48 思惑
「何故だ、最新機でなぜ負ける?」
豪奢な服の男性は、悲鳴のような声を上げる。
「司祭長どの、いくら喚いても結果は覆りません」
側近が言うと
「勝てるはずだったのであろう。一機で五機分の火力を誇るのであろう。
ならば勝って当たり前のハズだ。それがなぜ負けている!」
豪奢な服の男性…司祭長は引かない。
納得できないからだ。
例え、納得できる答えであっても彼は、納得しないだろう。
彼が、欲しい答えは勝利だけなのだから。
「相手が悪かったのです。
いくら火力が強力でも、数の上で勝っていても、
それを上回る力の差が出ました」
側近は、窘めるように言う。
「貴様は理解出来ているのか?今回代理戦で奪われた惑星には、
生体端末の研究施設があるのだぞ。
もしあれを西側の奴らに奪われでもしたら、どうなるか!」
「ですから、あの惑星に研究施設を作られるのは反対したのです。
それを司祭長どのが押し切られたから」
「やかましい、南側勢力圏であの研究をすれば、
非人道的だと研究の意味も分からん連中が喚くからではないか。
そうだ、代理戦の結果など無視してしまえばよい」
司祭長は開き直りの様な意見を口走る。
「それでは、対外的にまずいです。北側と同列に見られる可能性があります。
そうなると枢機卿やさらには教団に問題があると追及されかねません」
側近の言い分に司祭長は口どもる。
騒いでも結果は変わらない。
それどころか、問題が無駄に大きくなる。
これは避けたいのだ。
「し、仕方あるまい。研究所に行き資料の回収だ、そして研究所の廃棄も行う。
これから向かうぞ」
「了解しました」
いや~上手くいかないですね。
自分でもここまで嫌悪していることが分かるとは。
物語を書いていると自分の中を見ているみたいで困りものです。




