27 暴れる
最初はチャフかと思われたが、そうでもない。
必要性が無いためだ。
もう敵に捕捉されているからだ。
では、舞い散る光の粉は何だろうか?
SJ弾とは、シールドの収束フィールドを無効化する粒子を散布する兵器である。
これを使われると一定時間のシールドが展開できない。
その内に何とかしろというものだ。
シールドの防御能力に胡坐をかいていた相手は、
突然使用できなくなるシールドに慌てる。
その復帰に向かうが、その前に攻撃が彼らを襲う。
本来使えるものがつかえないこれだけに混乱する。
シールドの燃料カートリッジの交換をするが、シールド自体が復帰しない。
かといって機械類に異常は見当たらない。
だが、現実にシールドは展開できていない。
状況の回復に各パイロットが忙しなく動く。
その隙を狙ったのだ。
シールドの展開できない北側の機体に
ミサイルが、容赦なく突き刺さり爆発四散する。
それもあちこちで。
本来、一発くらいなら問題ないのだが、
シールドが展開できな状態では爆発必死の最悪状態だ。
ただでさえシールドが展開できない状態でミサイルが飛び交い、
目の前に捉えきれない動きをする敵が動き回る。
ある者は、状況に慌て、
ある者は、現状把握に、
ある者は、シールドの復旧に
ある者は、近くの小惑星にみを潜め
ある者は、…
各々が判断して行動する。
統一感も無く…
混乱するなという方が無理がある。
その混乱が敵の中で伝染する。
いち早く冷静になったものは、すぐさま回避行動に出るがそれ以外は無残にも
撃墜されていく。
その中を通りすぎ旋回してまた敵の一団に強襲を仕掛ける。
爆発と煙、残骸にまぎれ攻撃を仕掛ける。
見えない敵に混乱する中で、ビームとミサイルが無差別に飛び交い
敵味方判別できない中を飛ぶノムイッカ・ラシタの機体は、
AIが攻撃を仕掛け、曲芸飛行を当人が行う。
北側の軍隊は戦艦が轟沈してさらに数をすでに当初の半分を下回っていた。
「目標は仕留めた、逃げるぞ」
ノムイッカ・ラシタに通信が入る。
それは無謀ではあるが頼もしい相棒からだった。
「わかった、とんずらするわ」
というと、混乱した戦場からの離脱を図る。
その光に合わせ、別の光が追い付く。
最初の光は、ノムイッカ・ラシタの機体で、
後から続く光はノブテル・ミズマの機体だ。
二人は次なる目標に狙いを定める。
二人が暴れているそのころ、
置いてきぼり…厄介事を押し付けられたジャスタ・ホワイトは、
前回の協定違反戦並みの指揮を執っていた。
あの時は仕方なしでやっていたのだが、
今回も流されるまま仕方なしに指揮を執ることになった。
本来なら、ノムイッカ・ラシタがとる予定だったのだが、当人が
突撃野郎と一緒に突撃をしてしまった。
眼の間で暴れまわる二人を女性陣がフォローする形になった。
それでも思う通りな戦いはできない。
普段と違い代理戦なのだが、完全に軍隊が相手になっている。
火力と数の差が大きく確実に追い詰められ始めている。
そこに通信が入る。
それはジャスタ・ホワイトに向けてではなかった。
「チュク、預けてたSJ弾を六発ほど平行に撃ち込め!!
実証実験はしてきた。それで奴らのカサは消せる。
その後、一斉射撃をかませ!!」
ノブテル・ミズマからの通信でちまちまと援護に徹していた彼女の口元が
凶悪に歪む。
「任せて~、まずは~と」
彼女は言われた通りにSJ弾を六発、平行斉射した。
その後、一斉射をかける。
その攻撃をジャスタ・ホワイトが止めるように通信するのだが止まらない。
彼女の我慢も限界に近かったからだ。
六発のSJ弾が敵機体のシールドにあたり爆発。
その後、粒子が広がり戦場に満ちる。
目の前にあるレーダーから敵の数が消えていく。
先ほどまで先行する二人が苦戦していたはずなのに
チュク・ロイドカンの初撃の後の攻撃で相手は確実に数を減らしたのだ。
その理由が分からないでいた。
「何をしたの、一体!」
ジャスタ・ホワイトは、すぐにチュク・ロイドカンに通信を入れる。
「情報をおくるわ~。自分で確認しなさい~」
とマイペースな彼女の声が届く。
ジャスタ・ホワイトは送られてきた情報を確認する。
そこにはSJ弾について説明がされていた。
仕様を確認したが、信じられない内容だ。
それでも目の前で起きていることは現実で真実だ。
先行している二人も臨機応変に対応している。
そのおかげか敵の数が減っていく。
目の前の現実と思い出したことが重なる。
『確かノブテルの奴が積めって言ってたのだわ、コレ』
機体の兵装準備の時、ノブテル・ミズマがチームメイトたちに進めていた兵器である。
ノムイッカ・ラシタは、裏があるのではと考え
キム・リーロンとモハリド・アードは、
他に兵器を乗せれないから断った
ジャスタ・ホワイトも同様の理由で断った。
チュク・ロイドカンは、面白そうだからと余った分も乗せた。
その兵器が今この状況で戦略のカギとなるとは彼女も思いもしなかった。
このチームで敵の攻撃を気にしないのは、
ノブテル・ミズマとチュク・ロイドカンの二人だけ。
他は、当たることを嫌い、よけることに特化している。
彼女はそう確信した。
その思考に至るほんの数秒の間に、敵が減らされていく。
チュク・ロイドカンの圧倒的な火力もあるが、それ以上に
勢いに乗った先行の二名が、当たらずに攻撃するという、
どこかの赤い星の人みたいな行動をやって見せていた。
その勢いがさらに敵を減らす。
さらに突然使えないシールドに対処するため
北側軍は、混乱状態なのだろう。
ジャスタ・ホワイトは、自分のやるべき事を再認識する。
今、自分のすることは、
目標である代理戦の機体の位置を明確にすること。
自分で納得できないところもあるが、今それどころじゃない。
問題解決の順序を考えて彼女が出した結論は、
「チュク、位置を送るわ。そこに代理戦の対戦相手が隠れてる。
まとめて吹き飛ばしなさい」
まず、代理戦の対戦相手を潰すことにした。
「いいわ~、その思い切り~。任せて~確実に潰すから~」
のほほんとした声色とは裏腹に物騒な言葉が飛び出す。
コックピット内に佇む彼女の眼は、
獲物に狙いを定める狩人のようんもみえた。
彼女の指が機体のあちこちの兵器を解き放つ。
解き放たれた兵器たちは、
他には目もくれず目標に向かって暗い世界を駆け抜けた。
目標に着弾し、兵器たちは夜だけの世界に昼の様な眩しい明かりを灯し、
爆音を響かせ、爆炎と煙で覆う。
爆炎と煙を切り裂くように二機の小型戦闘機が飛び出す。
「なにするか、もう少し加減できないか!!」
「このドアホ、オレはまだ神の元に行くつもりはねえぞ!!」
キム・リーロンとモハリド・アードが、慌てながらも
通信で文句を言う。
「な~に~、まだ余裕あるじゃない~。
もう少し多めに撃てるかしら~」
と、恐ろしい事を言う。
その言い方にさらに熱く不満を言う二人。
それを尻目にジャスタ・ホワイトは、目標の確認をしていた。
ノムイッカ・ラシタがマーキングした目標、北側の代理戦参加機。
それが、撃墜されているかどうかである。
三人が言い合いをしている間にも彼女は、確認作業にいそしむ。
そして、その結果が出る。
「はいはい、三人とも。遊んでないで次行くよ。
ここの目標は撃墜を確認できたわ。
ノブテルたちも目標を落としたみたいだし、後二つ落とせば勝ちは拾える。
北側に吠え面をかかすことができるわ」
「そうだな、そうするか」
「やつあたり、しやすそうだ」
「そうね~、まだ楽しめそうだわ~」
キム・リーロンとモハリド・アード、
チュク・ロイドカンの三人はすぐに同意した。
そのままジャスタ・ホワイトが、次の目標の位置を指定する情報を合わせて
キム・リーロンとモハリド・アードは、すぐに移動を開始した。
チュク・ロイドカンはある程度攻撃を仕掛けてから移動を開始する。
ジャスタ・ホワイトは三人が移動したことを確認してから移動する。
突撃、大暴れ大好きですね。
これも年齢が絡んでいるのでしょうか。
それとも普段できないからでしょうか。
妄想族のオッサンは
現在、妄想街道徐行中です。
爆走はできません。
それどころか一時停止も多いですね。
進みません。
落とし物も増えて気ばかりです。
申し訳ございません。
では、改めて
誤字脱字、感想など、どんと来いです。
まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、
ってのが本音というか、情けない限りです。




