2024.11.30 オオバンを抱っこ
風が強く寒さが沁む中、近くの溜池まで足を伸ばす。鴨とヌートリアの観察だ。ツバメはさすがに暖かい南へ向かったか、姿を見ない。ヌートリアのヌーちゃんは吹き付ける西風もなんのその、いつもの場所で目をつぶって寝ている。 フェンスに沿って溜池を一周しようと歩いていると、フェンスの側でバタバタしている黒い鳥を発見。トトと歩いてはフェンスに頭を突っ込んでいるようだ。どうやらフェンスの向こうの溜池に戻りたいがフェンスの穴は小さいし、フェンス下の隙間は狭くて戻れずパニックになっているみたい。飛べばいいのになぁ…と思ったけど、脚が長いクイナの仲間なら飛ぶのが苦手らしいから仕方ないか。見ていて可哀想になってきたので、何回かトライの末に鳥を確保する。お腹から後ろの方を持って嘴で突かれないように用心しながら、フェンスの下の隙間が大きい所へ歩いて行く。黒い羽根越しに鳥の体温をぬくぬく感じる。脚は思っていた以上にがっしりしていて鈍色をしている。頭をフリフリ抵抗される。首の可動域は広く、手を突かれれること二回、うっかり顔を近付けてしまい、ほっぺたを突かれること二回、嘴は硬く痛かった…。漸くお目当ての場所まで辿り着くと、屈んで鳥をフェンスの隙間に突っ込む。鳥は隙間を潜ったら速攻で池ポチャ、グイグイ泳いで去っていく。まあ御礼なんてないよなぁ…。鳥だもの。一日一善にはならないか。 家に帰って図鑑で鳥の種類を確認する。やはりクイナの仲間であるオオバンだった。 それにしても突かれた箇所は傷までいかないが、書いている今もヒリヒリしている。野生おそるべし。
もう手遅れだが、確保した際に嘴を手で掴んでいれば突かれなかっただろうことにたった今気が付いた。