15 大立ち回り
ここは、西側勢力圏にある惑星。
人が入植出来る稀有な星なのだが、まだ入植までこぎつけていない。
その星で人型機と六脚小型機動戦車が、戦っていた。
相手は、約十メートルほどの大きさで熊みたいな生き物。
肌は、土色で岩の様な肌。
それを人型機はハンマーで砕く。
相手の生き物は砕け散るだけで血も出ない。
飛び散るのは岩の破片のみ。
訳の分からない生き物である。
それが数多く襲い掛かってくるのだ。
近づくその生き物を砕いて回る。
相手は、人型機に攻撃を仕掛ける前に砕け散る。
元々戦艦のシールドを叩き割れる威力を誇るハンマーである。
岩の塊である生き物ならば、一撃のもとにがれきと化す。
目の前から襲い掛かる岩の生き物を右腕左腕を交互に使い、一撃のもと
砕いて回る。
後方から襲い掛かる岩の生き物もくるっと半回転して勢いをつけたまま
ぶん殴り、砕く。
折角の人型なのだからケリも入れればいいと思うが、
それでは反応が遅れる上に機体にバランスも崩れる危険性がある。
二本足で歩くことがどれほど大変な事か。
なので、未だに戦車タイプしか軍隊や代理戦には導入されない。
つまり、いま人型機を使っている事が異常にみられる。
そんな機体を使い、勝率を上げるパイロットそれだけで
尊敬の眼、いや変人として見られる。
それでも人型機の汎用性は高いので、群がる岩の生き物を見事に
倒していた。
だが、相手の数が多いので近寄る生き物を砕いて回る感じとなるが
機体の燃料も減る上に
パイロットは、疲弊していく。
その横では六脚小型機動戦車が生き物の攻撃を軽やかによけながら
砲撃して砕きながら倒していく。
後ろと前から襲い掛かる岩の生き物。
正面に主砲を向け、後ろには迫撃砲を向けて同時に破砕する。
時には相手に後方や横に回り、主砲で吹き飛ばす。
例え一対多であっても岩の生き物に送れはとらない。
戦闘機にしては小口径の武器だが、もともとシールド付の戦闘機向けの兵器である。
岩の塊である生き物を粉砕することは、比較的簡単な部類だ。
だが、やはり数が多いので完全な消耗戦になっていた。
こちらは、更に武器の消耗していく。
倒しても倒しても途切れることの無い岩の生き物の群れ。
周囲には、がれきと化した岩が積みあがる。
山のようになるくらいの数の岩の生き物を砕いていた。
「わるい、そろそろ弾切れだわ」
と、六脚小型機動戦車からの通信が入る。
迫る岩の生き物をぶん殴りながら
「そうだな、オレの疲れてきたし退却しますか」
と、人型機から同意する通信が来る。
「じゃあ、すまないけど殿、頼むね」
六脚小型機動戦車が砲撃しながら通信してくると
「仕方ないわな、了解だ」
と、人型機から諦め口調で同意する通信が来る。
六脚小型機動戦車が砲撃しながら先行し
その後に人型機が、近づくをぶん殴りながら
後に続く・
応戦しながら二機はその場から撤退を開始する。
その二機は、岩の生き物を振り切り
空から地面に繋がる柱がある基地に帰還する。
空から地面に繋がる柱とは、軌道エレベーターである。
入植す前に建造され、惑星の窓口として使われる。
物資や人の運搬が簡単にまた安全に行えるため、最初に作られる。
必要パーツを組み立てるだけなので簡単に設立出来る。
地球でも出来ないテクノロジーである。
その場所の傍にある基地に帰投した二機は、
機体をハンガーに入れ、格納庫に待機させる。
そして、それぞれの機体からパイロットが降りてくる。
その二人を確認するとソプラ・バリトンは近づき
「お疲れ様です。
どうでしたか、攻略出来そうですか?」
「ありゃ、無理だわ。
数が多すぎる、出てくる岩の化け物倒してるだけでこっちが押し負ける。
ここ開拓惑星でしょう。軍隊が動けば済むんじゃないの?」
パイロットスーツのヘルメット脱ぎながら
ノムイッカ・ラシタが疲れた顔で言うと
「そうだな、オレたち代理戦の兵士がやることじゃないな」
とパイロットスーツのヘルメットを脇に抱えたノブテル・ミズマが
賛同した。
「そうなんですよ、そうなんですけどね」
ソプラ・バリトンは困りながら口ごもる。
「ああ、ごめんごめん。
分かってるよ、理由も聞いてるけどさ。
それでも愚痴を言いたくなるんだよ」
慌ててフォローを入れるノムイッカ・ラシタ。
「確かにな、二人であの遺跡攻略なんて無理ゲーだ。
数が多すぎる。せめてチーム全員でなら何とかできそうだが…
ダメなのか?」
「難しいですね。
殲滅戦が得意な、キム・リーロンさんとチュク・ロイドカンさんは、
手加減が出来ません。
やるなら徹底的に相手を潰します。
そうなると遺跡自体も粉々にしてしまう可能性があります。
かといってモハリド・アードさんは、無策で突撃しますので回収が大変です。
そうなるとお二人が適任となります」
困った顔でソプラ・バリトンが言うと
「ならジャスタ・ホワイトは?
あいつなら手加減できるし、ドローンで索敵も出来る」
ノブテル・ミズマの提案に
「彼女は、本業が忙しくて
今回の様な副業の様な事はできないと言ってました」
「そしたら、しかたないね。
でもさ、あの遺跡そんなに大事なの?」
ノムイッカ・ラシタは、疑問を投げかける。
「大事らしいです。
今回発見された遺跡は、古代の歴史を紐解くために必要なモノらしいです」
「学者さんはそう言うけどさ。
あの数は脅威だね」
答えに不満も抱きながらも
泣き言が出る。
「そうなんですけど、管理局のさらに上の西側連合軍からの依頼なんですよ。
断れないんです」
ソプラ・バリトンは泣きそうな顔になっていた。
「だが、今日二回アタックしたが、あの数では応戦するだけで
精一杯だ。先に進めない、せめてあと一人は必要だ。
支援できる人間が…」
「そうですね、戦闘内容を確認する限りそうなりますよね。
追加人員はあてにできません。
時間もあまりありません」
「どうせ入植がはじまれば軍隊が入るんでしょ。
その時に遺跡を攻略してもらえばいいじゃないの」
ノムイッカ・ラシタが言うと
「早めに調べたいそうですよ。
ここに入植するのは猫人系らしいので」
「そうか、あの連中は遺跡とか気にしないからか。
邪魔なら排除するから遺跡が残らない」
「そうらしいです。
今なら多色人系の我々が介入できるわけです。
だから急いでいるとのことです。
人は補充できませんが兵器は持ち込んでいます。
それで対処できませんか?」
「そうなると、どうする?」
ノムイッカ・ラシタが言いながらノブテル・ミズマを見ると
彼は頭を掻きながら
「仕方ないな、兵器を使うのはオレのポリシーに反するが、
オレも兵装を積むわ。
後で何を積むか連絡するから頼む」
諦め口調で言うと
「その言い方だと何とか出来るんですね」
パッと明るくなる彼女に
「確率は相変わらず低いけどやれることをやる。
ノイ(ノムイッカ・ラシタの愛称)お前の機体に乗せる兵器も
こっちで吟味するけど良いか?」
「構わんよ、贅沢が言える状況でもないしな。
やれることをやろう。
でも、それでもだめなら諦めてくれよ」
投げ槍にも聞こえるその言い分に
彼女は笑顔で
「大丈夫ですよ、その言い方の時のあなたはほぼ確実に何とかしてくれる」
答えて見せた。
彼の言い方は失敗ありきであるというが、
確実の物事を成し遂げていた。
信用に足る言い方なのを彼女は知っていた。
「なに安心した顔になってる。できないかもしれないと
言ってるだろう」
「大丈夫です、アナタたちなら。
では、先に兵器の準備に入りますね。
あっ必要な兵器は連絡くださいよ、確実に準備しますんで」
とスキップを踏みそうなくらい機嫌よく歩いて行った。
「大丈夫かよ、期待度MAXになってるぞ彼女」
ノムイッカ・ラシタはノブテル・ミズマの耳元に手をやり、こそこそと話す。
「大丈夫だろ、相手も大体わかったし、どう追い払うかだ。
多分だけど、中枢になる何かをぶっ壊せばあのへんな化け物も止まるんじゃないか」
「本当か?」
ノムイッカ・ラシタが訝し気に見てくる。
「さあ?わからん」
ノブテル・ミズマは両手を軽く上げ、お手上げのポーズをする。
異世界ものみたいになりました。
SFはいずこに?
でもやってみたかったことなので
この際、やりました。
それでもSFチックになる様にはしてます。
現在ですが妄想街道徐行中です。
爆走はできません。
落とし物も増えて気ばかりです。
申し訳ございません。
では、改めて
誤字脱字、感想など、どんと来いです。
まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、
ってのが本音というか、情けない限りです。




