第八話 無くした記憶 1
更新が遅れてすいません...。
ーーそれは、1人の男が訪ねてきたことから、始まった。
「ねえ、優雨は将来、何になりたい?」
僕は公園のブランコをこぎながら、隣でブランコを座ってる幼馴染に質問する。
「......咲耶の......お嫁さん」
無表情に突然言われたことに「ぶっ」と戸惑う。
本当、この幼馴染は......
「ち、違うよ。そういうことじゃなくて...」
「......でも私...それしか思い浮かばない......なんで急に?」
「いや......宿題の作文でテーマが将来の夢だったからさ」
今日出された宿題は、明後日までに将来の夢について作文を書け。というものだった。
別にそれ自体はいいのだが、咲耶が将来に思い悩む原因がある。
それは母から言われた言葉だ。
ーー咲耶、あなたは普通に生きなさい。あなたは悪いものを引き寄せる体質があるの。悪いものはあなたに害を与えるわ。でも、あなたが普通なら、弱ければ害はないの。...だからね咲耶、あなたのことはちゃんとお母さんとお父さんで悪いものから守るから、普通でいてね。
...それが心に響く。
咲耶が将来なりたいものは父や母のようになることだ。
父と母は政府の凶悪犯罪取締課に所属していて、そこは戦闘技術に長けたエリートが集まる場所だった。
咲耶の両親は政府からの要請でこの島ーー紅魔島から事件現場に行く。
紅魔島は人口5千人の小さな島だが不自由はしていない。
一度、父と母が犯罪者と闘っているのをテレビのニュースで見たことがあった。そこでは父が銃で相手の武器を撃ち飛ばして、母がそのすきに格闘技で相手を絞める。というものだった。それを見て咲耶は両親みたいになりたいと強く思った。
だが、それが駄目だと言われ、咲耶は自分の夢に迷っていた。
......そんな感じで悩んでいた時だった。
公園の入り口から黒いコートを着た男性が入ってきた。
「ねえ君たち、この島に愛宮慎さんと愛宮飛鳥さんっているよね?」
「はい...いますけど...」
この島では有名だから知らない人はまずいないし、なおかつ僕の両親だし。
ということはこの人は島の人ではないということだ。ちょっと警戒心をだす。だって見た感じ怪しいし。
そっかー。となんか嬉しそうに男が言うと、
「じゃあ君たち、俺の肩慣らしに的になって」
いつの間にか男の手には拳銃が握られていた。
そしてそれを僕たちの方に向けている。
危険を察した僕は急いで呆然としてる優雨を立ち上がらせると相手の方を見据える。
だが早く逃げた方がよかった。男はニヤリと愉快そうに顔を歪めると銃の引き金に手をかけた。
僕はとっさに優雨をかばうようにして抱きしめる。
ーーその時だった。
銃声が聞こえ、肩をビクッとさせたが何も起きない。恐る恐る男の方を向くと、男は自分たちでなく公園の入り口を見てた。
そこにいたのはーー
「私達の息子に手をだすなんて良い度胸ね」
「もちろん、やらせはしないぞ......アリバー‼︎」
ーー僕の両親だった。
次はちょっとバトルあります。