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第16話 ソラティオ夫婦の違和感

「リュクシュール公爵?」

癖毛で小柄、狐目の男性が立っていた。この人がリュクシュール公爵らしい。


確かに似てない。色彩が全く。鮮やかな緑色の髪に金の瞳。一つ一つ要素を見ていけば似てるのに全体を見たら別物。…色彩って大事だね。


「これは、皇女姫殿下とクーラ公爵夫人ではございませんか。何故このような場所に?…それと少しお話し申し上げたいことがあるのですが…」


「ちょっと、エポック様?ウチの義妹を狙わないでくださいよ!」


「…何を狙うのですか?妻の前で女性を闇に誘うほど豪胆ではありませんよ。ましては義理の妹をね」


へ?キリグの叔母様のソラティオさんの旦那さんがリュクシュール公爵?つまり、トリスタン公爵が手に入れていた情報ってこの人経由だったのかな?


それにしてもソラティオさんは一体何を想像していたの?自分の夫が他の女性に鼻の下を伸ばしているところ?それとも、ばあやが襲われてるところ?ばあやを襲ったら逆に返り討ちに合いそうだけど…。大丈夫かな?



「申し訳ございませんが、姫様とのご同席は拒否させていただけますでしょうか?このような情勢ですから」


ばあやがソラティオさんを睨み付けながら言う。


「問題ありませんよ。ただ、トリスタン公爵または、そちらのご子息は必ず出席いただきたい」


「わかりました。そのように夫に伝えておきましょう。いつ頃がよろしいでしょうか?」

「では2日後の午後にそちらの応接室でよろしでお願いします。ソラティオ、あなたは同席させません。仕事に関係する大切なことなので」


少し疑問に思ったのだけど、この二人って本当に夫婦?


ソラティオさんは相変わらずキラキラの笑顔だけど、リュクシュール公爵と顔を合わせようとしない。それは公爵側も同じでソラティオさんの方に見向きもしない。流石に皇女の目の前でイチャイチャすることはないだろうけど・・・。


それでも違和感が大きい。晩餐会で見かけたりした夫婦はお互い目線を交差させて微笑みあったりとか、お揃いのコーデとかアクセサリーをしていた。コーデは無理でもアクセサリーなら簡単につけることができる。


実際、お父様の側近の武官とお母様の文官の中にはおそろの指輪をしている人がいた。


ソラティオさんにそそっとよって行って小さく聞いてみる。


「おぶたりは、なんでゲッコンじだんでずが?(お二人はなんで結婚したんですか?)」


「それはですね!私に言いよる数多な男性を切り伏せて、それに嫉妬した他の方により連れ去られた私を救い出してくださって・・・」



などと自慢された。でも多分最後の方は妄想だな。だって、10年くらい前に流行ってたらしいアニメの中にそういうシュチュエーションがあったから。


勇者が、聖女に恋をして、求婚したら成功したのに、同じように聖女に求婚していた魔王が断られたことでブチギレて聖女を奪ってしまう話。結局助け出されてハッピーエンド!!


話がそれちゃったけど、この二人にはそう言う甘い雰囲気を感じない。ブリシオもそうだったけど、政略結婚だったのかな?でもソラティオさんからはイチャイチャしたいっていうか、甘えたいってオーラが伝わってきてる。家ではラブラブ?


・・・・・・これ以上はやめておこう。彼氏も好きな人すらいいなかった私が苦しくなるよ!



「わかりました。では2日後の午後またお会いしましょう」


そう言ってさっさと去ろうとするばあや。むう、結局本が借りれなかった。


ああ、せっかく図書館に来たのに〜。どうせなら部屋にこもって幸せゴロゴロタイムを満喫すればよかったよ。移動時間合わせて約1時間を無駄にした。関わらない方がいいのはわかるけど…。


「本は私が後程借りてきましょう。陛下に図書館の貸切申請を行えば何人たりとも近づけることもできないようにできます」


部屋に帰るとそう言われた。ていうか貸切なんてできるの?スゴいね。流石皇帝としか言いようがないよ。


“とりあえず、アニメの法律関係の本を借りてきて欲しいの。自分でもみてみたいから貸切にもして欲しい”


「わかりました。ただ、喉が治ってからですよ」


うん、わかってた。まあ、いいよ。今日で3日目だし。明日には治ってると思うんだよね。


貸切にするのをしぶられることは絶対ないでしょ。だったら遅くとも明後日には見に行けるよね。ばあやはいなくてもキリグがいればなんとかなるし。


しかし、図書館貸切は思わぬ理由で潰されることとなったのだった。


次回:神の視点リュクシュール家の闇


ここしばらく閑話や別視点が多いですが…。

かぐやが知らぬところで色々と動き出している証拠です。アニメ関係然り、リュクシュール家に蔓延る闇然り。

ですので、笑って許していただければ・・・。

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