能力品評会 01
と、突然なんだがなんと既に俺にも魔法的な力が既に宿っていた様だ。芳香坊がいう通りに心の中で「ステータス」と念じると読むのにちょうどいい場所に俺のステータスが表示された。それは半透明のボードみたいなものに名前やら数字が表記されていて、見た感じ・・・有機ELのタブレットが空中に浮いているというのが一番わかりやすい例えかもしれない。
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Name :須黒 勇気
Rank :0
Magic :0
Health:0
勇者の剣
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これが、俺の初魔法で表示された内容だ。はっきり言ってこんなんでもかなりの感動と達成感を感じた。そもそもこの表示を出すだけで小一時間は過ぎてしまっているのだ。コツといってもなんだけど恥を捨てて本気でやることだ・・・まぁこれはもう一人の馴染みの奈々子が教えてくれたことなのだが。
俺が恥を捨てさった頃には他のクラスメイトたちはとっくに出来ていたようで回りに能力を自慢しあっていた。ステータスの全てが0を確認したところでタイムアップが訪れたようで芳香坊が声を上げた。
「どうですかな。勇者様がた、所持されている特殊能力やステータスを確認は問題ないようですね。それでは今からステータスの説明をさせていただきます。まずはRankからでございます。・・・・・」
芳香坊の説明は事細か?に丁寧?に説明されていった。まずはRankだ、これはこの世界における強さのバロメーターである。それはすなわちどの程度神からの恩恵を受けているかという事らしいのだ魔物や敵を倒すとRankが上がりどこからともなく力が湧いてくるのだという。この不自然な強さをRankの恩恵と呼んでいるそうだ。そして状態異常魔法成功率や低効率などは一般的にこのRankの差異で決まるという事だ。
次はMagicだ、これはそのままで魔法やスキルの威力と防御力、魔法やスキルの再使用までの時間が変わってくるという事だ。召喚された勇者たちは全員がスキルを保有しているためにMagicが高いほうが強くなるだろうとのことだ。
そして最後はHealthだ。こちらは体力回復、力、傷の治り、それと防御力が上がるという事だ。すごいことにHealthが高くなるとその肌は刃物すら通さなくなるらしいのである。
「どうですかな?皆様は召喚されたばかりでRankは0でございましょう。ですのであなた方を値踏みさせていただく材料はその保有しているスキルとなりましょう。これから勇者様がたを10段階で評価させていただきます。そしてその段階によって国からの支援させていただきます。」
ね、値踏み・・・値踏みされるのか。ステータスを確認して勇者と呼ばれた俺たちだったが、勇者ではなく奴隷なんだと再認識させられシーンと静まり返ってしまった。だがそれもそうだろう世界のために働くことを強要するような奴らが全員を同じように扱いはずもないだろう。
「心配なさらずとも我が国に謀反を企てるようなことがなければ衣食住は、いくらでも提供させていただきますから・・・。そう、これは一種のセーフティでございます。それでは1列になって取得したスキルを申告していただけますか?それが終わりましたら後宮を今回のためにすべて明けておりますのでご自由にお使いください。」
静まり返ったなか1人また1人と芳香坊の方へと吸い込まれるように集まってった・・・。