第1話
俺は天才だった。だがそれ故に何も知らず。何も感じない、何もかも知っているからこそ知らない物もあるのだろう。したいと思えば俺は何でも出来た。だからこそ、彼女との出会いが良い意味で俺を変えたのだろう。ここからは俺の、初めての愛の物語が始まる。
「初めまして、いい夜ね」俺がコンビニから家に帰る近道をしようと公園に入った瞬間に花が舞い、彼女が現れた。俺は初めて恋をした。ただ美しかっただけではない、強かった、それに、分からなかったからだ。心が読めない、分からない。これは俺にとって初めての感情だった。後単純にめちゃくちゃ可愛いと思えた。だからこそ俺は彼女に「結婚してくれ」と言ったのだろう。彼女は少し驚いた顔をした。綺麗な銀髪が揺れ、赤い瞳が揺れる。それがとてつもなく愛おしくて、触れたいと思った。これも初めての事で、誰かと一緒にいたいと思うのも初めてだ。だが彼女は「悪いけど興味ないわね。私のゲームに参加して、貴方が代償を払うのならゲームを始めましょう?そこで私を惚れさせられるなら結婚してあげてもいいわよ?」彼女は俺を弄ぶように言った。それは分かっていた、が俺は簡単に引っかかって答えた「賭けるのは俺の全てだ、今までの俺の何もかも。君を貰えるのなら何でもしよう。さぁ…どんなゲームをするんだ?」