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一発ぶん殴らせろ!  作者: 団栗山 玄狐
4 狂信の宇宙
54/55

53 [神の名の元に]

人は知識や経験により、広い地図から抜け道や見えない道を探し出せるが、

AIは、表示された地図情報を元に最適な道を選びだす。


見つけ出す人と選び出すAI。

人が突発的に起こす行動にAIは対処ができない。


AIは、あくまでも情報をピッキングしているに過ぎない。

情報が無ければ、ピッキングも出来ないのだ。


その為、対人戦に向かない。ルールという枠組みが無ければ。


相手の小型移動砲台もその枠組みからは逃れることはできない。

南側最新機:ネオリアは、人の不足をAIが補い、AIの不足を人が補うものとして

作られた。

だからこそ、人機体の一部として、部品として埋め込んでいるのだ。






それが例え人道に外れても。






彼らは、免罪符を手に入れたのだ。





[神の名の元に]と言う、すべての責任を神の責任にして。






南側司祭長は、慌てていた。

勝てる戦いだったのだ、この惑星を実行支配してしまえば済む話と思っていたのだ。

彼には、力がある。


南側最新機:ネオリアは、すべてを変える機体だ。

実際に西側の艦隊を相手に負けていない。


このまま、押し切れれば実行支配も出来る。

そうすれば、ここに拠点を構えることが出来る。


彼はそう考えた。

変革を手に入れる為に手に入れた力を持って。



その思惑がまた外れ始める。



「なぜこうも押し負けている!」

南側司祭長の怒号が空母の艦橋に響く。


「ネオリアは最新機ですが、やはりAIによる自動攻撃にも限度があります。

情報に無い攻撃をされると反応が遅れます。

やはり、経験値が足りないところを突かれると弱いのです」

研究員が答える。


「何をいまさら、ここで何とかできなければ我々に先は無いのだぞ。

分かっているのか!!」


「理解はできます。

ですが、やはり実戦投入は早すぎるのです。

後、一年ほど時間があれば、必要な情報が手に入ったハズなのです」



「その時間がなかったのだから仕方がないだろう。

私とて、紛争が起きるとは思いもしなかったのだ。

邪教の信仰が思いのほか強すぎたのだ」

どちらも、自分たちの非力を責任と言う形で押し付け合っていた。


「騎士団と僧兵が、フォローに入り何とか持ち直しております。

今しばらく耐えていただければ、持ち直して見せます。

後しばらくすればタイプ2も準備が完了します」

研究員が自信をもって答える。



「…大丈夫なのか、そのタイプ2は?」

南側司祭長は、焦りながらも平静を持とうと努めていた。



「タイプ2は機械化と遺伝子工学の傑作です。

問題ありません」



「真の使徒という事か…

ならば急げ!そして、我らが神の力を示せ!」


「はっ!」


彼らは、今戦場となる宇宙を見据えていた。

そこに光る輝きが、自分たちの未来を切り開く事を信じて…


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