2025.8.11 漸くミンミンゼミの声を聞いた
7月中頃から、どんどんセミの声が増えてきた。
但し、アブラゼミとニイニイゼミの声ばかり。
どうしてだか特徴的な鳴き声をする、ミンミンゼミやヒグラシの声がしない。強いて言うなら、ミーンミンミンミンミンミンミンミーン…というミンミンゼミの鳴き声を耳にしないと日本の夏!という実感が個人的に湧いて来ないのである。
そう言えば、去年もそのまた前の年も、今住んでいる辺りではミンミンゼミの鳴き声は少なかった。ヒグラシも同じく。
本日、この夏初めてのミンミンゼミの鳴き声を耳にする。但し、たった一匹。物寂しい。もうちょっと増えて欲しいものだ。
ヒグラシの声はいつ耳に出来るだろう。
よくよく考えると、ツクツクホーシの声もあまり聞かなくなっていた。晩夏の夕暮れにツクツクホーシの声を聞く度、もうそんな時期になってしまったと意味不明な焦りを覚えたものだ。終わる夏の一日、終わる長い夏の日々…。
あれこれ考えるに、今住んでいるこの辺り一帯、神戸・大阪のベッドタウンとして、人の都合により田畑を潰し樹木を切り倒し家やマンションを建て、辺りの地面を固く舗装されてきた。ここ十年二十年の間に、ミンミンゼミやヒグラシやツクツクホーシの幼虫が寄り付く樹木が切り倒されてしまい、そのツケがセミの個体数減になってしまったのだろう。一つ一つの行為は大したことないのだけれど、積み重なるとそれまでの自然の有り様がガラッと変わってしまう。
そうして今の日本は、明治からこの方急激な物質文明開化によって、沢山の動植物が絶滅、或いは絶滅危惧に瀕している。
ぬくぬくと便利な生活を享受している身で何を言っても意味が無いかもしれないけれど、人間とはなんと欲深い存在なんだろうかと思う。積み重なった歪みが、人類衰亡の危機とならぬことを切に祈る。