう。
「昨日の今日でダンジョン?ご主人の頭の中身が時々心配になりますわ」
「今回みたいなことがあるんだ。強くなっておいて損はしないよ」
16階層に行って魔物狩りを始めたが、森林虎を1体倒したし軍隊猿を大量に倒したからか、また強くなった手ごたえがあった。危険を冒してまで17階層に行く気持ちは分かった気がする。
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名前:クーロイ 年齢:10
種族:人族 性別:男
才能:気ままなコレクター
HP :236/236
MP :3501/3501
STR:127
VIT:130
AGI:169
DEX:109
MAG:162
MND:155
LUC:77
スキル
体術(6)剣術(6)短剣術(4)投擲術(5)弓術(4)槍術(1)拳撃(3)蹴撃(4)棒術(1)
身体強化(6)視力強化(6)頑強(5)回避(6)敏捷(6)平衡感覚(5)跳躍(5)自然治癒力上昇(5)剛力(6)器用(5)命中(2)
縮地(3)纏気(5)闘気操作(5)闘気集中(3)闘気強化(1)
魔力感知(6)魔力操作(6)魔力放出(6)魔力集中(6)MP消費軽減(3)魔力変化(3)
生命魔法(5)植物魔法(4)無魔法(5)飛翔(3)風魔法(3)
気配察知(5)悪意感知(3)気配隠蔽(4)空間把握(4)
平常心(5)ストレス耐性(5)苦痛耐性(5)毒耐性(3)打撃耐性(3)斬撃耐性(2)混乱耐性(1)麻痺耐性(1)恐怖耐性(2)
教導(5)話術(3)採取(5)按摩(4)解体(3)料理(4)調合(3)木材加工(2)皮革加工(2)石材加工(1)計算(2)目利き(3)
<スキル>
神託 コレクションブック コレクションハウス 思考力強化 魔法纏
称号
御人好し 【元】不幸体質 我慢バカ 転生者 世界樹の祝福者 修行者 魔物狩り 魔物の殲滅者 教導者 瀕死体験者
備考
称号・断罪者とひどすぎ拷問官はこれ以上やっても称号に反映されないようにしたよ♪
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倒した魔物の質と量がステータスに影響するのはその通りだけど、上昇が良いような気がする?
上がるものはもらっておこう。リスクがあるわけでもないだろうし。しかし、ステータスが高いからといって筋肉ムキムキでもないし、食事で箸持っても折れない。
思ったよりも必要な時だけが反映されるみたいだ。心置きなく励むとしよう。
翌日はエスロンさんとサイラさんの2人ギルドで合流し、孤児院や薬師さんのところ、元から2人が知っている都市内を案内してもらった。
よく考えたら着いてすぐにダンジョン。解決してもダンジョン。そして今回のように野暮用。案内してもらいつつの観光などしていなかった。
思ったよりも生き急いでいるなと感じてしまった。
エスロンさんは魅了されたときから解除されるまで、きれいに記憶が無いそうだ。しばらくは迷惑をかけていなかったか、今まで顔を出していたところに説明のために回るそうだ。
それに対してサイラさんは、体は思い通りに動かせなかったものの、途中の記憶は残っていたそうだ。針を刺したオスバの魔力が流れてきた感覚が無かったそうだ。
あいつ魔力の扱いが本当に下手なんだな。俺は軍隊猿の魔力を感じたから、獣以下だ。
よってサイラさんは迷惑をかけたと言えば、あの女性のみのパーティと馴染みのところだけだそうだ。エスロンさんの説明に一緒に行ってあげるそうだ。
「一人で行くより、同じ被害者のあたいが一緒に行った方が説得力があるだろう?」
「ソウデスネ」
「あん!?なんか文句あんのか!」
「サイラさん、落ち着いてください。一緒に来てくださるのは非常に嬉しいです。ありがとうございます」
「お、おぅ。別に礼なんていいんだよ。気にすんな」
手を合わせておく。ごちそうさまですの一言も加えておく。顔が赤いですよとも言わない。エスロンさんカッコいいからな。
孤児院行った時にも子どもたちにも聞かれたよ。院長さんと2人が話してるときに、俺は子どもたちの相手してたとき。正確にはプルが相手してた。
主には年長組の子どもたちだな。俺よりも少し年上の子たちだ。
男子A「なあ、クーロイ。エスロンさんが連れてきたあの赤髪のねぇちゃんってエスロンさんの彼女か?」
女子「ダメだよ!エスロンさんのお嫁さんはあたしがなるんだから!」
男子A「なっ!なんだよ。お前とエスロンさんがお似合いなわけないだろ!」
男子B「ぼくはお似合いだと思うけどなぁ。あの女の人とエスロンさん」
女子「あんたも黙ってなさい!」
男子A「お前、エスロンさんの邪魔するなよ!」
女子「あんたも黙ってなさいよ!関係ないでしょ!」
男子A「う…ぐ…。……けい…るよ」
女子「大事なことを小声でボソボソ話すなって言ってるでしょ!クーロイ君も余計なこと言ったら許さないからね!」
女の子がドスドス音を立てながら歩いて行った。男子Aはショボ~ンとしている。
ちなみに俺、お分かりいただいたように何もしゃべってない。こういう話題になったとき、大体このセリフで終わるらしい。BがAの肩をポンポンと叩きながら
男子B「僕はなんだかんだ言って最後にくっつくと思うんだ。がんばるんだよ」
同い年のはずのこいつが一番大人だと思う。
お読みいただきありがとうございました。