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二度寝三度寝は遅刻の原因

今の時間は午前6時30分24秒。朝のホームルーム開始は8時30分00秒。タイムリミットまであと2時間をきっている。家から学校まで走って1時間弱、電車を使えば30分近く、だが電車を逃すと遅刻確定。電車の時間は8時4分発で14分着。駅から学校までは100メートル弱、よって駅から教室まで走って7分。しかし家から駅まで約15分。したがって家を7時49分までに出れば間に合う。しかし、俺は風呂に入らなければならない。昨日入れなかったからだ。しかしお弁当の準備もある。そこは重要な問題ではない。今日は学食を使おう。まぁ晩飯で使うだろうし米だけ炊けばいい。その間にでも風呂に入ろう。それとあいつらも起こさないといけない。そう思い、あいつらが寝てるはずの部屋に近づく。すると部屋の中から御火の寝言が聞こえた。俺はドアノブから手を離し、先に風呂に入ろうと風呂場に向かう。寝てるところに侵入してラッキースケベに遭遇して殴られるのは嫌だ。ああいうのは女子が男子を起こすもんだ。そうと相場が決まってる。それに二人がくんずほぐれずだったら俺の風呂の時間が倍になってしまう。よって先に風呂に入ろう。

風呂場に行き、扉を開ける。

「…………ゑ」

「…………あっ、あっ、あっ、あっ」

そこにはなんと手で胸を隠した鈴がいた。しかも目の前10㌢でパンツはきかけニーハイソックス着用、パンツの色が白で驚いた。さらにぷるぷるわなわなと音が聞こえるほど震えて、顔が超真っ赤になってる。

「……えーと、ミカを興したらイマニキテクダサい」

片言になっちゃった。

「きっ、きっ」

俺は考える。叫ばれると色々困る。しかし口を押さえるのもどうかと思う。

「でもかあいいのぉ」

やべ、口にでちった。

鈴の顔がさらに赤くなる。紅くなる。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「ぶふぇしゅ」

殴られた。超殴られた。ぼこぼこに。鈴は俺を拳で倒し、追い討ちをかけに倒れた俺の上にまたがり、デンプシー・ロールのように殴られた。軌道に合わせて、大きなものが揺れてる気がしたが、見る余裕がなかった。そして目の前が暗くなってく。もうやだ、しかも鈴のやつ手だけ獣化させてやがった。…………でも萌えた。いつもならガードできたかもしれない、いやできた。でもさ、あんな状態じゃ無理だ。



そこは地獄のようだった。

空は漆黒よりも深い闇を映し、それを切り裂くかのような雷が雨の如く降り注ぐ。大地には溶岩が流れ込み、森や町などを飲み込んでいく。しかしそこには悲鳴などは聞こえない。それはみんなが無事避難し終えたからといった子供騙しなことではなく、単純にもう死んでしまっていたからだ。この地獄が始まる前から。

俺は崖の上から見下ろすのをやめ、振り返る。

「何度も呼んだんだぞ」

そこには同じチームの仲間がいた。彼の声は永遠のように果てしなく続いている雷鳴で全く聞こえなかった。もしかしたらあそこにも人が居たかもしれないと考えるが、そんな考えはすぐになくなる。どうでもいいことだからだ。

「早くいこうぜ、ここはもうだめだ」

俺達はみんな同じ物を羽織り、俺以外がフードを深く被っていた。そしてみんな踵を返し、崖に続いていた坂道を下る

「早く帰ろう。次の被害が出る前に」

「あのさぁ」

俺は仲間を呼び止める。

「考えたことないか、俺たちの世界とは別に平和な世界があるかもしれないって」

みんなが立ち止まる。

「そしてそこにも能力者がいたりいなかったり」

みんなが今どんな顔をしているのか大体わかる。

「そんでさ、俺達6人が頑張ってきたことが役に立ったりさ」

真ん中の一人がフードを外し、こっちをみる。そいつは朱色っぽいような色の目をしていた。

「俺達最強の能力者がいる世界ですら滅亡の危険なんだぞっ!なにふざけたこと………」

「待って、落ち着いてください」

奴の右隣の仲間が叫ぶ。

「僕たちにはこんなことしてる余裕はありません。先を急ぎましょう」

「わかったよ」

朱目の仲間は、止まり、もう一度後ろを向き、先に進んでしまった。

「お前がリーダーで助かったよ」

「師匠もふざけないでください」

「ふざけてないよ、本気でマジだ」

「全く………」

本当にそう思う。

「でも本当にあったらどんな世界なんですかね?」

「何が?」

他の仲間はどんどん進んでしまう。

「平和な世界ですよ」

「必ずあるよ、だって………」

「だって?……なんです?」

「俺達が平和にすればいいんだよ」

「バカじゃないんですか」

「なっ、バカってゆぅなぁ」

「でも僕も信じてますよ。平和な世界」

「何でだ?」

ついそっちに意識を集中させる。

「周りにこんなに素敵な仲間がいるからです」

そう言って俺達は歩き出す。少し進むと場所に不釣り合いすぎる大きな門があった。弟子は門をあけ、なかに進む。

「…………っ、くそっ」

足が動かない。みんなは先に進む。

「ちょっと待ってくれっ!」

誰も歩みを止めない。

「ちょっ、おいっ」

弟子が立ち止まり、こっちを向く。そしてゆっくりとフードをはずす。

「どおして」

「えっ?お前……」

「どおして僕たちを裏切ったんですかぁぁぁぁ」

そこに弟子の綺麗な長い髪はなく!いや、それだけじゃない。気づくと手も、顔も、骸骨そのものだった。

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

「うわぁ、どっ、どおしたの急にっ?」

俺は布団のなかにいた。周りを見渡すと、そこは見慣れた部屋だった。あれ、俺なんでここに………

「いっつ」

なんか頭がすごくいたい。それに全然思い出せない。それにしても嫌な夢を見た。あの場所は昔も行ったんだよな。それに、たしかあそこは御火と鈴を助けた場所だ。にてる場所だと思ったけどまさかここまでにてるとは。

「………りくん………こおり………おーい、聞いてる?」

「…… んっ?あっああ、ごめんごめん」

「大丈夫?すごくうなされてたけど」

鈴が手を握ってきた。やばい、なんでこんなにすべすべなんだろぉ、それに冷たくて気持ちいい。

「ひゃっ」

「んっ?」

「てっ、ててててってぇ」

どうした、手を握ってきたのは鈴だろうに。何故だろう。俺は鈴の手をそのままほっぺたにくっつけて、すりすりと擦り合わせていた。無意識でやってしまった。

「ごっごめんっ!つい気持ちよくてっ!」

俺は急いで手を離し、鈴から目をそらす。鈴は真っ赤になっていた。俺もきっと真っ赤になってると思うけど

「べべっ、べつにだっだいじょじょうぶよよ。それに」

「それに?」

「君が喜んでくれるなら………」

鈴は少し潤んだ瞳で上目使いをした。

氷は八万のダメージ、瀕死の状態だ。

俺のメーターがヤバい。なんで今日の鈴さんこんなに可愛く見えんだろぉ。よく見ると、黄色のパジャマを来ている。そのパジャマは何故かキグルミみたいになっているしかし何故か胸元だけ開かれ、けして小さくないであろう肌色のボールが、頭を出していた。ヤバいな、これはハゲの頭なんて考えてやり過ごせるほど思春期は甘くない。それと獣耳のついたフードが見えた。色からして狐だろうか?それにズボンのおしりの部分から凄くもふもふしてそうな尻尾がついてた。鈴は女の子座りをしながらそれを引っ張り、顔を半分隠して、目をキョロキョロさせている。ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい激萌えすぎる!

それに少しもじもじしてるし!俺はつい鈴の両手を自分の両手で包む。そして鈴の目の前で正座し、顔を近づける。その距離約15cm弱。鈴の顔を隠していたもふもふは正しい方向に戻り、林檎よりも紅い鈴の顔をまじまじと見つめる。鈴は目のやり場に困っているのか、さらにキョロキョロさせる。俺はそんなこと構いもせずに見つめ続けると、瞳をさらに潤ませ、見つめ返してきた。鈴の黒髪ロングが揺れ、いい香りがする。そしてゆっくりと顔を近づけていく。あと5cm程になったとき、鈴は目を閉じ、あごをすこし開き。顔をこちらに向ける。鈴の手は先程に比べ段々と温かくなり、少し震えだした。俺は震えを止めるために強く握ると、落ち着いたかのように、震えは止まった。そして手を離し、左手で彼女の背中を支え、右手で艶やかな後ろ髪に指を絡ませていく。髪は絹よりも手触りがよく、一度手櫛のように髪を撫でと、んっ、と鈴の口から色っぽい声が漏れ、身を強張らせる。俺は右手で彼女の右耳に手をやり、撫でる。鈴はまた身を強張らせた。指を動かすごとに、声を漏らし、身を強張らせる。何故だろう。そんな彼女の姿が珍しくて、色っぽくて、愛しく感じてしまった。自分一人では体を支えきれなくなったのか、両手を俺の首に回す。俺は先程よりも激しく撫でると、彼女はよがるかのように身をそらし、先程よりも艶やかで大きなの声を漏らした。彼女はゆっくりと目を開く。

「……いじわる」

今にも泣き出しそうな顔をして、上目遣いで、ほほおさを膨らました。俺は右手を耳から離し、彼女の頭を支え、また少し開いてしまった距離をゆっくりと詰める。アドバイス10cm程のところで、また目をつぶる。今度は俺もつぶった。そして1cm、また1cmと近づけていく。そして俺の唇に、彼女の吐息が少しかかった。

登場人物&語句紹介



・デンプシー・ロール

ボクシングの技?詳しく知りたかったら「◯◯◯の一歩」を参考にしてください。

まぁこんな風にみたいなニュアンスが伝われば幸いです。



・地獄みたいな世界

そのまんま地獄絵図みたいな世界



・仲間

氷の昔の仲間。

最強


・朱目の仲間。

さすがに灼眼まではいかないよ、少しオレンジっぽいような朱色っぽいような目の仲間。

髪の毛はウシロデチョコント縛っており、外すと以外と長い。異能者。めちゃ強い。

氷のいとこ。熱血。



・弟子

氷の弟子。

強い。

氷の仲間たちのグループをまとめ、指揮したりするリーダー的立ち位置。仲間たちのなかでは、一番強いわけでなく。むしろ………

主人公っぽい人物。氷に会うまでは、弱虫だった。

氷に出会い、人生が変わった。髪長い。黒に近い茶髪 異能者。めちゃ強い。



・門

あの場所から、氷達のアジトまで戻る装置。物凄くエネルギー必要。普通の異能者では使えない。



・狐のパジャマ

夏は涼しく、冬暖かくのパジャマ。氷の幼馴染みが持っていたもの。

誰が作ったかは不明。もしかしたらどこかのペンギンの店の物かも…………



・ボール

男のロマン。

大きいのが好きな人もいれば、小さいのが好きな人もいる。どんな大きさでも個性。大きいと色々大変だと言うが、小さい人からすると、ふざけんなっていう感じになる。人によってコンプレックスがあったりする。人によっては希少価値等という言い方をするときもある。

あってもなくても好きな人ができたらそんなの関係なくなる気がする今日この頃です。



・鈴の耳

めちゃくちゃ弱い。

弱点の中の弱点。

キング・オブ・弱点。

触られると、くすぐったくて変な声が出たり、身を震わせてしまったり、思いっきり暴れる感じになって、身をよじってしまう。これがよがるという意味です。


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