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練馬駐屯地

東京都練馬区にある陸上自衛隊の練馬駐屯地では、異様な静けさが広がっていた。普段は訓練や整備で活気に満ちているはずの車両整備棟や宿舎が、不気味なほど静まり返っている。


田村恭介、一等陸曹は隊舎の一室で命令を待っていた。目の前には積み上げられた作戦資料と地図。手元のコーヒーはすっかり冷めている。


「……まさか、ここまで動くとはな。」

恭介は低く呟きながら資料を見つめていた。その表情には疲労の色が滲んでいるが、目だけは鋭い光を放っている。


「田村班長、最新の命令が出ました!」

部下の若い自衛官が駆け込んできた。緊張のあまり、敬礼がぎこちない。

「落ち着け、まず状況を説明しろ。」


「はい!C国軍は沖縄の主要拠点を制圧し、次の標的は――」

言葉を詰まらせる彼の代わりに、恭介は地図を指差した。

「宮古島、いや、それより本州だ。やつらは本気で進攻してくるつもりだ。」


若者は驚愕の表情で恭介を見つめた。

「本州にまで……!?」

「そのために俺たちがいる。慌てるな。俺たちの訓練は、すべてこの瞬間のためだった。」


恭介は落ち着いた声で言い聞かせたが、その瞳の奥には確固たる覚悟が宿っていた。

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