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特別な友達。  作者: 橘 小春
2/5

始業式②

彩花 side


どうしよう…。

ものすごくおしっこがしたい…。

今は始業式の途中。

なんで始業式が始まる前にトイレに行かなかったんだろう。

校長先生の長い長い話はまだおわらない。

体操座りっておしっこを我慢しにくい体勢だから限界が来るのも時間の問題。

全校生徒の前でおもらしなんて絶対出来ないよ…。

はやく…はやくおわって…



我慢の限界に近づいてきた時、隣に座ってる子に話しかけられた。


?「あの…大丈夫…?体調悪い?」


その子は確か同じクラスの子。

ストレートヘアで胸元まで伸びるダークブラウン色の髪。

お姉さんって感じの女の子だった。


あ「えっと…お、おトイレ…い、行きたくて…」


女の子は少し驚いた顔をした。

しかしすぐに、なんだ。そういうことか。と、周りを見渡し先生とアイコンタクトを取って手を小さくあげた。


すると先生が小走りでやって来た。


?「先生、この子体調悪いみたいです。保健室に連れて行ってもいいですか?私が付き添います。」

先「そうか。原田大丈夫か? よろしくな。」

?「はい。大丈夫?立てる?」


女の子に支えられながら立ち上がる。幸いにも私たちは後ろの方だった為、あまり目立たずに体育館を出ることが出来た。体育館からすぐのトイレに向かう。


あ「あの…ありがとう…。」

?「早く行かないと…おもらしちゃうよ?」

あ「あっ…」


女の子は少しからかったように私に言った。

しかし当の私は急に波がおしよせ、その場にしゃがんでしまった。

だめだ。ここまで連れてきてもらったのに…おもらししちゃう…っ!

そう分かっていても立ち上がることが出来ない。


?「えっ!大丈夫!?もしかして…もう出ちゃう…?」

あ「っ……う、うん…」

?「トイレまで頑張っていけそう?」


いかなきゃいけない。でも動けない。

震えながら小さく首を横にふる。

高校生なのにトイレにも行けない。

私の目に涙が滲む。


?「大丈夫。ここでしちゃってもいいよ。」

あ「えっ…っ、やっ、やだ…」


嫌だとは言ったものの動けないためここでおもらしする以外方法はなかった。


?「誰にも言わないから。ほら。」


背中を撫でられしー、しー、と赤ちゃんのようにおしっこを促される。


じわっ…とパンツが濡れていく。止めなきゃっと思っていてもその勢いは増すばかり。


ポタッ…ポタポタ…シュイイイイッ…ビチャビチャビチャ…


しゃがんだ足元に広がる大きな黄色い水たまり。

それは明らかに私が作ったものだった。


あ「ふぇ…ぐすっ…ごめんなさい。ごめんなさい。」


情けなくて泣きながら謝ることしか出来なかった。

それでもその女の子は大丈夫。大丈夫。と背中を撫で続けてくれた。

2人の姿はおもらしをした妹とそれを慰める姉そのものだった。



数分後、少し落ち着き、私たちはおもらしの後処理をしていた。

はじめ、女の子が「私も手伝うよ。」と言った時は大丈夫と断ったが、


「私がおもらしさせちゃったから手伝わせて」


と雑巾でおしっこを拭き始めたのだった。


黙々とふたりで後処理をしていると私はあることに気づいた。この子の名前…しらない…。いつもなら人見知りしてきけないけど…でも…でも…



あ「あの…」

?「ん?どうしたの?」

あ「な、名前…なんていうの…?」

?「私?私は、いろは!」

あ「いろは…ちゃん…」

い「うん!あなたは?」

あ「あやか…原田 あやか。」

い「かわいい名前!あーちゃんって呼んでもいい?」

あ「っ…!!うんっ!」


この後、2人で保健室にいって私は着替え、何事もなかったかのように教室に戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


彩花の始業式はこうして幕を閉じた。

話…まとまってたかな…(汗)

始業式編はおわりです!

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