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第12話 キリグ視点~語りすぎて喉を失った皇女~

キリグ視点にはしましたが閑話ではありません。予告詐欺すみません

「まず最初に作る魔王を倒した後の勇者パーティーのアニメの主人公の見た目を教えてくれ」


そう言って僕はムーンスマートの録音機能をオンにする。かぐやは目を輝かせてしゃべりだす。


「わかったよ。えっとね、背は低めで150㎝くらい。瞳は青みがかった透明感のある瞳で髪は白髪に近い銀髪をツインテールにしてる。耳は長くてとがっていて赤いしずく型のイヤリングを付けてて肌は抜けるように白い。服装は白地に金の縁取りのケープに…」


以下中略


かれこれ1時間くらいしゃべっている。水も飲まず口が動き続けている。


「この子はね、おばあちゃん系統の言葉を3回言ってしまうと勇者ですら恐れ慄く『3日3晩泣き喚く』っていう必殺技(?)があるんだけどアニメではその再現度も高くて…」


「わかった。もういい。お前の話はオッキオさん、カベジェーラさん、アトゥエンドさん、クエルポさんに伝えておくから。皇女が1時間以上熱く語ったキャラクターだからって」


「よろしく!あとね、弟子もいて…」


結局、母さんが帰ってくるまで約3時間語り続けてた。


「あれ?キリグ大丈夫?死んだ魚の眼ってこういうことなのか…。へー」


……へーじゃない!


翌朝


「お、はよ……。のど、しんじゃった……」


かぐやの喉は死んでいた。


「当たり前だ。あれで無事だったら引いてたぞ。」


「キリグ、今日姫様に喋らせてはいけませんよ。姫様も、そこに紙とペンを置いているので筆談をしてくださいね」


「わがった…」


そうして母さんは去って行く。


「イラストのことだけど、皇女の勢いを説明したら快く受けてもらった。締め切りは1週間後でたびたび構図とか色合いの確認も送るそうだ」


「…りょうがい」


「違う絵師との合作はみんな初めてということでグループメールを作ったぞ。…皇女がいたら気軽に話せないからお前は外した」


すると「ぐぬぬ」と聞こえてきそうな形相で俺をにらむ。どうせ「仲間外れヒドイ!」とでも考えてるんだろ。陛下に報告されなければいいんだけど…。はぁ、面倒くさい。


「とりあえず、スタジオ・オマージュのルナコントは1週間後だ。できればアップできる要素を」たくさん作っておいた方がいいけど、何かあるか?」


「…!」


これは「うん!」だな。わかりやすすぎだろ。


「どんな内容だ?」


すると紙とペンを取ってきて書き出す。


〖皇女かぐやのアニメ改革に参加される方募集中!現在のアイコンの制作者は瞳がオッキオさん、髪がカベジェーラさん、服がアトゥエンドさん、そのほかの部分はクエルポさんの合作です!とか…〗


「なるほど、それはいいな。アイコンにするとすべて映らなくなるから、アイコンに使用したイラストをあげてもいいよな」


〖毎日投稿、大事〗


「それは常識だろ。俺でも知ってるよ」


ピコン‼通知音が鳴る。確認すると


「…構図がある程度決まったみたいだ!」


「…!!」


パアアとかぐやの顔が輝く。こう見るとかわいいんだよな。…黙っていたら。て、照れ隠しじゃないぞ!うん!


「皇女殿下の判断を仰ぐから見せてくれ、だそうだ」


「ご、ごれは……!」


「しゃべるな」


母さんに怒られるのは僕なんだぞ?


〖サイコー!タイトル回収のやつ!喋らせて‼語りたい!〗


「ダメに決まってるだろ」


「…」


「そんな顔してもダメだ。ていうか少し気持ち悪い」


やっぱ、かわいく感じたのは気のせいだな。うん。気のせい、気のせい。


〖キリグ、デリカシーない〗


「…知ってるよ。何か要望はあるか?」


〖杖はただ持つんじゃなくて、構えてほしい。赤い、丸いところをやや下向きの正面に向けるの。あと髪にもう少し動き。風が吹いてる感じ。それから飛んでる設定にして足元が浮いてる。最後に背景に月〗


「…多いな。写真撮るぞ」


パシャ!これを皆に送っておいて…。トントン。


「なんだ?」


〖私の喉についてなんで言っちゃってるの?!威厳がなくなるでしょうが!〗


かぐやは


『皇女姫殿下は先日喋りすぎてしまったため喉がつぶれています。何か確認しておいた方がいいことはありますでしょうか?』


というメールを指している。


「いや、威厳もクソもないと思うぞ。だって文字起こしが面倒すぎて録音をそのまま送ったからな」


チッ!


「お前、舌打ちしただろ!それが皇女のすることか?!」


〖舌打ちくらいしてもいいでしょ!それに皇女の威厳を誇示するのも身内の仕事でしょ?!〗


「…僕ってお前の身内だっけ?」


〖違うの?〗


「いや、初めて聞いたぞ」


〖あ、そう。一応身内枠のつもりだったんだけど〗


「それは…喜んだらいいのか?嘆くべきか?」


嘆きべきだな。コイツの尻拭いなんて面倒だ。


〖喜ぶべき。エミールみたいな血のつながりはあるヤツですら私の身内ではないんだから!うふふ、これぞ「狭き門」ってやつだよ〗


「エミールと比べられるのは全くうれしくない」


〖安心して!キリグはエミールより紳士て…?あれ、さっき気持ち悪いって言われた気が…。前言撤回で〗


「おい!」


〖それよりアニメを作り進めた方がいいんじゃない?〗


たまにはましなことを言うんだな。


「…そうだな。背景だけでも作っておくか!」


キリグから見たかぐやでした。〖〗=筆談です。

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