第7話 太皇太后、登場!嫌な予感しかしないんだけど…
翌朝、目が覚めると皆が慌ただしそうに動いていた。
「おはよう、ばあや。今日って何かあったっけ?」
お母様にキリグと一緒に呼び出されることしか覚えてないんだけど。
「実は、ナギ太皇太后陛下もいらっしゃることになりまして……」
……へ?
「ばあや、私よく聞こえなかったのだけれど、ナギ太皇太后陛下がいらっしゃると言ったかしら?」
「聞き間違いではございません。今朝アナッサ様からご連絡をいただきました。」
現皇帝の祖母にして歴代皇帝(3人しか今までいないけど)全員が頭の上がらなかったと言う英雄(?)がなぜアニメ宣言で怒られる予定のところに来るの?!
「……理由は聞いてないの?」
「私が聞きたいところです」
「……やっぱり」
ただでさえ緊張してるのにそこに爆弾を突っ込まないで!
そりゃ、みんな大忙しで準備するよ。私たち皇帝一家が住む居城セレーネ城の建設、名付け親で前王朝と自身の夫である初代皇帝の双方が納得するように調整した天才とも言われて現在病気治療中と言われてるのにわざわざ来るなんておかしいよ…
「キリグは夫と来る予定です。アナッサ様と陛下、そしてナギ太皇太后もこちらで昼食をとりながらの話し合いになります」
「……ものすごく、その、豪華なメンバーね。トリスタン公爵も話し合いに参加するのでしょう?ばあやも…」
「そうですね。キリグも関係あることですから、私たちも参加することになると思います」
うう、怒られる未来がはっきり見えるよ~。あっ!でもばあやが「よくやりました」ってなんか褒めてくれたから怒られる可能性は少ない?どうなるかな?怒られたくはない。絶対イヤ。アニメ改革を諦めることは100%ありえない。でもホントになんでナギ太皇太后が来るのかが全くわかんないよ!
「そういえば、ナギ太皇太后様が二人きりでお話ししたいとおっしゃっていたそうです」
ばあやが爆弾を超えてミサイルを撃ってきたよ!?なんで?英雄と二人きりは緊張するって!病気なんじゃないの?曾祖母ではあるけど家族って感じしないんだけど?会ったことだって1度もないのに!
「姫様、私も緊張してるので、みんな同じだと思いますよ。……唯一緊張してなさそうなのは陛下だけです。いつもはあんなですが勉強は一応やっていらっしゃいましたから可愛がられてることが多かったようです。ブリシオ公爵閣下よりかは…」
なんか最後のところだけ変だったよね?ブリシオ叔父様ってそんなにやばかったんだ…
「クーラ?太皇太后様と陛下、トリスタン、キリグくんを連れてきたわよ」
「ア、アナッサ様?!皆様を連れてきてくださるとは…。申し訳ございません。準備はできておりますのでこちらにどうぞ」
みんなが揃った。初めて見るナギ太皇太后様は…うん。めちゃくちゃ若々しい。そりゃあの銀華丸を飲んでたらそうなあんだろうけど綺麗な人だった。て言うかアジア人っぽい見た目をしてる。黒髪に黒に近い茶色の瞳。彫りは深いわけではないけれど落ち着いた雰囲気を出している。ナギって名前も日本人にいるよね、今更だけど。もしかしてナギ太皇太后様って…
「初めまして、かぐや姫。私の名前はナギよ。よろしくね!あとでアニメ改革に関してしっかりとお話を聞かせてもらうわよ?」
なんか凄まれてない?ここは若干素直に応えるのが正解。
「ありがとうございます!建国における英雄とも言われるナギ太皇太后様にそこまで言ってもらえるとは嬉しいです」
実際、英雄が気にかけるとなれば注目度が大幅にアップする。つまり私のアニメが受け入れられやすくなるんだ!多分…
「挨拶も済んだみたいですし、そろそろ進めてもよろしいでしょうか、おばあ様?」
「ええ、いいわよ」
「まず、キリグとかぐや、二人ともアニメ改革宣言がどう言う意味合いを持つか理解してるか?」
え?何意味合いって?
「いえ、全く」
「僕もです」
「はぁ、やはりそうなのね。かぐや、キリグくん、先代の皇帝が後継者を選ばなかった場合、皇帝に立候補する皇族はどのような手順も踏まなければならなかったかしら?」
お母様に問われる。えーと手順…ってなんだっけ?
「皇帝となる場合まず最初に行うのは公の場での自身が行う政策のせんげ…。もうわかりました」
私が考えてる間にキリグが答えてくれた。
「つまり、国民には私が皇帝に立候補したように見えたってこと?」
絶対イヤなんだけど!そんな面倒くさそうな仕事。
「そう言うことよ。理解してくれてよかったわ。つまりあなたは女帝として持ち上げられる可能性が高いってこと。あなたの言う改革を成功させたいのであればなったほうがやりやすいとは思うわ。法にも女帝に関する文言は書かれていない」
改革をしやすいならいいと思うけど、女帝ね。
「アナッサ様、それはかぐやがすでに成人していることも考慮したら今の第一皇位継承者はかぐやです。宣言したとしてもそんなに問題があるようには思えないのですが…」
「キリグくん、と言ったかしら?皇位継承者と宣言を行なったものには大きな違いがあるの。第一皇位継承者が一番に宣言を行えば確実に、と言ってもまだ2代ではあるけれど、そのものが皇帝になるわ。しかもエミールは皇位継承権があるからと宣言を場を設けた上で行う予定だったんですって」
「ナギ太皇太后様、それって私が女帝になると宣言したことによってエミールはほぼ確実に皇帝にはなれないってことじゃ…」
そりゃ、私と無理矢理にでも婚約したがる気持ちもわかるよ!皇帝になろうと準備してた矢先に私が女帝になります!って宣言したものなんだから。
「そこまで確実じゃないわ。女帝に関してはまだまだ否定的な人も多いから。それとわざわざ太皇太后なんて言わなくていいわよ。名前で呼んでちょうだい。言いにくいでしょ」
言いにくいだけで変えちゃっていいの?
「ナギ様の言う通りまだ貴族の中は2つに分かれているの。」
お母様が呼んでるからいいらしい。お父様なんておばあさまって呼んでたし…
「アナッサ様、それに加えてそれぞれの派閥の中でも2つに分かれているみたいなので正確には4つかと…」
「そうなのか。初耳だ」
いや、皇帝は何しとんねん!お母様とばあやの方が詳しく知ってるよ!
「あらあら、娘から呆れた目で見られてるわよ。バシレウス」
茶目っ気たっぷりに孫をからかう様子のナギ様は失礼だけど全く英雄に見えない。
「あの、アナッサ様、母さん。どんなふうに別れているのか教えてもらうことは可能なのでしょうか?」
皆から呆れられる目で見られるお父様は、
「そうだ!うん、よくやった、キリグくん!助かった、ありがとう。それでどうなのだ?貴族はどのように分かれているのだ?」
その疑問に思いっきり乗っかった。
連載開始から1週間。ここまで読んでくださりありがとうございます!
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