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湖の騎士 VS穢れ無き騎士 No.3 エレインとギネヴィア①



数十年前『ランスロット』領


 我の少年期の名は『バン』。この名前は幼少期の頃に早くに死んでしまった両親が付けてくれた名だ。


 数十年前のランスロット家には跡取りが、我しかいなかった。その為、弱い5歳程にして現役当主の座に付くはめになった。


(バン様。当主。ご就任おめでとうございます)


(でも、僕は何もできないよ。アロン爺や)


(それはそうですとも。大丈夫です。我々の領地。ランスロット家には、『湖の妖精』ニミュエ様が下りますので。バン様がご成人されるまでしっかりと面倒を我々と共に見てくれます)


(『湖の妖精』? 誰、食い物?)


 そんな事を言う我の前に水の渦が渦巻き。ある1人の上位妖精が現れる。


(誰が食い物よ。 クソガキ! ねぇ? アロンさん。本当にこいつがあのバン王の息子で次の当主なの?)


(これは、これは、ニミュエ殿。はい。その通りです)


(ふーん‥‥‥‥魔力総量はまぁまぁ。色彩適正は(緑)?嘘、このユグドラシル地方と一番相性が良い色彩持ちなの?)


(アロン爺? なに? このウネウネ)


(誰がウネウネよ。誰が。これでも私はね。‥‥‥)


(ニミュエ殿は、かつて、神魔竜戦争で活躍したはじまりの十二家の家系なのですよ。バン様)


(ふーん!)


(ちょっと、待って! バン? あんた、バンって名前なの?)


(バンバン五月蝿いよ! ニミュエ姉ちゃん)


(ニミュエ姉ちゃん? あんた。上位妖精の私に向かって、何て口の聞き方を……って!そんなことよりバンって、先代領主のバン王の名前じゃない、アロンさん)


(ええ、バン様にと前領主様が‥‥‥)


(あの、バカ。何で自分の名前をそのまま、息子に付けて自分は早々に死んでるのよ。‥‥‥‥バカ、バン)


 ニミュエ姉ちゃんは何処か寂しげな顔をしていた。


(あんたはもう……此処。ランスロット領の領主なんだから。今後は、バンじゃなくてランスロット‥‥‥‥は長いから。ランスと名乗りなさい)


(うわぁ、ダサっ! 何言ってんの? ニミュエ姉ちゃん)


((イラッ)全く、憎たらしさは本当に親子そっくりなのね!全く‥‥‥‥まぁ、いいわ! これからあんたには色々な事を教えてあげるは。それが私の役目ですもの)


(役目? なんで?)


(オーディン様の願いよ。‥‥‥って。妖精国でオーディン様の名前を出してもあんまり意味ないか。統治する人が違うものね。まぁ、簡単に言えば。オーディン様のお友達。『妖精国』の王『ペンドラゴン』様の願いよ。『妖精国』の国の安定を維持するために‥‥‥って? 聞いてンの? あんた!)


(アロン爺。眠い‥‥‥‥)


(おお、バン様‥‥‥‥いえ、ランス様。お眠の時間ですかな?ランス様は良く眠りますな。将来は絶体大物になりますぞ) 


(いや、そんなことより。私の話を)


(おお、すみません。ニミュエ殿。こちらがランス様の今日の仕事です)


ドガァン!!!


 ニミュエ姉ちゃんの前には大量の書類が置かれる。


(何これ? アロンさん)


(本日の仕事です。、ささ、この爺も手伝いますのでさっさと終わらせましょう。初代、ランスロット様)


(嫌~ーー!!!)


 後でアロン爺に聞いたことによると。ニミュエ姉ちゃんは元々、人類側の人族代表だったとか。ガリア帝国に居ても本家に居場所が無いとかで他の戦争で活躍した人類側代表と共に『妖精国』に残ったとかで妖精の秘技とやらで人族から上位妖精に少しずつ変わっていったとか。


そして、現在はランスロット家の守護妖精として日々。こき使われているのだとか。


(何で初代にて頂点の私がこんな、事務作業をしないといけないのよ!!!!)


(それは仕方ありません。先代のバン様が奈落の調査に息。消息をたたれましたので)


(だから、あれ程。奈落には近づくなって忠告したのに。はぁ、流石は私の遠い子供だわ。人生の選択を間違えるわね)


(ごがあーーー!)


(こっちの私の遠い子供には、人生の選択を間違わせないように教育しないとね。アロンさん)


(はい。ありがとうございます! ニミュエ殿)



 こうして『妖精国』。初代ランスロット領主であった。ニミュエ姉ちゃんに導かれながら。我は彼女から様々な事を教わり。大きくなっていった。



十数年後。


(はぁ!!!!)


ドガアアアンン!


(どう?ニミュエ姉さん)


(‥‥‥‥うん。良いわね。‥‥‥‥もう、大丈夫そうね。ランスは‥‥‥)


(ニミュエ姉さん?)


 ニミュエ姉さんは何処か嬉しそうな。何処か悲しそうな顔をしている。


(‥‥‥‥もう、あんたに教える事は殆ど無くなったわ。ランス。ううん。今日からランスロットを名乗りなさい。ランスロット卿)


(ランスロット卿?)


(‥‥‥‥これで私の役目も終わりね。‥‥‥‥)


(役目が終わり? なに、言ってんだ!ニミュエ姉さん)


(ランス‥ロット。あんたは良く頑張ったは。本当に。私の(しご)きにも一切の文句も言わずにね。これからは1人で頑張りなさい。ランスロット)


(ニミュエ姉さん)


(あぁ、もう時間ね。私はいったん、アヴァロンへ帰還するはじゃあね!ランス。良い思い出も沢山ありがとう。アロンさんや皆にもよろし‥‥‥く)


(ニミュエ姉さん。どこ行くんだよ。ニミュエ姉ちゃん!!!!)


 ニミュエ姉さんはそう言い残すと。光の粒子となり姿を消した。


(‥‥‥‥姉ちゃん‥‥‥‥)



数年後。


(ランスロット卿。辺境の魔獣討伐お疲れ様です)


五月蝿い。


(あぁ、貴殿もお疲れ)


(いやー! 流石、ランスロット卿)


貴様達との会話はつまらん


(ああ、貴公も大活躍だったな)


(ランスロット卿) (ランスロット卿は素晴らしい)


姉さん。


ニミュエ姉さん。


(あぁ、ありがとう)


何処にいる? 何処に行ったんだよ?


(我々の領地。ランスロット家には、『湖の妖精』ニミュエ様)


『湖の妖精』!!


(湖、姉さん! 姉さんは湖に入る。会いに行かなくては)


(おや、どうされました? ランスロット卿?)


(済まないがそこを退いてくれ)


 そして、我は自身の領地に戻り。ニミュエの湖に行き。三日三晩。ニミュエ姉さんを探し回った。


(いない! いない! いない! いない! あぁぁぁぁぁあ!!! ニミュエ姉さん! 会いたい! もう一度、会いたいよ!!!)


 我は号泣し湖の湖面を殴りつける。


(あぁぁぁぁぁあ!!!)


(‥‥‥どうされました? 騎士の方? こんな、夜遅くに大きな声を出して)


(誰だ。いったい?‥‥‥‥)


 それが我とエレインの最初の出会いであった。


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