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俺と糞ゲー  作者: ピウス
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獣人

 店員さんの説明だと女の子は獣人(けものびと)という種族の人だそうだ。

 けものびとねえ。

 神様無駄にオリジナリティを出してんな。それとも何かのパクリか?

 正直素直に じゅうじん にしとけよとは思う。

 

 俊敏で力が強く迷宮探査の冒険者にもこの種族の出身者は多いとのことだ。

  

 だが、顔が犬なんだよねえ。

 コーギーをなんとなく女性っぽくしましたと言う感じ。

 違うだろ?

 獣人とは耳だけが獣で後は人間でなければならないのではないのか?

 たしか法律でそう決まっていたと思うのだが。


 異世界にはじめてきた場所でさ、たしかに大通りを歩いている犬耳の人を見た気がするんだよなあ。

 耳がとがってる人もいたし。


「獣人とはみなこうなのかな?以前耳だけが獣の人の姿をみた記憶があるのだが」

「耳だけでございますか?獣人は多少の違いはございますが皆このようなものですが……これは推測ですが、おそらく貴族の方が愛玩用の人形にそのようなカスタムを施していたのではないかと」

 

 おおっ!人形にそんな素敵改造があったとは!

 シルクにも是非それをやらせてみたいぞ!


 いや、話がそれた。

 この子だ。目をきらきらさせて俺の前に立っている。

 いや、かわいいんだけどさ。

 その、かわいいは飼い犬に対する飼い主の感情と言うか……

 

 この手の獣さんが大好きな人もいるかもしれないが、俺はそういう趣味はないんだよな。


 まあ、鑑定だけしてみよう。

 他の人の平均より低ければゴメンなさいだ。

 せっかく立候補してくれたのにかわいそうだとは思うけど、俺の方も文字通り命がけなわけだしな。

 ここは鬼となるのだ俺は


 スキルをどう発動させるか分からなかったので鑑定と小声でつぶやく俺。

 

 脳裏にこの子のステータスが浮かんでくる。

 どうにもこの感覚になれないな。


 


 名前 エルナ

 職業 奴隷

 レベル 10


 ステータス

 HP 100/100 

 MP 64/64

 筋力 50

 体力 50

 器用 32

 知力 32

 敏捷 50

 精神 32 

 運勢 32


 装備

 右手

 左手

 頭

 胴体 粗末な服

 足  

 装飾 奴隷の首輪

 装飾


 スキル

<獣人>・・・レベルアップ時いくつかの能力にボーナス

 俊敏・・・回避に補正

 料理M・・・おいしい料理が出来たらいいですね

 好奇心・・・人一倍好奇心旺盛 猫じゃないので死なないです

 野生・・・森などでの戦闘時に若干の補正

 鋭い嗅覚・・・犬ですから




 おいおい強いぞこの子。

 レベルアップ時いくつかの能力にボーナスと言うのは、要するにステータスが追加で成長するんだろう。

 高レベルになればなるほど効果が大きくなるはずだ。

 この子の筋力と体力、俊敏は明らかに高いからこの3つが対象かな?


 ……もうこの子でいいな。

  正直<獣人>のスキルが素敵過ぎて多分人間では太刀打ちできないとおもう。

 この子は割りとほっそりとしているのにね。

 男たちの筋肉とかなんなんだ?

 意味ないじゃないの。


 これは探せば綺麗で強い女の子奴隷もいつかかなうのではなかろうか!


 一応他の男たちもこっそり鑑定で見てみるが、レベルはこの子を超えている者も多いが、同レベルに換算するとこの子が最高だ。

 レベルは後で上げられるからこの子だなやはり。


 一応なぜ名乗りを上げたのか聞いてみる。

 

 言ってもいいですか?という様に店員に目配せしたエルナは、店員がうなずくのを見て答えた。


「いままであんなこと言う人はいなかったので……面白そうだと思ったからです!」

「……」

「……」

「えっ、それだけ」

「はい」


 なぜかパタパタとゆれる尻尾。

 うーんさすが好奇心旺盛。


「うん、じゃあこの子をもらおう。いくらになりますか?」


 獣人ですので少々値は張りますが、と店員さんは前置きして「首輪込みのお値段で3100万ヘルになりますね」 

 高いか安いか分からない。

 首輪込みか。


「首輪の値段はいくらですか?」

「100万になりますね。当店自慢の一品でございますので」


 やっぱりそれなりにするな。

 

 首輪は付けるのはやめようか。

 シルクがいれば俺が迷宮で殺される可能性も少ないだろう。

 万一逃げてもまた買えばいいし。


 値段も少し値切れる気もするけど……獣とはいえ女の子。

 目の前で値切るのはやめておこう。

 男は見栄を張る生き物なのだ。

 

 少しでも恩にきてくれれば都合もいいしな

 と言い訳をしながら。


「じゃあその値段で買いましょう。ただ、奴隷に首輪を着けないということは出来ますか?」

「えっ、ええ可能でございます。ただ迷宮探索の奴隷ですと必需品かと思いますが」

「いや、いらない3000万ヘルで頼む」

「左様ですか。分かりましたそれでは首輪は無しということで。ただ、王国の法ですので奴隷には圭様の刻印だけは押さないといけませんが……額でかまいませんか?」


 かまうに決まってるだろ!

 獣みたいだけど一応女の子の額に刺青はねえ。

 とはいえ、切断とかできる場所もこの子が裏切ったりした場合に不安だ。


「いや、できれば……そうだな首の後ろ、うなじにしてもらおうか」


 そこなら抉り取るのも難しいだろう。


「エルナもそこでいいかな?どうしても嫌なら考慮するが」

「いえ。そこでかまいません。あ、あの、ありがとうございます。顔は嫌だったので……」


 おおっ好感度アップ。


 まあ、そうだよな。

 女の子だもんな……やや毛深いけど。


 恩を感じるなら裏切ったりしないでくださいね。

 逃げるのは最悪我慢するからと心の中でつぶやいて、


 じゃあ手続きを頼む。

 と、この世界に慣れてきた俺は1億のコインと冒険者カードを店員に渡したのだった。

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