水仙月とは
毎年一月も中を過ぎると、そろそろ和水仙の花が咲くのをまだかまだかと思う。
この冬も、そろそろ花が咲いても良さげだなぁと、あちこちに目を遣りながら歩く。細長く濃い緑の葉っぱが、ぴゅんぴゅんと伸びてきている。日陰になる場所だと、まだ地面から10cmくらいしか葉っぱが伸びていない。
漸く、公園の片隅アベリアの茂みの側に一輪咲いているのを見つける。冷たい西風や北風から守られて陽当たりの良い、ベストポジションだ。
2025.1.19 この冬初めての和水仙の花
和水仙というと、陽当たりの良い海岸沿いの群落を思い浮かべる。淡路島然り、房総半島然り。寒い冬の日差しを集めて花開く、そんなイメージがある。
ちなみに、和水仙と呼んでいるけれど、日本原産では無いのである。
彼岸花科 スイセン属 原産地:地中海沿岸地域
大昔にはるばる海を越えて、どういうルートを辿ってか、地中海から日本へ球根が持ち込まれた。
和が付いているのだから日本原産だと思い込んでいたので、あの小さく可憐な白い花を咲かせる和水仙が日本原産では無いと知った時、それはそれは驚いた。
ところで、宮沢賢治さんの作品にある水仙月とはいったいいつのことだろう。和水仙が咲く度に考えるのだけれど、埒があかない。
水仙は品種によっても開花時期が異なり、遅咲きの西洋水仙やラッパ水仙などは3月~4月、早咲きの和水仙や冬咲き水仙などは12月~2月頃の開花である。水仙月の時期は、賢治さんがどの種類の水仙をイメージしたかによって変わってくる。
ついでに言えば、賢治さんの出身地は東北。花の時期は標準値からひと月は遅れるのである。
さてはて、正解は?




