第七話 歓迎パーティー?
更新が遅れてしまい、本当にすいませんでした!この1週間は忙しく中々執筆ができませんでした...。そして批判コメは意外と心にきますね...。...今回はまあまあ長いと思います。
一瞬、急な音に腰を抜かした。
すると突然部屋の明かりがついて、その眩しさに手で目を覆ってしまう。
そしてーー
「「「Sクラスへようこそーーー‼︎」」」
そんな声が聞こえて目を塞いでた手をどかすと、ーーそこには男子2人、女子3人、合わせて5人がいた。
突然の事態に呆然としてると、
「ふふっ、サプライズ成功ね。さあ、新入生の歓迎会をするわよ!」
「「「おおーーー‼︎」」」という歓声。
訳が分からず僕はただ、腰を抜かしたままの姿勢でいた。
「ほら、何座ってんだよ。お前の歓迎会をするんだから早く立て」
そう言って手を差し出してくる赤髪のイケメン。
少し戸惑いながら、礼を言ってからその人の手を掴み立ち上がる。
「えっと、どういうことですか?」
若干ビビりながら聞いてみる。
さっきの話を耳にした限りだと、僕の歓迎会らしいのだが...
「にしても、たくさん作ったなー。あいつ」
......なるべく視界にいれないようにしてたのだが流石にもう諦めた。
なぜならそこに広がっていた寮の光景は、
どこぞのアメリカンスターが集まるパーティーですか?と言いたくなるような豪華な食事がたくさんあったからだ。
サーロインステーキ、サラダ、デザート、フレンチトースト、ワイン、etc...
多種多様な食べ物が豪華に彩られていて、バイキング形式になっている。
僕だけを歓迎するのに絶対こんなにいらない...
そんなことを思った矢先、後ろのドアが開いて誰かが入ってきた。
ドアの近くにいた僕は、入ってきた人とぶつかってしまい、すぐに謝ろうとしたがーー
ーー何故かその人は僕の顔を見ると急に抱きついてきた!
見ると抱きついてきた人は女子で、深い緑の髪が特徴的だ。...よく見ると、関所で見た女生徒だ。
......てか、なんで僕抱きつかれてるの⁉︎何⁉︎ドッキリですか⁉︎
と、そんな感じで挙動不審になっていると、
「......やっと会えた...久しぶり、咲耶...」
顔を上げた女生徒は僕に向かって、感情が乏しいのか、無表情でそう言った。
だけどーー
「ええと......ごめんなさい、どちら様で?」
名前を呼ばれたが、僕はこの女生徒に関所くらいでしか見覚えがなく、そう言うと、
女生徒は無表情だが少しショックを受けた様子で
ーー......やっぱり、記憶が無いのね...
そう呟いた。
ーー記憶喪失。僕は10歳までの記憶がなくなっている。理由は分からない。だがそのせいで本当の両親の顔は思い出せないし、自分の名前くらいしか覚えていなかった。
この女生徒とは記憶を失う前に会っていたのだろうか。今はもう分からない。
すると女生徒は
「...私は天谷優雨。...咲耶とは、幼馴染」
「えっ?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。女生徒...天谷さんは僕と幼馴染だと言ってきた。
なるほど、だからこんなに親しげなのか。
......というよりも、そろそろ離していただきたい...何と言うか...胸があたっていて...男としては毒というか...ねぇ?
「あ、天谷さん...そろそろ離してほしいんだけど...」
「.........優雨」
「...はい?」
「......優雨って呼んで」
...なんかハードルの高い要求がきました。
「い、いや、ほら、僕としては今日会ったばっかりだし、それはハードル高いかなーって...」
「......優雨って言えば離す...」
...えー......仕方ない...
「......ゆ、優雨さん」
「......」
...まだ駄目みたいです...ええい!ままよ‼︎
「ゆ、優雨」
「...ん」
ここでようやく離してくれた。
...よかった...。ホッと一安心。
そこで僕のお腹がキュルキュル鳴った。
現在時刻3時半。
あーそういえば昼ご飯食べてないなー。
なんていうことを今頃思い出す。
目の前のごちそうに加速して腹がすく。
周りを見ると教頭とか他の面々はすでに食べ始めていた。
いつの間に......
そう思ってると、腹をすかせているのを察したのか、いろんな食べ物を持ってきてくれる優雨さん。
「...私が全部作った...どうぞ」
と言って食べ物が乗っかってる皿を差し出してくる。
全部⁉︎......それが本当なら、この子三ツ星の料理人なんじゃ...とか驚きながらも食べ物を口に入れる。
ーーうまい。
その一言に限る。
僕は一気に食べると次の料理を取りに行く。
ただただ黙々と食べ続けた。
みんなを見ても黙って食べている。
本当に美味しい料理は、その美味しさに言葉を発せられない。
口の中には飲み込んでも後味がしっかりと残り、最後まで味を堪能できた。
ーーみんなバラバラで黙々と食べてたらいつの間にか料理は無くなっており、時刻は6時になっていた。
「あー、結局大した挨拶や自己紹介ができてないけど、もう明日の準備もあるし、自己紹介とか明日できるし、解散しよう」
そんな声が聞こえて、男子は2階へ、女子は女子寮へと帰っていった。
自分の部屋がわからない僕は、教頭に連れられ2階に上がり、4号室と書かれた部屋に案内された。
もう普通にドアを開けると
ーー中は真っ白な空間だった。
広さは20畳くらいだろうか。
あまりに真っ白なので教頭に説明を求める。
「Sの部屋は自分の想像した部屋が創れるのよ」
ようは、王宮をイメージしたら王宮の部屋ができるということだろう。
「あと、荷物はデバイス操作で取り出せるわ。あ、会議の時間だから行くわね」
と言って帰っていく教頭。
僕はめんどくさいので、デバイスで荷物を顕現させ(荷物出そうとしたら地面にフッと現れた)、クローゼット、風呂、洗面台、ベッド(どれも豪華だった。ベッドは天蓋付き)だけ顕現させた。
もういい加減驚かなくなってきたなー。
なんて思い、風呂に入り、歯を磨いて、荷物を整理してベッドに入る。
時刻はまだ7時だが、あまりにいろいろあり疲れていて眠い。
明日は入学式があるし、どっちにしろ早く寝なくては。
まぶたを閉じるとすぐに睡魔が突撃してきて、眠ってしまった。
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