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05 会合


今回は、二回目のミーティングである。


前回と同じミーテイングルームで全員いた。

このメンバーは、最初に召喚されたメンバーである。

前回は、来なかったメンバーも来ていた。


流石に二度目の呼びだしは、断れなかったようだ。

強制召喚される場合もあるからだろう。


初期メンバーが全員残るのは、かなり稀で必ず欠員が出ることが多そうだ。

要は、戦闘中の事故で。


事故というのはオカシイ言い方だ。

代理戦争という名の殺し合いをしているのだから。




強引に集められ、不満げな彼らに

チームマネージャーのソプラ・バリトンが説明をした。


今回、発見した資源群は本来西側である我々の勢力に権利があるのだが、

それを公表したら北側勢力が待ったをかけたのだ。



共同エリアでの発見なのだからその権利は自分達にもあると。

その為に言った言わないの水掛論になり、

西側勢力としては、北側勢力の子供じみた言い分に付き合う気もなかった。


本来なら交渉官同士の話し合いで決着するはずだった。

だが、出来なかった。


西側の交渉官があまりにもポンコツだったからだ。

その為にしなくてもいい代理戦をすることになった。


今回の案件は、西側にとって重要な場所なので

最強クラス一角のチームである彼らを投入することにしたのだ。


で、更に問題が発生する。

北側勢力も西側が最強クラス一角を投入してくることを想定し、

代理戦の戦場を現在、北側勢力がテラフォーミングが、

終わったばかりの惑星で行うことを指定してきた。


北側勢力は重力下戦に長けたチームが多いからだ。

つまり、環境で勝負を仕掛けてきたのだ。


しかも惑星は北側勢力圏なのでいくらでも仕掛けがやりやすい場所にしてきた。


本来なら、こんな場所を戦場にするのは、不利な条件を受け入れる様なものだ。

だが、なんせポンコツ交渉官は、見事に北側交渉官に乗せられて

了承してしまった。


更にまずい事に代理戦協定委員会に承認され、代理戦の開始日まで決められた。

代理戦まで短いのは、承認を変更させないためと

準備期間を減らすためでもある。


見事に北側の交渉官に丸め込まれたのだ。



と、流れを大まかに説明した。




ノブテル・ミズマからすれば面倒な話である。

完全に乗せられて優位を奪われていると思ったからだ。


相手の得意な土俵で相手の都合のいい舞台なのだそうも思いたくなる。

いくら自分たちが西側勢力最強クラス一角だとしても

ここまで不利な条件だと笑えて来るのだ。


『この状況で戦うなんて無理難題だよな』とノブテル・ミズマは思った。


彼の横にいたノムイッカ・ラシタが顔を彼の耳元によせて


「これ、かなり不利な事になってないか」

と、ささやく。


「そうだな、完全に向こうペースだ。

うまく乗せられているの確かだ」


「このポンコツ交渉役は誰なんやろな?」


「考えたくないな。

というか知りたくないね、ぶん殴りたくなる」

と、ひそひそ話をしていると



ソプラ・バリトンが一通りの説明を終えて

「では、今回の交渉役と通信が繋がっています」

と、いって先ほどまで説明に使っていたモニターを切り替えた。


そこには自信満々でふんぞり返るスーツ姿の若い男性がうつっていた。

「私は交渉官 エート・コゴジャンだ。

キミらの実力があれば今回の代理戦も簡単だろう」

と、自分が手玉に取られたことさえ理解できていないほど、

ふんぞり返っていた。



あまりにも短絡的な言葉に

「エート交渉官、今回の交渉はアナタが行ったと聞いておりますが…

正しいですか?」ソプラ・バリトンがたずねると



「そうだ、私が全権を持っている。

コゴジャン家のエリートである私が交渉したのだ。

その上でキミたちを指名した。君たちにしてみれば簡単な事だろう。

向こうも紳士的に対応してくれたからね、勝利は確実だ。

ありがたく思いたまえ」

と見下すように…事実見下して話してくる。


その言い分にその場にいた者たちは、

『どういう考え方しているんだよ』

と、一致した考えに至る。


普通に考えれば、不利でしかない。

なのにその状況を作り出した本人は、簡単だという。

要は、何も見えていないことが分かる。



その言葉にソプラ・バリトンは一つ咳ばらいをして

「そうですか、では改めてお聞きします。

何故ここまで北側勢力に有利な条件で今回の代理戦を受けたのです?

普通の一般交渉官でもここまで不利な条件では受けません。

あまりにも不利な条件なので北側勢力のスパイを疑ってしまいました」

と率直な感想を述べた。


その言葉に一瞬たじろぐエート・コゴジャン。

不敬ともとらえられそうな言い分なのだが、

これは実は上司たちからも言われたことだ。


それを現場の下士官に言われるとは思ってもみなかったのだ。

図星を突かれたエート・コゴジャンは慌てながらも


「い、良いかね。これは非常に高度な政治的問題なのだよ。

現場士官ではわからないような話なのだ。

キミたちは今回の代理戦で勝利をもたらせばいい、それだけだ。

通信は以上だ。では頼むよ」

と、逃げるように通信を切った。



その事に大きなため息を付くソプラ・バリトン。

彼女は理解していた。

これは、完全な交渉失敗の尻ぬぐいだ。


それもどでかい。


エート・コゴジャンと言えば、交渉の失敗を重ねていることで有名だ。

見方に不利な条件を相手に乗せられて、失った資源や情報は数知れず。

それでも家の威光で今も居座り続けている。


その問題児が今回の重要案件を交渉したのだ。

相手からすればバカを乗せればいいだけなのだからいいカモなのだろう。


それに巻き込まれる者たちは迷惑でしかない。

事実、彼のせいでチームの幾つかは全滅か半壊に追い込まれたそうだ。



身内の敵が今回の交渉役なのだ。

これでは追い詰められ損になってしまう。



そう感じたのは、ここにいる人間たちだろう。



「アレは、どうにかならんのかいな?」

流石のノムイッカ・ラシタですら渋い顔をした。

状況が状況だからだ。



「どうにもなりません。

既に話は決まってしまっています。

代理戦まで時間が極端に短いのは、

承認された今回の件に再交渉する時間と再申請する時間を

与えないためだと思われます」

ソプラ・バリトンも悔しそうに答えた。


誰が今回の不当交渉をしたのかを知らされていなかったのだ。

苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。



「悪いな。だが、いい知らせもある」

そこに口を挟んだのはテノール・フォム・バースピリ

組織の責任者であるつかみどころのないイケオジである。




「局長、有るんですかいい知らせって?」



「ああ、ただし条件もある。

今回の代理戦を勝つこと、だそうだ」



「訳が分かりません、代理戦を勝てばあのバカ交渉官の手柄になるのに?」

尻すぼみの言い分を吐く。


負ければ、チームの誰かが死ぬことにもなりかねないからだ。

それを考えると、勝っても負けても自分たちに利が無い。



「さすがに上層部も今回の交渉に問題があると考えている。

あのバカ交渉官は今回の件で左遷どころか解任も脱がれない。

と、言うか上層部は、彼の身勝手なふるまいに対して

反逆罪とお家断絶までも視野に入れている。

あの資源群は、それほどまでに重要な案件だ。

手柄欲しさに横から勝手にしゃしゃり出て、

勝手に相手に乗せられて交渉してことが大きい。

しかも交渉の確約まで済ましている。代理戦協定委員の了承まで得ている。

これは、問題だからね」



「なら、再度交渉を…

そして再度、代理戦協定委員に再申請をすれば…」



「それはさっきも説明したが、もうできない。

日数が足りないからね、完全に北側勢力にしてやられたんだよ。

北側勢力が再申請をさせないために今回の様な急な代理戦の仕掛けたんだ。

各陣営の正式な了承を得た形にまでされた。

もうどうにもならん。

だが、今回勝てればあのバカに責任追及は出来るし、

コゴジャン家も潰せる。おまけに北側勢力の鼻もあかせる。

だから何としても君たちに勝ってほしいのだ」

と、普段は見せない神妙な顔で言うと



「勝てば、あのバカがどうなったかも聞かせえもらえるのかな?」

ノブテル・ミズマが静かに言うと



「もちろんだ。

それも君たちが満足いく形で報告しよう」

テノール・フォム・バースピリは、にやけながら言うと



「それなら決まりだね、要は勝てばいいわけだ。

こっちとしても暴れて憂さ晴らし出来て、あのバカが損するところも聞ける。

それで十分だろうよ。

一応こちらにはノブテルの勝つ為の各機体の改修案データと戦術がある。

それに臨機応変に対応できる仲間がいる。

問題はないだろ」

ノムイッカ・ラシタが軽く言う。

普段からチームのムードメーカーでもある彼の言葉に

誰しもが納得はできなくても理解はしたのだ。


だが、、

「それだけでは不十分だ」

ノブテル・ミズマが水を差す。

他のメンバーもそれで納得しようとしていた矢先の一言だ。


困り果てた顔でテノール・フォム・バースピリは、

「では、どうすればいいのかね?」

たずねた。


二ッと口元を緩めて

「臨時収入も欲しいね。

今回の勝つことはそのくらいご褒美があっても問題ないくらいの

儲けはあるんだろ?」

言うと、その言葉にみんなが目が点になった。



『なるほど。

これは次、無茶な代理戦をぶち込んでこないようにするための布石か。

たしかに有効ではあるか…

面倒事はウチに振ればいいなんて考えるバカども達には…』と、

すぐに考える辺り、テノール・フォム・バースピリも

かなりの食わせ者である。



テノール・フォム・バースピリいつも昼行燈に戻ると

「いいだろう。それで手打ちにしてくれるのならかなりの額をふんだくってくるよ。他もそれでいいかな?」

と、いうとそれ以上の発言はなかった。


これで、ミーティングは終了となった。






絶賛妄想街道爆走中の妄想族(古い古すぎる)のオッサンです。


誤字脱字、感想など、どんとこいです。


まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、

ってのが本音ですけどね


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