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一発ぶん殴らせろ!  作者: 団栗山 玄狐
4 狂信の宇宙
46/53

45 開始

戦艦内にアナウンスが流れる。


「代理戦開始まであと10分です。

各担当パイロットは、出撃願います」


戦艦のカタパルトが開く。


機体を吊り下げるようなレールが上にあり、撃ち出す仕組みだ。


そこに異形の人型機が横にされてぶら下げられていた。


「ストロークカタパルトにセット終了しました。

発進タイミング委譲します」

モニターに映るオペレーターがそういうと


「了解、発進タイミング受け取りを確認。

チーム・イサナガ所属アメノミカゲ出ます」


と言うとレールを走り、戦艦から人型機…機体名:アメノミカゲが放り出される。


その勢いのままスピードに乗り指定ポイントに向かう。


「サー。新システムは作戦開始時に起動しますか?」

AIが、抑揚のない棒読みで聞いてくる。


「いや、まだ使わない。

向こうは新型だ。

情報が欲しいのと、新システムがどこまで使えるかわからんからな。

使用タイミングは考えるからしばらくは保留でいい」


「okサー」

アメノミカゲが、先に出撃した二機に合流する。


「ほな、始めようか。

打ち合わせ通りにな」

ノムイッカ・ラシタから軽い口調で通信が入る。


「わ、わかったわ」

「了解」


ジャスタ・ホワイトからの返事に緊張が見え隠れする。

ノブテル・ミズマは気負いが感じられない。


だが、ノムイッカ・ラシタは知っている。


こういう時の彼は、周囲の事を気にしすぎて

自分の事をおろそかにしがちであることを。


戦術は、ノブテル・ミズマとノムイッカ・ラシタが前衛、

ジャスタ・ホワイトが後衛である。


代理戦開始とともに突撃を開始する二機。

相手の位置情報は、ジャスタ・ホワイトから通信で入ってくる。


相手は三機編隊で高速移動をしていた。


その正面からノブテル・ミズマが、側面からノムイッカ・ラシタが攻撃を仕掛ける。


相手側の新型機:ネオリアの情報では

人型の上半身に戦闘機の下半身を持った機体。

上半身は正面と背面に両手を合わせた様な形状アームに光学兵器を装備している。


そして、何より厄介なのが、AI搭載型無線式小型自動砲台:クリオネである。


高速で移動しながら、攻撃してくるのだ。

機体本体からの命令と小型自動砲台:クリオネ自体で状況判断して

攻撃、本体への帰還を判断できる。


一機につき小型自動砲台:クリオネを十基搭載しているが、

パイロットの負担が大きいため

一度に扱える小型自動砲台:クリオネは、五基が限度である。


その為、三機編隊がアメノミカゲを捕捉したタイミングで

小型自動砲台:クリオネそれぞれ五基づつが展開される。


展開された小型自動砲台:クリオネがアメノミカゲの周囲を囲むように動き、

砲撃を開始する。


撃ち出されるビームを右へ左へと動いてよける。

当たらない、ノムイッカ・ラシタ並みの変態機動をして攻撃をよける。

急停止や急加速、旋回などを組み合わせ、乗り物酔いしそうな制動を見せる。


『あいつ、突撃だけ取り柄じゃないの?

何、アノ機動。化け物じゃないの』

ジャスタ・ホワイトは驚きを隠せない。


普段なら、攻撃を受けようが気にせず突っ込んでいく人型機が、

常軌を逸した動きで相手の攻撃を全てよける。


しかも欠陥機と呼ばれる人型機で戦闘機と、いやそれ以上の機動で動いている。

人型機はボクサーのガードの様な構えで飛行続ける。


「サー。このままは相手との激突可能性が70%です」

AIからの警告がなされる。


「可能性じゃなくてぶつけるんだ。

相手の数を減らす、そうしないとこっちが追い詰められる」


「okサー。目標を検索します。

三番機が、動きに揺らぎあり反応が遅いので合わせやすいと判断します」

AIは即座に情報を検索し最適解を提示してくる。


「わかった。そいつを狙う。

無人砲台の数を減らさないとこっちがまずいことになる。

最悪かすってもいい。

後はノイ(ノムイッカ・ラシタの愛称)の奴が何とかしてくれる」

ノブテル・ミズマがぎらつきながら、相手を見据える。


「okサー」

AIからの静かな返答が来る。


アメノミカゲが更に速度上げる。

速すぎる動きの小型自動砲台:クリオネが追い付けない。

小型自動砲台ゆえに追い付くための速度が圧倒的に足りないのだ。

撃ち出されるビームも単調になり、簡単に避けられる。


相手も更に速度上げて突っ込んでくる機体に慌てて

更に残りの小型自動砲台:クリオネを吐き出し攻撃する。

その攻撃を粒子シールドで弾き、なおもアメノミカゲは速度を上げる。


はたから見れば異常で自殺行為にも見える。

アメノミカゲの破壊力を知らなければ…


接近してくる相手をよける為回避行動に出るが、遅かった。

最初の二機はよけたが、


アメノミカゲのコックピットに座るノブテル・ミズマは、逃がす気はなかった。



「当て逃げアタックだ!!」

更に速度を上げながら叫ぶ。



ひどいネーミングである。



最後の機体は、よけきれず側面を削られる。

機体バランスを崩し、動きが悪くなる。



何とか立て直そうとするが、

そこに側面からノムイッカ・ラシタの機体が攻撃を仕掛ける。


「悪いね、逃がすわけにはいかんのよ」

そう言いながら照準を合わせ、攻撃する。


狙われた南側の機体は、

避けようにも機体ダメージが大きく、なすすべもなく攻撃を受けてしまい

撃墜される。


残りの南側代理戦機:ネオリアは、二機とも反転しアメノミカゲの追撃に入る。


その瞬間、後方からミサイル攻撃を受けるが、小型自動砲台:クリオネで撃墜する。



そして、すぐに小型自動砲台:クリオネを回収し、追撃を続ける。



ノムイッカ・ラシタも相手の位置を確認すると、

反転し先ほどと同じように側面から攻撃を仕掛けるが、

南側代理戦機:ネオリアからの砲撃で思うように近づけない。


南側代理戦機:ネオリアは、小型自動砲台:クリオネで相手を捕捉できても

攻撃が当たらない。



異常な速さで突撃してくるアメノミカゲ、

曲芸機動で攻撃をかわすノムイッカ・ラシタ専用小型機動戦闘機ワクムスピ。


小型自動砲台:クリオネの多方向攻撃が通用しない。

捉えることができないのだ。


逃げ場を奪うよな砲撃をしても、スルスルと躱される。

動きに規則性も無く、先読みができないのでAIの判断も遅れる。



一般兵ならすでに撃墜も出来ているはずなのにできない。

しかも異常な行動ばかりする為、今までの蓄積してきたデータが

まるで役に立たない。


それでも予測できる相手の逃げ場所に向けて砲撃するが、やはり当たらない。

小型自動砲台:クリオネも連続で撃てるのは10発が限度。


その後は本体に戻り、チャージし直さないといけない。

だからこそ、最大使用が5基なのだ。


交互に5基づつ展開するのだ。


相手にバレないように攻撃をしている。

それは、戦闘している当人にはわかりにくいが、

遠目で見ている相手にはまるわかりだ。




ジャスタ・ホワイト専用小型機動戦闘機:シナツが、離れたところから

データ収集を行っていた。


チャンスを見て後方支援はしている。

彼女自身、相手のあの攻撃に対処できる自信も実力も無いため、

戦闘に参加していない。

チームであの攻撃を嬉々としてよけることが出来るのはあの二人だけだ。



あの突撃バカと回避バカ。



彼女は、いつもバカにしているが、今回に至っては頼もしい限りだ。


何処かの有名アニメ定番の多方向攻撃なんて、

現実でやられて対処できるわけがない。


「【PAK】どこまでデータ収集出来てる?」

彼女は、機体AIサポートシステム【PAK】に話しかけた。



「現在」データ収集率は70%。

前方での戦闘データのおかげでサンプルが多めに手に入っていると判断できます」

抑揚のない棒読みでAIが回答する。



不満はあるが、実力は持っている二人の戦闘を彼女は、俯瞰して見ていた。


話のネタは浮かびますが、やはりまとめるのが難しいですね。

浮かぶネタは、一部だけで状況や内容の肉付けに困ります。


忘れないように設定集という名のメモを取っていますが、

それも忘れ気味です。


歳でしょうかね、ホント嫌になります。


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