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セミの抜け殻

虫が苦手な方は画像表示をオフにするかブラウザーバックを願います。

今年の夏は酷暑に加えて、渇水気味だ。まともに雨が降ったとしても、その後に続く酷暑であっという間に降った雨は空に帰ってしまう。草木の葉っぱの萎れ具合や、個体保存の為に古い葉を落として新しい葉を活かす様子を見るにつけ、何とは言えぬがファイト!と心の中で(つぶや)いてしまう。

そういう酷暑のあおりの一つにセミの羽化があった。

ep115にて、7月2日この夏初めてのセミの声を聞いたと書いた。そこからどんどんセミの鳴き声が増えていくと思っていたら、違った。一週間経ってもセミの鳴き声は増えずおかしいなぁと思っていたら、新聞だったかに酷暑で雨が降らない為、セミの羽化が遅れているとあった。雨が少ないせいで、木の根っこが大地から水を吸い上げ樹液と化す量が少なく、樹液を糧とするセミの幼虫の羽化を促すことが出来ずにいる、と。なるほど。おまけに乾いた地面は硬いし、土を掘り外へ出て来るのも大変だ。

7月12日の夕方に漸く雨が降ったが、足りなかったのか、セミの鳴き声は増えていない。

日を置いて、7月14日の夕方から雨がまた降った。その翌朝、ふと歩道脇の木々を見ると、セミの抜け殻がこれでもかというほど枝葉に付いていた。数えるのも嫌になるくらいだ。そして、おやと目に付いたのはセミの抜け殻のおんぶ抱っこ状態である。小さい頃からセミの抜け殻は何度となく目にしてきたけれど、こんなふうなおんぶ抱っこ状態は初めて目にする。それも、一箇所では無く、彼方此方で。基本三匹が固まって羽化しているようだが、どんなふうに羽化していったのか謎だ。いちどきにではなく、一匹、また一匹と時間差の羽化だったのではないかと思うのだが。そうでないと、お互いが邪魔して羽化しにくいだろう。

それよりも、何故おんぶ抱っこ状態が発生したのかが気になる。羽化する場所は沢山あって、ひと所に固まらずとも良いのだ。敢えてひと所に固まって羽化する理由は何?あれこれ考えていたけれど、最終的に行き着いたのは、地中にいる時の友達だったからというお花畑な結論。一匹だと心細いけど、皆んなで羽化すりゃ怖くない。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


この写真を撮った何日か後、小学3〜4年生くらいの男の子数人のグループが得意げに捕虫網を持っているのを見かけた。ただ、虫かごは持っておらず、捕虫網は輪っかの方を上にして網の中に何か入れているようだった。何を入れているんだろう?じっと見ていると、網は男の子の歩くにつれて、入れているものが軽いからゆらりと動く。ついでに網の下の方はほのかに薄茶色をしている。薄茶色?捕虫網の中にあるものにピーンとキタ。それはここ数日で大量に羽化したセミの抜け殻だ!なんとまあよく集めたものだ。一つの捕虫網にざっと見る限り50個は入ってそうだ。男の子の人数は5人かな。合計250個ものセミの抜け殻かぁ…。もう一度言う。なんとまあ、よく集めたものだ!虫が苦手な方なら、気絶ものだね。彼らのお母さん達はどっちだ?お母さん方の心の無事を祈っておこう。

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