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一発ぶん殴らせろ!  作者: 団栗山 玄狐
3 謀略代理戦
22/55

21 異星人襲来


ノブテル・ミズマは、ブラウンのスーツ姿で鞄を肩にかけていた。

繁華街で彼は一人で歩いていた。


彼の会社で送別会の帰りである。


彼は、差をたしなむ程度は飲めるのだが、食い気の方が強い。

なので、今もあまり酔ってはいない。


街は、暗い空を昼のように明るく照らしだす。

その中を彼は駅に向かい歩き出す。


途中にある店により、紙袋片手に周囲を眺めながら歩いていた。


彼の視線の先にある駅に目を引く女性が立っていた。


シルバーの髪が肩まで伸びているモデルの様なスタイルの彼女は、

見据えるように彼を見ていた。


ノブテル・ミズマには見覚えのない彼女が、ずっと見てきている。

自意識花序なのかもしれないと彼は、

視線を駅入り口に移すが見られているという感覚があった。


理由は単純だ。

彼は、歩く道をわざと変えて歩いたからだ。


見られているという感覚が、気のせいかもしれないと思い、

駅に向かい歩いている歩道を道路を挟む向こう側にある歩道に変えたのだ。


これなら自分に向いている視線自分を見ていない、勘違いだと分かるからだ。


だが、その視線は、彼に向いていた。

歩く歩道を変えても視線は彼を追いかけていた。


彼の中でいろいろな考えが、浮かぶ。

だが、思い当たることが無い。


外国人の友人なんて彼には・・・いることはいる。

その中に当てはまらない。


不審に感じるが、たまたまだろうと気にしないようにした。


彼は気にも留めず駅に入る。そして駅内に備え付けられている椅子に腰かけた。

冷たい夜風が彼の頬を撫でる。


まだ、宵の口なので家路に急ぐ人も多い。


そんな中、彼に近づく人影が一つ。

歩くだけで誰もが見ほれるほどの美人が彼の前に立つ。


駅前で彼を見ていた女性だ。


「何か御用ですかね。

美人の知り合いはいない方だし、モテるほどのイケメンでもなけど」

と、彼は目の前に立つ女性を作り笑いを浮かべ見上げる。


「アナタよね、アガイヤスにいるイサナガのエースって」

と、言ってきた。


その言葉に彼は一瞬思考が止まる。


アガイヤスとは、西側勢力圏での地球の呼び名で、

イサナガは、彼の所属する西側代理戦チームの名前だ。

それを知っている目の前の美人は、明らかに関係者であることを示している。


わざわざ確認してくるのは、明確なターゲットにされていると彼は考えた。

しかも辺境の惑星にまで来て迫ってくるのは何かがあると思われる。


「へえ、こんな田舎まで来て何の御用かな?お嬢さん。

いくら辺境でも騒ぎを起こせば面倒になるよ」

と、彼は、目を細め、警戒する。


「騒ぎを起こすつもりはないわ。

ただ、私の話を聞いて欲しい、それだけよ」

真剣な目で彼女は、ノブテル・ミズマに訴えかける。


それは、殺気ではなく真剣な思いだけが伝わる。

それを感じた彼は、小さくため息をつき、

「仕方ない、どこか店に入ろう。

この話は、こんな人の多いところで話すことじゃないだろ、美人の異星人さん」

と言って、電車に乗るように促す。

彼女は同意して電車に乗る。


彼はとりあえず移動することにした。

目立つからだ、主に彼女が…。


場所は彼が降りる駅、そのそばにある居酒屋を選んだ。

人はいるが、騒いでいる声がある。


その中で話せば、問題ないと考えたのだ。

それに酔っている人が多いところで話せば、

本気の話しだと思わないだろうという打算もあった。


さらに言えば、彼の誤算があった。

連れている女性が美人過ぎる事だ。


連れ立って歩くたびに近くの人の視線が来る。

振り返る、目立ちまくる。


ただでさえ面倒事なのにさらに拍車がかかっている。

彼らは、個室に通されそこで注文して、待つことになる。


周囲の喧騒の中で二人の間には気まずい沈黙が包み込む。

はたから見ればどう見えるのだろう、と考えてしまうノブテル・ミズマは、

対応に困っていた。


彼女は間違いなく異星人だ。

その彼女が、自分の副業を知っていて話しかけてきた。

その上、美人さんで嫌でも目を引いてしまう。


それでも話さないと進まない。

「いろいろ聞きたいことがあるが、

まずアンタの名前と目的を教えてもらおうか。

言っておくが、騒ぎを起こせば逃げ場はないよ。

平和的に行きたいからね」

脅しを込めた言い方をした。


『暴れられると、ひ弱なオレでは抑えきれん』

目算もあったようだ。


「はい、私はシャルペ・ルメグと言います。

北側勢力圏からの脱北者で今は、協力者でもあります。

目的は、アナタの懐柔と陣営への引き込みです」

綺麗な姿勢ではっきりと彼女は答えた。


その答えにノブテル・ミズマは顔を手で覆いうなだれた。

『情報が多すぎるし面倒になるとしか思えない』と彼は混乱する。

混乱しながらも料理が運ばれてきて、それを食べる事になる。

冷静になる為に食事を始めるのだった。



彼女は北側勢力圏からの脱北者であり、

今は、北側勢力圏の協力者。


つまり、北側諜報員の協力者という事になる。

これは、よく聞く話で彼もソプラ・バリトンから聞いていたことだ。


脱北者たちを探し出し、懐柔なり、脅しなりかけて協力者に仕立て上げる。

彼女は、それだという。



素直に。

隠す気が無いのか、と思えるほど。


さらに目的は、ノブテル・ミズマの懐柔と陣営への引き込みときた。

完全な引き抜きだ。


『オレなんか引き抜き必要あるか?』

今一つ自分の価値が分かっていないノブテル・ミズマは情報整理をして考え込んだ。


確かに、北側の協定違反戦を鎮めた事は認める。

でもそれだけだ、それ以上ではない。


ノブテル・ミズマは彼女を見て

「シャルペさん、何でオレなんかを引き抜く必要があるんだ?

他に有能な奴はいるだろう?」

と彼が考えを素直に述べた。


その言葉にキョトンとするシャルペ・ルメグ。

美人はどんな表情をしても絵になる。

見た感じは完全に驚いているのだが、それでも見ていられる。


「あの、アナタは西側最強の代理戦チーム、

イサナガの【狂気の圧殺者】なんですよね」

彼女は、申し訳なさそうに聞いてきた。


「ああ、確かにイサナガに所属しているし、

その【狂気の圧殺者】の二つ名で呼ばれたりもする。

嫌なんだけどね、その二つ名。

殺人鬼みたいで」

とノブテル・ミズマは苦笑して見せる。


その顔が、幼く見えさらに彼女を驚かせ、親近感を沸かせることとなる。


そして、わずかに笑い

「そうですね、殺人鬼みたいにきこえますね。

アナタはそうでもなさそうなのに」

彼女の緊張が和らぐ。


話をすると彼女は、先ほども言った通り、

北側勢力圏からの脱北者であり、

今は、北側勢力圏の協力者。

そして、ノブテル・ミズマの引き込みを求めてきた。


理由としてはこの惑星に潜伏している北側工作員に脅され、

仕方なしだそうだ。


話を聞いたノブテル・ミズマは、面倒なことになっていることに気づく。

北側工作員がこの星にいる。


しかも自分を狙っている事だ。

ここは銀河の辺境、そこに紛れ込んでいる北側工作員。

一人かもしれないし複数いるかもしれない。


今は、彼女しかいないが、今も辺りに潜伏している可能性がある。

面倒事だ、特大の。


本来ならこんなことにならないように西側が対応するはずなのだが、出来ていない。

しかも北側の人間は、荒っぽい。

辺りかまわずケンカを売り、買えばすぐに正当防衛を主張する。

面倒くさいこと極まりないのだ。


相手もしたくないが、無駄に絡んでくる。

こちらが無視してもウザがらみして、手を出させようとしてくるのだ。


ため息しか出ない彼は、

「その話は、オレの立場的には受けれない。

それは分かるよね」


「はい、分かります。

でも、お願いしたいです」

申し訳なさそうに言う彼女。


「無理ですね、アナタの立場を鑑みても

出来ません」


もちろん、交渉は決裂だ。

代理戦の場外乱闘と言ったところだ。

これも完全なルール違反でもある。


代理戦協定の代理戦チームの保護違反を犯している。



彼女は、そこまで知らないのであろう。

何とかノブテル・ミズマを引き込もうとしていた。


彼女の妹が人質にされていたからだ。

妹の身の安全のため彼女も必死なのだ。


それでもノブテル・ミズマの意志は変わらない。

なので彼女は最終手段に出る。


自分を自由にしていいと言い始めた。

さらに困り果てるノブテル・ミズマ。

一応きちんと断る。


彼にしてもそこまでされても

口約束なるだけなので意味がないと

説得するが、彼女は涙目になるばかりで困り果てる。


彼は思うにそこまでしても工作員は、

彼女を使い捨てるつもりだろうと感じていた。



理由は、いくつかある。

まず、彼らが本当に自分を必要としているのか?

彼女を使い、オレを油断させて暗殺する方が簡単だ。

もう一つは彼女の妹の存在だ。


彼らが生かしておくかだ。

殺して置き、脅す方が効率的だ。


北側の工作員は変に効率的な所がある。


誘拐事件でも誘拐された人間を殺していることは多い。

それをしている可能性がある。


さらに言えば、妹さんもグルの可能性もある。

これはこれで面倒だ。


彼女が必死で守ろうとしてる存在が、裏切っている。

この場合、彼女がどういう行動に出るかわからない。


つまり、どう転んでも面倒なのだ。

食事も終え、話も終えた今、

彼女といる理由も無いノブテル・ミズマは、店を出ることにした。


店を出て彼女に別れを告げるが、彼女はノブテル・ミズマの後を離れてついてきていた。


ノブテル・ミズマは、嘆息して近くの公園に彼女を連れて入る。

そこで改めて彼女と話をすることにしたのだが、公園の椅子に二人座ると


怪しい黒ずくめの人間が四名現れた。


黒ずくめの人間たちは二人を囲むように立ち、

こちらを見ていた。


「アンタらが北側の工作員ですか、彼女を使ってオレを確認させたわけだな」

ノブテル・ミズマは目を細めて黒ずくめの人間たちを見る。


「そういう事だ。我々が動くと怪しまれるからな。

そこの女を使えば、不審がられるが怪しまれないだろう」

と黒ずくめの人間の一人が答えた。


戦闘シーンが僅かにあります。

思いつかないから単調になりやすいです。

注意はしているんですけどね。


オッサンは

現在、妄想街道徐行中です。


爆走はできません。

落とし物も増えて気ばかりです。

申し訳ございません。


では、改めて

誤字脱字、感想など、どんと来いです。


まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、

ってのが本音というか、情けない限りです。


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