13.読めないステータス
「そういえばさ、聞きたかったことがあるんだけど」
最初の部屋ーーーレイアの部屋だとわかったーーーに戻って向かい側のソファーに座ってくつろいでいたレイアに声を掛ける。
「俺に尋問する直前にさ、時と場所が悪いって言ってたけど……どういうこと?」
そう尋ねるとレイアは飲んでいた紅茶らしきものが入ったカップを上品な動きで机に置いて答えた。
「理由は大きく2つ。1つはさっき聞いたと思うけど今が戦争中ってこと。もう1つはあの場所は危険だから国で管理してるの、だから一般人は入れない」
なるほど、と頷く。
「で?なんでそんな危険なところに王女様がいらっしゃった訳で?」
「あ、あれね……。えぇ……っと、しゅ……修行」
「修行?」
なんだってそんなことを、予想外の理由に驚愕しているとレイアが続けた。
「この世界にはステータスっていうのがあってね、その数値が高ければ高いほど生きていきやすいの。シュウもさっき作ったでしょ?」
「え、つくっ……あぁ、あの板か」
「そ、あれはステータスボード兼身分証明書なの。失くさないでよ?」
「じゃあ、俺のステータスも見れるの?」
「勿論。はい、これ返すね」
レイアから黒色の板改め、ステータスボードを手渡される。しかし画面は真っ暗なままで数字などどこにも記されていない。俺が苦戦しているのを見てレイアは非常に楽しそうであった。
「画面の真ん中あたりを指先で2回タップして」
言われた通り人差し指で真っ暗の画面を2回タップする。すると黄色の波がその位置から二重に広がり、最後の波が画面の端まで行き届くとそこに文字が浮かび上がってきた。あの時は訳が分からなかった上に、嬉しい展開があった為によく見ることが出来なかったのでその分しっかり見ようとした。
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「s€$l」の部分には他にも4つ表示されていたがどれも同じように読むことが出来なかった。
「……まずは文字から覚えないとね」
「……そうだな」
なんとなく状況を察したレイアがぼそりと呟いた。俺は早くも異世界で2番目の課題にぶち当たった。
「あ、あと修行っていうのは表向きで、本当はストレス発散が目的です……」
「俺の尊敬の気持ちを返せ……」
気がついたら総合評価が増えてました。
この調子で頑張るゼイ。
あと、テスト期間に入る為しばらく更新出来なくなります。よろしくお願いします。m(._.)m