47 こじ開ける
高速で突撃をする人型機:アメノミカゲは、目標を的確にとらえていた。
だが、突然側面で爆発が起こり、軌道が変わる。
「何が起こった」
突然のことにノブテル・ミズマは慌てる。
「小型砲台の攻撃だと思われます。
至近距離で砲撃と小型砲台自体の爆発もあり、軌道の維持ができません」
AIが状況を報告してくる。
「やってくれる」
ノブテル・ミズマは小さくごちながらも
人型機:アメノミカゲの軌道を立て直し、改めて目標を捉えるが
砲撃が多く、上手く立ち回れない。
目標に向けて加速し直そうとしたタイミングで
側面で爆発が起こり、軌道をずらされ、更に立て続けてそれぞれ違う側面の位置で
爆発する。
機体の速度は落ち、勢いはそがれる。
「ここまでするかよ」
ノブテル・ミズマは悪態をつくが、
「サー。砲台の数が減っていません。
何か不正が行われていると思われますが、把握不可です」
AIが、伝えてくる情報に疑問が浮かぶ。
「そんなことはどうでもいい!再加速は可能か?」
「サー。不可能です、そして回避も出来ません。
先ほどまでの回避は速度ありきなので、これよりは被弾ありきの対処です」
「そんなことは、分かってる!シールドは何発もつ?」
「サー。シールドは6発、チャージに5分。
ナシなら10発は耐えることが可能、装甲冷却に10分必要」
「あいつらを捕まえること出来るか?」
「サー。現状では不可能です」
その回答にノブテル・ミズマは苦虫を噛み潰す。
「そうか、ならやり方を変える。目標にアンカー射出、着弾後全力で逃げる」
「okサー。アンカー撃ちます」
と言うと機体の肩に仕込まれていたアンカーを撃ち出す。
そのタイミングで機銃掃射をする。
相手にアンカーを当てる為、逃げ場を奪う。
予定通り、相手は機銃掃射を避けるように動き、アンカーが当たる。
「サー。アンカーの着弾を確認」
「よっしゃ」
とノブテル・ミズマは言うとブースターを最大出力でふかす。
その瞬間、勢いよくその場から離脱する。
そしてワイヤー付きのアンカーを撃ち込んだ南側の機体を引きずる様に引っ張る。
突然、引っ張られた南側代理戦機は、動きを止める。
「グッジョブだ!相棒」
もう一機がフォローに入ろうとしたタイミングでノムイッカ・ラシタが邪魔をする。
彼にとってもチャンスだった。
射線が多い相手がばらける。
これだけでも優位に立てる。
彼の変態機動ならば…
そのまま攻撃に移る。
味方機が突然引っ張られ、残った南側代理戦機は、わずかに止まった。
その瞬間にノムイッカ・ラシタが光学兵器の引き金を引く。
ビームは南側代理戦機に当たるが、シールドが邪魔をして致命傷にはならない。
衝撃により息を吹き替えす南側代理戦機は、すぐさま回避運動をして
すぐさま動かせる自動砲台:クリオネ三基でけん制攻撃を仕掛ける。
だがそれも避けられ、相手の勢いを殺せない。
南側代理戦機は、逃げるが間に合わず、
後方を取られノムイッカ・ラシタ専用機:ワクムスピからの砲撃により
エンジンから前方に貫かれる。
機体は動きを止め、火花をまき散らしながら爆発四散した。
ノブテル・ミズマは上手く相手を引きずり出せたことにご満悦だ。
相手も藻掻こうとするが、引っ張られる力が強すぎてどうにもならない。
ある程度の距離を稼いだことを確認すると、
ノブテル・ミズマは機体の動きを止め後ろにいる相手を向き、突撃する。
相手はワイヤーが緩んだことで逃げようと試みるが、
ノブテル・ミズマがそれを許さない。
ワイヤーを巻き取り、間合いを詰める。
南側代理戦機は、近づくアメノミカゲに向けて
自動砲台:クリオネ五基からの砲撃を加える。
アメノミカゲはよける事もせず、全弾当たり、爆発する。
爆発の煙が上がる中で、ワイヤーが緩まないことに気づくが遅かった。
煙から飛び出るアメノミカゲが更に間合いを詰め、右腕を振りかぶっていた。
南側代理戦機は、避けようとするがワイヤーでつながっているためよけれない。
それでもわずかな抵抗をしてよけようとするが、
ハンマーは、機体の背面から先端に突き刺さる。
先端から待機中の自動砲台:クリオネが散らばり、衝撃で爆発四散する。
爆発の衝撃が南側代理戦機の生体端末の思考を止める。
機体の状況確認と周囲の確認を行う。
冷静に対処するが、それがまずかった。
自動砲台:クリオネの移動と照準をしたときには、先ほどの砲撃から3分経っていた。
「サー、チャージ完了。シールドを再展開します」
AIが淡々と作業をこなす。
再展開されたシールドが自動砲台:クリオネ五基から砲撃を受け止める。
再度の爆発、南側代理戦機の生体端末は、敵の排除に成功したと考えた。
生体端末とは、薬と洗脳により調整された信者である。
冷淡に思考できるが、それでも人なのだ。
完全とはいかない。
油断も出る、それが悪い方に出た。
自動砲台:クリオネ五基の攻撃が全弾当たる。
それにより相手が撃墜できたと思ってしまったのだ。
爆発の煙の中から飛び出るハンマーが南側代理戦機の側面に突き刺さる。
至近距離から攻撃で避ける事も出来ず、
南側代理戦機は、二つに叩き割られる。
火花が散り、炎が上がり、南側代理戦機は爆発四散する。




