30 不意打ち
二機は攻撃をよけまくる。
そして、不審に思う。
攻撃というかミサイルと砲撃だけで実働部隊が来ない。
これだけミサイルと砲撃をよけているのだから
当たらないことくらいは分かっているはずだ。
なら、実機での攻撃に切り替えるはずだ。
それもさっき撃退されたのだから、数も増えてくるのが普通だろうと。
更にミサイルと砲撃も増やしたり、
攻撃パターンや部隊の配置、緩急などを変えて攻撃してくるはずだと。
でも、それがない。
ミサイルと砲撃のわずかな修正はあるものの、敵陣営に目立った動きがない。
それがオカシイと思うのだ。あからさまに無いのは異常と感じていた。
ノブテル・ミズマは、その事に気づき、不意打ちされそうな場所を探し、
いくつか候補を見つけ、その情報をノムイッカ・ラシタに送る。
ノムイッカ・ラシタは、受け取った情報を元に
レーダーからセンサーまで使用して、AIに不審な箇所が無いか
確認させていた。
そして、わずかな光の揺らぎと、熱量がある場所を見つけた。
「なあ、ノブ(ノブテル・ミズマの愛称)。
このポイントに何かいそうだぞ」
と言ってデータを送る。
それを確認して
「よく見つけたな。
熱量も抑えているし、迷彩もかけてるだろう」
ノブテル・ミズマは感心するように言うと
「まあ、AIに頼って探させたんだけどな」
「それでもだ。
オレは索敵が苦手だからな、待ち伏せか。
せめて、わからないようにけん制できないものかね」
「ここまであからさまだと分かりやすいわな」
ミサイルと砲撃だけで実機の投入がない。
その上、部隊の配置変更も無い。
「なめてるのか、慌ててるのか、か」
ノブテル・ミズマは、向こうの状況を冷静に感じながらう言うと
「どっちもだろ。
まあ、これだけの数で圧倒するつもりならこうなるわな」
先ほど実機を投入してきたのに今度は投入せずに攻撃している。
何かある、何かしてくると思うのが普通だと思える。
その何かをノムイッカ・ラシタが見つけたのだ。
分かりにくいが待ち伏せである。
二人が進む先の側面からの不意打ちできる位置だ。
だが、せめて実機でけけん制でもすれば、分かりにくいのに
相手の油断を誘っているのかもしれないがお粗末である。
二人は、そのポイントに向かうことにした。
向こうは、自分たちの居場所がばれていないつもりのようだ。
それを逆手に取るのだ。
今のまま進行して
ある程度近づいたら方向を変えて隠れている連中に向かう。
バレてないつもりの相手は驚くだろう。
何で向かってくるんだと。
それだけでも十分だと思っているのだ。
彼らは…
北側は、困っていた。
不意打ちする予定の相手が自分たちに向かってくる。
相手が遠距離攻撃をかわすために
今隠れている大きな岩石の裏に逃げ込もうとしているのか、
それともこちらの位置を理解ているのか判断がつかない。
光学迷彩により、外側からは隠れている部隊の位置は分からない。
その上、エンジンを十%に抑え、温度の上昇も抑えている。
どちらにしろ、好機ではある。
小型機の射程内に入れば、相手の不意を突ける。
逃げれないように囲むことも可能になる。
いつでも動けるように待ち構えていたのだ。
そのタイミングまで息をひそめて…。
そこに、二機からミサイルが、三つ撃ち出される。
それにより、北側はばれた事を確信して反撃に出たのだ。
元々、そのつもりだったので行動は早かった。
彼らは確信した。
これで勝てる、と。
北側の小型機は、戦艦から出撃し、
近寄るミサイルは戦艦の機銃掃射で撃ち落とす。
さらに支援艦からのミサイル攻撃を開始。
もう一つの別位置にいた部隊の戦艦からも小型機を出る。
二機に逃げ場はなくなった…
ように見えた。
ミサイル撃墜後、変な光る粒子が散らばる。
北側はそれをただの火花と断定し、気にしてもいなかった。
小型機はその粒子を気にせず通りすぎる。
そして、その後に続くように戦艦と支援艦が一隻ずつ続く。
別ポイントの小型機に向けて西側の小型戦闘機からミサイルが二発撃たれる。
それを北側小型機が、撃墜して同じく光る粒子がまき散らされる。
それにかまわず北側小型機は突撃する。
そのあと追うように戦艦が一隻追随する。
それを確認した西側の小型戦闘機と人型機のパイロットは、口角を上げる。
人型機はさらに勢いを増し、戦艦に飛び込む。
まるで弾丸のように戦艦の船首に激突する。
その後に続く小型戦闘機は、積んでいたミサイルコンテナを解放して、
辺り一面にミサイルをまき散らす。
北側支援艦からのミサイルなど気にしない。
簡単によけれるのだから。
撒き散らされたミサイルは、北側小型機にあたり、爆発四散する。
その様子に北側パイロットや軍人たちは、驚く。
何故、シールドが機能しないと。
そんな中でも、北側小型機は次々と撃墜されていく。
しかも西側小型戦闘機には、攻撃が当たりもしない。
逃げ回る西側小型戦闘機に意識が向かい、シールドの事に意識が回らない。
その隙を西側小型戦闘機に突かれ被害が増える一方である。
その頃、戦艦に突き刺さった人型機は、戦艦船首を両腕のハンマーでたたきながら、
掘り進む。
剛音が響く度に戦艦内部に入り込む。戦艦側は大騒ぎである。
抵抗したくても相手は自分たちの腹の中。
攻撃しようがないのだ。
被害状況の報告だけで艦橋はパンク寸前である。
歩兵が、バズーカで人型機の迎撃に走るが、ビクともしない。
人型機は格納庫まで掘り進めると。そこにはレールガンの砲撃が出迎えてくれた。
戦艦側は戦艦自体を諦め、迎撃に出たのだ。
その間に、戦艦を放棄して支援艦に逃げ込み、人型機ごと爆破することに決めた。
それまでの足止めとしてレールガンの砲撃をしている。
レールガンは三機置かれており、順番に人型機を砲撃する。
砲身冷却のためである。
それでも人型機の足止めには十分だと思ったのだ。
その足止めは、成功し戦艦は爆破される。
更に支援艦から追い打ちでミサイルを叩き込み、完膚なきまで破壊した。
後は、無駄に飛び回る小型戦闘機だけだ。
彼らは、そう安堵した。
正面から撃ち出されるレールガンからの砲撃を腕のハンマーで受け止める人型機。
そのおかげで腕に着けた装備が吹き飛ばされる。
「くそが!!やってくれる」
ノブテル・ミズマは悪態をつく。
レールガンの砲撃を受ける度に腕に着けていた兵装が壊れていく。
AIが被害状況を報告してくることにもいらだっていた。
『まだ使ってないのにもったいないじゃないか』
考え方がズレていた。
壊れた兵装をパージして、粒子シールドを展開した。
単に押されたからではない。
面倒になったからである。
そしてAIからの警告が来たからだ。
戦艦のエンジンが、異常加熱していると、暴走状態に入っていると。
彼は理解した。
『戦艦ごと吹き飛ばす気だと』
なので、粒子シールドを全開にしたのだ。
その後、戦艦のエンジンは爆発四散する。
「くそが!!豪勢な棺桶準備しやがって!!」
「サー、粒子シールドの損耗率30%で固定しました。
爆発による機体ダメージは軽微です」
「ならしばらく展開を続行だ。
後、支援艦の位置を教えろ!!」
「okサー、支援艦は八時方向です。さらに追撃が来ます。
ミサイル多数回避不能です」
「なら、このまま攻撃を受ける。途切れたら支援艦にぶつかりに行く。
出力調整をしろ」
「okサー、ブースター出力調整に入ります」
AIは、命令を復唱し、行動にうつる。
『さて、このくらい棺桶じゃ足りないぜ。まだやり返してないんでな』
ノブテル・ミズマの目に狂気が宿る。
その目は、支援艦を見据えていた。
戦艦の自沈とミサイル火力で、あの人型機を撃破したハズだった。
ミサイルの爆発が収まった時、その煙の中から何かが支援艦に向けて
飛び出してきた。
北側の軍人たちは目を疑った。
あれだけの攻撃を受けて無傷で向かってくる人型機の姿を。
既に支援艦の意識は西側小型戦闘機に向いていた。
完全に意識の外の存在から突撃である。
慌てて人型機に船首向け直すが、間に合わず人型機のハンマーが支援艦に突き刺さる。
近すぎて攻撃ができない。
対応に追われる北側軍人たち。
戦闘モードにするために艦橋を戦艦にしまおうとするが、
その前に人型機のハンマーが艦橋と支援艦本体をつなぐ首に叩き込まれる。
そして、更に追撃。
叩き込まれたハンマーを人型機が引き抜き、その反動でもう片方のハンマーが艦橋上部から支援艦本体に向けて叩き込まれる。
そして、人型機は、そのまま粒子シールドを展開した。
突き刺さったハンマーから板状の粒子シールドが、支援艦を引き裂く。
まるで巨大な刃物のようだ。
その一撃で支援艦は爆発を開始する。
積んであったミサイルにも引火し、爆発四散した。
「サー。現在、機体の圧縮リレフメタルの装甲とフレームに
軽微なダメージを確認できますが、
作戦行動に問題なしと判断されます」
「わかった。
DON、近くにデカ物はいるか?」
ノブテル・ミズマが、AIに確認すると
「サー、四時方向に戦艦を一隻確認されます。
後、味方識別に四機を確認しました。
敵本陣に向けて進撃中だと思われます」
「あいつらが来たのか?
補給も終ってるだろうな、オレたちと同じで。
なら戦艦潰して後は楽するかね」
なんてノブテル・ミズマらしくない軽口をつぶやく。
彼自身もチームメイトの実力が分かっているからこその言い分である。
それでもまだ倒すべき相手を見据えていた。
エピソード名(話名)に凝るつもりだったんですが、
上手く浮かびませんね。
【悪の組織の異世界侵略】なら、悪者は~とか
【GLAIVE (狂炎伝承)】なら、日本語と英単語を混ぜたりとか
【最果ての先で】なら、主人公の感情が出るようにとか
したんですが、今回は浮かびません。
他の話の続きが浮かばないという弊害が…
何とかしようとはしていますが、困りものです。
妄想族のオッサンは
現在、妄想街道徐行中です。
爆走はできません。
それどころか一時停止も多いですね。
進みません。
落とし物も増えて気ばかりです。
拾いきれません、道路清掃会社に迷惑ばかりです。
申し訳ございません。
では、改めて
誤字脱字、感想など、どんと来いです。
まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、
ってのが本音というか、情けない限りです。




