インカの目覚め
何年前になるだろうか。アニメ情報誌Newtypeに掲載されている漫画 ファイブスター物語の中で、ジャガイモの一品種の「インカの目覚め」を炒めて食べるシーンがちょこっとだけあった。それまでジャガイモの品種と言えば、「メークイン」か「男爵」「キタアカリ」しか知らなかったので、他にも品種があるということ、しかもなんだかかっこいい名前だったのが印象的で、変に記憶に残ってしまった。
ある意味、笑撃的な出会いとなった「インカの目覚め」。然程時間を置かずに、東京都心の高級食品スーパーにて実物にご対面と相成る。南高梅の2Lくらいと、とても小さな大きさのものが10個くらい入った状態で販売されていた。値段は記憶に残っていないが、随分と割高だなぁと思ったことだけは覚えている。ジャガイモのソテーはちょっとなぁ…と思案し、蒸した後、ちょっと良い塩を付けて食べることにする。それまで食べたジャガイモと違って、キメの細やかなねっとりした旨味。なかなか良い感じ。結構ハマって、何度か「インカの目覚め」を買って食べた。固くて潰れる心配が無いから旅の行動食にもした記憶がある。残念ながら農家さんもお試しで作っていたのか、ひと月ちょっとで「インカの目覚め」は店頭から姿を消した。
その後も幾度か「インカの目覚め」に遭遇してきた。コロナ禍の後、関西に戻ってからJAの農産物販売所にて見かけた際には、温州みかんくらいのかなり大きなものだった。最初の頃の小さな大きさがスタンダードかと思っていたので、その大きさにビックリ。
大きさの違いの理由は何なんだろうか。単純に小さなものをもったいないと集めて販売していたのか、生育した土地の質に拠るものなのか、品種の特性に拠るものなのか、はてさてどれだろう?