声無し人魚とタブレット
ささ、中へどうぞ……どうしました?……ああ、わたしは純喫茶を営んでおりまして……その動きは……ああそうですそうです、コーヒーを淹れたりケーキを提供したり……何か言いたそうですね……そうですか、ああ段差にお気をつけて……
しかしあれですね、書く物がないと意思疎通がままなりませんね……ですのでこちらをどうぞ……タブレットと呼ばれるものです。ここから電源を着けて…この紙のマークを押してください……ええここで文字を入力するのです。試しに何か文字を打ってみてください……お……う……し……じ……さ……ま……文字を消したいときはここを……………………
あ り が と う
………いえいえ……疲れているでしょう、お風呂を沸かしてきますのでそこのソファで寛いでいてください……
わ か つ た
わざわざタブレット使うほどの返事ではないですね……ちなみに小文字はここのボタンを押しながら、フリックを……フリック…横にシュッと、そうです……
ぁ り が と ぅ
………気に入ってもらえたようで何よりです。すぐ戻りますから、文字入力の練習でもしていてください…………
…………ここは使わないのですか、別に構いませんが
ときにお嬢さん、あなたのお名前はなんというのですか
ア リ ナ
アリナ、ですか。素敵なお名前です……ではアリーと呼びましょう、ちなみにわたしの名はセバスチャンです
瀬葉須知也
……どうしてわたしの本名を…?…………あ予測変換で………間違えただけですか……
ほ ん み ぅ
……ほんみぅになってますよ、そうです本名は瀬葉須知也でございます……マスターらしくないのでセバスチャンと名乗っておりますが
セ バ
……好きに呼んでください……おや、お湯が沸いたようですね、着替えは後程持っていきますので……ああ場所は階段を登って突き当りを右です
わ か っ た
……タブレットは持って行かないでください…………
……………………………………投げるなっ




