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26 突貫


高速ブースターと連結した人型機は、ノムイッカ・ラシタの小型機動戦闘機と

引けを取らない移動速度を出していた。


ふたりが向かう先には、代理戦の対戦相手だ。

このバカげた戦いを終わらせるためには、対戦相手の撃墜が必須となる。


北側の対戦相手が、一機でも残っていれば、言い訳しやすくなるからだ。

負けてないとか、まだやれるのにとかごねるに決まっているので。

彼らの第一目標となる。

更に長引けば確実に西側は軍事介入に入るだろう。

今の状況で他の勢力が介入すれば、確実に戦争になる。


それを防ぐための代理戦なのに戦争のきっかけになれば本末転倒も良いところだ。

だからこそ軍事介入ができない。


というかさせない。

これは、チームの一致した見解である。


そうなると

姑息だが、北側の戦術としては見事である。

共産圏らしいやり方である。

大国は、中立であるべきなのに率先して

火種をまき散らす。


だからこそ、戦争がなくならない。


主義主張や宗教で簡単に起こせる火種。

始めるのは簡単で終わることは難しい。

それは歴史が証明している。


なのに戦火はあちこちで起きる。

権力者たちの胸先三寸で、始めてしまえばもう止まらない。

悲劇を振りまくだけで誰にも幸福は訪れない泥沼に。



だからこその代理戦争なのに、簡単に壊そうとしてくる。

これが、独裁というものなのだ。



そんな思惑の中で彼らはそれを終わらせるために暗闇を駆ける。


「目標は戦艦の中にいるんだな」

ノブテル・ミズマの声色に悲壮感はない。

むしろ高揚しているようにも感じる。


「ああ、確実に二機いるだろう。

やってくれるね、代理戦の参加機体を戦艦に隠すなんて

ひどいやり方だ」

ノムイッカ・ラシタは困るなあ、程度に言うと


「戦艦の周りにはどのくらいいる?」


「そうだな、二十機くらい展開してるかな。

割合はどのくらいかは近づいてみないと分からない」



「ok、オレとノイ(ノムイッカ・ラシタの愛称)なら

庵とかなりそうだ」


「因みに聞いておくが、目標を潰すにはどうしようか」


「簡単だ、カタパルトから中に飛び込んで目標の二機を潰せばいい。

ついでに邪魔する奴らも潰せばいい」

さらっというノブテル・ミズマに


「手加減するつもりはないみたいだね。

戦艦相手に簡単なんて言っているところが…」


「もちろん、ここまでケンカを売ってくれてんだ。

ならこっちもバーゲン品は買ってやる。

戦艦ごときでオレの機体から逃げれると思っているその考えが、

どれだけ甘いか教えてやる。

そういう風に作ってるからな、オレの機体は」

ノブテル・ミズマが、邪悪な笑みといかれた考えをしていた。


その答えに

「頭痛くなるわ、ソプラちゃんがいつもぼやくのが分かる。

付き合う方にもなれよ」

流石のノムイッカ・ラシタも頭を抱えた。



「それはいつもの事だろ、

それに長引けばこっちがどんどん追い詰められる。

時間も物資も限られてるだぞ。

ならやるでしょ」



「分かったよ、それなら手早くな。

次も考えてんだろ、どうせ」



「よくお分かりで、じゃあ手早くいきますか」


普段は静かで斜に構えているくせに、

なぜこうも代理戦になると人が変わるのだろうと

ノムイッカ・ラシタは思ってしまう。


「あいよ相棒、わかったよ」

諦めた声色で真剣な目つきで軽く答えた。

二人は、攻撃が向けられてくる戦艦に突撃していった。


「じゃあ、オレは行くが周囲の雑魚の相手を頼む」


「あの数をか、しかもシールド付だぞ。

出来るかよ」

砲撃が迫る中、二人は何事も無いように通信する。

迫る攻撃を器用によけながら


「大丈夫だ、それは」

と、言いながらミサイルを撃つ。それも等間隔で六発。

それは敵のシールドにあたり爆発すると何か細かいものをまき散らす。


「どう大丈夫なんだよ、というか何を先手飾ってんだ」

戦闘機のシールドはミサイル三発の直撃に耐えれる。

簡単には撃墜出来ない上に数の差がある。

数が多いだけでそれが武器となる。

囲んでしまえば実質的な袋叩きにできるからだ。



「気にするな、これで楽に攻撃できるはずだ。

詳しい事は、DONからZAIに情報を送るからそっちで確認してくれ。

オレは、先に行くぞ」

というと、人型機はさらに速度を上げ、戦艦に向けて突き進む。

戦艦からの主砲をよけながらも勢いはなくならない。



主砲の攻撃は空間を歪ませ、星の光が鈍くなる。

この一撃で小型戦闘機なら粉みじん吹き飛ぶ威力だ。

それをよけながら突き進むのは寿命が縮む思いをするほどなのに

人型機は、それをものともせずさらにスピードを増すのだ。


人型機の狙いは戦艦下部にあるカタパルト入口。

両腕を前にボクサーがするガードのように構え、

拳部分を上に構え、追加装備であるブースターから頭を守るようなカバーで

被せた状態で突き進む。


カタパルト入口のフェンスを勢いそのままで突き破る。

戦艦内に配置されていた敵人型機や作業アーム、小型戦闘機が、飛び込んできた人型機に弾き飛ばされ、戦艦内壁を切り裂く。

飛び込んできた人型機の勢いに潰される機体もある。


飛び込んできた人型機が止まると、あちこちを固定していた箇所が外れ、

周囲の壊れた兵器を振り払うように人型機が動き出す。


「DON、目標は何処にいる?」


「サー、目標は先ほどの突撃でつぶれました」


「二機ともか」

その答えに不満を漏らす。


「サー、二機ともです。撃墜扱いになっています」

その返答に彼は、がっかりしたのだ。

こうも早く片付くとは思わなかったためだ。


「そうか、なら行き掛けの駄賃だ。

こいつを沈める、エンジンはどっちだ」


「サー、機体正面にあります」


「ok、それじゃDON、三番ラック解放」


「サー、三番ラック解放します」

左ハンマー外側にマウントさえたコンテナが外部装甲を破棄する。

そこから出たのはハンマーと同じくらいの長さを誇る巨大な杭が現れる。


パチパチと火花散る格納庫の中で人型機は、

左腕を振りかぶり隔壁にめり込んできる小型戦闘機の残骸ごと

正面隔壁に叩きつける。


確実に破壊した北側代理戦機なのだが、ひき逃げみたいで自覚が薄いので、

それを自分で撃墜したと確信したかったらしく

残骸を巻き込んで隔壁をぶち壊したのだ。



完全な自己満足である。


そんな手前勝手な考えをよそに

叩きつけられた残骸と隔壁は火花を放ち

爆発が起き、格納庫は火の海と化す。

それでも人型機は慌てることも無くその場に佇む。

人型機の中でパイロットは、


「エンジンに届くか、DON」


「サー、隔壁の強度と三番ラックの兵装ならば十分に可能と思われます」


「いい解答だ、じゃあ沈めよ」

その言葉で左腕に仕込まれた杭が放たれる。


杭は、壁を貫き、機関部に突き刺さる。

機関部は、火花を散らし、火を噴き爆発する。


その爆発は、全体に回り、戦艦を吹き飛ばしながら爆発四散する。

いわゆる轟沈したのだ。


火を噴き続ける戦艦の残骸、その中に黒くあちこち焦げてはいるが

ほぼ無傷の異形の人型が立っていた。






戦艦に突撃していく相棒の姿を見送りながら

「どう楽になるんだよ」

ノムイッカ・ラシタの抗議の声が響くが返答はない。


仕方ないのでAIサポートシステム【ZAI】に

情報の開示を求める。


内容は、SJ弾についてである。

先ほど人型機から撃ち出されたミサイルことである。


SJ弾とは、シールドの収束フィールドを無効化する特殊粒子を

散布する兵器である。

これを使われると散布されたエリアでの一定時間のシールドが展開できない。


小型機でもミサイル三発の直撃にも耐えうるシールドがつかえなくなる。

そのアドバンテージはすさまじい。


その内容を確認するとノムイッカ・ラシタは冷や汗を流しながらも

眼にはぎらつきが宿る。


「そうかい、相棒。この置き土産はひどいね、早く言えよ」

と小さくつぶやくと


「ZAI、今から砲撃をお前に任せる。ロックしたらすぐに撃て。

オレは、今から機体操作に集中する。頼むぞ」


そう言うと、機体のエンジンがうなりを上げる。


速度を上げ、敵陣に突撃を開始する。


「サー、突撃は推奨できません。

囲まれる可能性が90%です。確実に被弾します」

ZAIが、ノムイッカ・ラシタの行動を否定する。


「大丈夫だ、要は被弾しなければいい。

だから、敵陣に入ったらミサイルをばらまけ。

そして、ロックしたらお構いなしに撃ちまくれ!!」

ZAIは、ノムイッカ・ラシタが行動変更しないことを確認すると



「ok、サー。命令を遂行します」

と、答えた。


その解答を満足げに口元をゆがめるノムイッカ・ラシタは、

アクセルをさらに踏み込んだ。



煙の上がる戦艦と混乱する戦場に飛ぶ込んでいく。


突撃大好きですね。


これも年齢が絡んでいるのでしょうか。



妄想族のオッサンは

現在、妄想街道徐行中です。



爆走はできません。

それどころか一時停止も多いですね。

進みません。


落とし物も増えて気ばかりです。

申し訳ございません。


では、改めて

誤字脱字、感想など、どんと来いです。


まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、

ってのが本音というか、情けない限りです。


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